約束のネバーランド 第1話 ネタバレ
物語はグレイス=フィールドハウスと言う孤児院から始まる。
子供たちが母と慕う彼女は本当の親ではない。共に暮らす彼らは兄弟ではない。
私は孤児…そう思っていた…
朝6時の鐘の音でハウス(孤児院)の活動が始まる。ある1人の女の子が率先して自分より幼い子どもたちを起こす。その女の子が「エマ」
エマはハウスでは最年長。すでに孤児院で10年の時を過ごしている。ハウスには38人の子供が在住している。
ハウスでは性格も年齢も肌の色もバラバラ。血の繋がりもない。でもエマにとっては大切な家族、そして家。
エマ「ほっはよー、ノーマン、レイ」
ノーマン「おはよう、エマ」
レイ「ほはよー、エマ」
ノーマン、レイはエマと同じくハウスでは最年長。ノーマンとレイは男の子である。この3人は11歳。
ノーマン「元気だねぇ、まだ朝ごはん前なのに」
レイ「お前、歳いくつだ?5歳?」
エマ「二人と同じ、11歳!…レイの意地悪!」
そしてハウスには世話役&母親役となる「ママ」と慕われるイザベラがいる。
エマ達はある日まで10年間、フカフカのベッド、おいしいごはん、白ずくめの制服、首筋の認識番号(マイナンバー)、毎日の勉強が当たり前の日常だと思っていた。
そして毎日の勉強では成績が算出される。最年長組のエマ、ノーマン、レイは非常に優秀で満点(フルスコア)を取ることも多かった。そして勉強が終われば外で子供らしい遊びをする。
この日も勉強が終わった後は皆で外で鬼ごっこ。鬼はノーマン。10数える間に鬼以外は逃げる。ハウスの校庭は広いが近づいてはいけないとされる場所が2つ。
外へと通じる門
森の柵の向こう
この2ヶ所はハウスにいる限りは絶対に守らなければいけない規則。そのためハウスにいる子供たちは「外」と呼ばれる世界に出たことがない。
エマ達は幼いころに外へ通じる門の側まで行ったことがある。幼いながらにエマは外の世界は少し不気味だと感じていた。
また里親が見つかり「外」へ出た子供たちから誰一人、手紙を寄越さないため、逆に「外」の世界は魅力で一杯と思っている子供もいる。
場面は鬼ごっこの続き。
エマ以外は全員ノーマンに捕まった。最後はノーマンとエマの一騎打ち。しかし、エマはノーマンに捕まる。
冷静な分析が得意なレイはエマにノーマンは鬼ごっこを戦略的にやっているから強いと教えてあげる。
エマ、ノーマン、レイはハウスの中でも異様に飛び抜けた頭脳や運動神経を持っている。
ノーマンは断トツの頭脳を持つ天才。レイはそのノーマンと互角に渡り合える博識で知恵を持つ子供。そしてエマは抜群の運動神経、学習能力を持っている。
鬼ごっこに参加している子供の中には明日、里親が手配されて巣立つ子供がいた。コニーという女の子だ。
そしてコニーが巣立つ当日の朝になる。
コニー「私、ハウスを出てもがんばる…」
コニー「大丈夫、この子が…リトルバーニーがいるもん」
コニー「あのね、リトルバーニーはね、世界に1つだけしかないんだよ」
コニー「ママが私だけのために作ってくれた…宝物なの」
コニー「大人になったらママみたいなお母さんになりたいんだ」
その後、コニーはハウスの子どもたちに見送られながらイザベラと里親のもとへ向かう。
ロビーに戻るとコニーが大事にしているリトルバーニー(ぬいぐるみ)がテーブルに置かれていた。それに気づき焦るエマ。それを見たレイはまだコニーは門のところにいて出発していないと言う。
そしてエマ、ノーマンでコニーのもとへリトルバーニーを届けることにした。本当はママであるイザベラに頼んで後から送ってもらうのがハウスの規則だが二人は規則を破る。
エマ、ノーマンは外へ通じる門まで来たが、コニーの姿は見当たらない。
エマ「コニー?」
エマ「ほわぁぁ…本物の車だ…」
ノーマン「車の中にはいないよ」
エマ「荷台に載せておけばわかるかな」
エマは荷台を覗いた瞬間に顔が青ざめる。そして抱いていたリトルバーニーを落としてしまう。唖然とした状態でノーマンを呼ぶエマ。
荷台にはコニーが見るも無残な姿でいた。
奥から人の声が聞こえてきた。エマとノーマンはトラックの下に隠れる。
謎の人物A「誰かいるのか?」
謎の人物A「オイ、今、声がしなかったか?」
謎の人物B「気のせいだろ?」
謎の人物A「ノラ猫なら捕まえて食ったのに」
謎の人物B「ゲッ…お前、猫なんて食うのかよ」
トラックに忍び寄る人の影。
エマはそっと影を見ようと頭を恐る恐る出した。
エマが見たのは人間ではなく人型の怪物。コニーを持ち上げて「旨そう」の一言。そして人間の肉が一番と言っている。
ノーマンはその人型の怪物をみて呟く。
ノーマン「食人鬼(おに)」
とっさにエマの脳裏はイザベラに昔から言われている門と柵へは危ないから近づかないこと…と思い出がよぎる。同時にイザベラの安否を心配する。鬼たちはエマ、ノーマンに気づかず会話を続けている。
鬼A「くそッ、指の先だけでもダメかなぁ」
鬼B「馬鹿、大事な商品だぞ、俺達ごときに手の届く代物じゃない」
鬼B「この農園の人肉は全部、金持ち向けの高級品なんだぜ」
エマはこの時、思ってしまう。
「私達はずっと食べられるために生きてきたの?」
そして奥から、また鬼が出てきた。
鬼「また6歳…」
鬼「此の所、並の出荷が続いている…がようやく上物以上を収穫できるな」
鬼「そろそろ、このフルスコア3匹も摘めるよう仕上げておけ」
イザベラ「はい、畏まりました」
その一部始終を見たエマ、ノーマンは驚きの顔を隠せない。危険を感じた二人は鬼に発見される前になんとかその場を逃げ出すことに成功。
エマ「鬼は…想像上の生き物で…みんなは…里子に…」
エマ「ママは…いつもの優しいママだよね…」
エマ「荷台のあの子…コニー…じゃ…なかったよね?」
ノーマン「……」
ノーマン「あれはコニーだった」
無事にハウスへと戻ったエマ、ノーマン。レイが出迎える。レイには見たこと、聞いたことは一切喋らない二人。
鬼がいる門では鬼がリトルバーニーを発見してイザベラに処分を命じていた。
ノーマン「逃げよう、エマ…ここを出るんだ」
ノーマン「外がどうなっているのか、わからない…でも生き延びるには逃げるしかない」
ノーマン「大丈夫…きっと逃げられる」
しかし、ノーマンの脳裏にあるのはエマ、ノーマン、レイといった3人なら逃げられるといった意味。しかし、エマは他の子供を置いて自分だけは逃げられない…家族同然の子どもたちが殺られるのは嫌だ…と言う。
エマの泣いている姿を見てノーマンはニコヤカな表情で「みんなで一緒に逃げよう」とエマに伝える。
この日を境にエマ、ノーマンは自分たちが出荷される前にハウスを脱獄して生き残る方法を考えるようになる。