太陽と月の鋼 ネタバレ1巻

太陽と月の鋼

いまかこ』以来の紹介となる、松浦だるまの新作シリーズ第1巻である。

太陽と月の鋼【1巻】あらすじ

主人公・竜土鋼之助は下級の武士である。浪人ではなく下級の武士(明言はされてないけど多分幕臣らしい)であるが無役なので収入がほとんどなく、食い詰めて餓死寸前という悲惨な生活を送っている。

そんな彼には秘密がある。

その秘密は、彼が武士としてうだつが上がらないこととも深く関わっている。彼は、金物(金属全般)に触れないのである。触ろうとすると、金属の方がひしゃげてしまう。例えば刀で彼を斬ろうとすると、彼に近づいた刀は折れて曲がってしまうのである。だから彼は髭も剃れないし月代も当てられない。それでは侍として一人前に仕事をすることができないのである。

そんな彼のもとに、ある日、とてつもなく素性の怪しい一人の美女が、自分から縁談を申し込んで嫁入りにやってくるのだが……。というところから、江戸時代を舞台にした伝奇ロマンスの幕が明けることになる。

太陽と月の鋼【1巻】ネタバレ

太陽と月の鋼

竜土家はすごいあばら家である。腐っても侍、さすがに一人住まいをしているわけではなく乙吉という老いた使用人がいるのだが、ともかく明日の米にも事欠くような暮らしを送っている。

前述の事情は広く知られているので侍の間でも彼は笑いものであり、そのために喧嘩に巻き込まれ、袋叩きにされて川に放り込まれてしまうのだが、そこで謎の相手に助けられたような(夢かもしれないがそんな感じのシーンが挟まれて)、その夜、いつの間にか家に戻っていた鋼之助は、正体不明の老人(人間がどうかも怪しいくらい正体不明)から手紙を渡される。縁談の手紙である。支度金は百両であるという。

ちなみに、花嫁衣装の花嫁がすでにふすまの向こうに控えている。女は月と名乗った。

完全に狐の嫁入りという風情ではあるが、しばらく一緒に暮らしてみた限り、少なくとも狐に化かされているわけではなさそうである(人間なのかどうかはやっぱり疑わしいが)。

はじめのうちは月を拒絶していた鋼之助だが、やがてちょっとしたきっかけもあって仲睦まじい夫婦として暮らすようになった。ひょんなことから、お役(つまり仕事。給料付き)にも恵まれることになった。

だが、そんなある夜。竜土家は陰陽師・夜刀川瞠介(やつかわ どうすけ)と名乗る超常能力者に襲われる。瞠介は、理由は明かさないが「月を連れに来た」のだという。彼はいろんな能力を持っている。相手の体から水分を奪って干からびさせたりだとか。鋼之助はその能力を怪しむのだが、月がざっくり説明することには、鋼之助の「鉄を曲げてしまう力」と同類の超常の力なのであるということらしい。

月は観念したらしく瞠介についていこうとするのだが、鋼之助は必死でそれを止めようとする。

髭剃りに使っている黒曜石の担当で攻撃してみたりとか。もっとも、さすがに力及ばず、月は結局連れ去られてしまう。ただ、最後の最後、鋼之助の執念で何か能力が覚醒でもしたのか、曲がっていた刀(※瞠介が持ってきていたもの)がまっすぐな形になって、瞠介のところに飛んでいく。そのシーンで1巻は終わりである。

太陽と月の鋼【1巻】感想

太陽と月の鋼

いきなり本編と関係のない話で恐縮だが、最初にちょっと触れた『いまかこ』、こちらはまだ2巻が出ていない。そもそもあっちは講談社から、この『太陽と月の鋼』は小学館から出ているという事情なので、背景のことはそれ以上分からないが。

さて、本作であるが、うらぶれた侍がいきなり刀をひん曲げるので正直『X-MEN』のマグニートー(磁力を操る超能力者)かと思いました。今後どういう方向に行くのかよくわかりませんが、江戸時代超常能力バトルものになるのかな。いずれにせよ先が楽しみだ。


太陽と月の鋼

太陽と月の鋼

原作・著者松浦だるま
価格605円(税込)

『累』の松浦だるまが描く新たなる世界!時は天保。うだつの上がらぬ下級武士、竜土鋼之助。亡き父母の願いは、ただ立派な“武士”として生きること――しかし鋼之助には、それができぬ“ある理由”が……

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