『無法島』3巻をご紹介する。
無法島【3巻】あらすじ
物語の状況としては前巻から引き続きと言った感じで、そんなに大きな動きみたいなものはない巻であるが、いちおう書くべきことが二つ。
まず、ジンボのグループの中に、快楽殺人犯が出現する。殺人犯なのはだいたいみんな一緒なのだが、グループ内でひそかに女を狙って殺し、しかも死体で「楽しむ」性癖を持った奴である。
ジンボはそいつを「サイコ野郎」と呼び、探し出して処刑するつもりでいるが、この巻の時点ではまだ犯人の正体ははっきりとは分からない。
第二に、島に第三のグループが結成される。といっても、三人しかおらず、3巻のうちに瓦解してしまう。詳しくはネタバレで。
無法島【3巻】ネタバレ
冒頭いきなりサイコ野郎の犠牲者の亡骸が発見され、チンピラ(と言っても殺人犯だが)連中がジンボに報告に行くところからである。
2巻から3巻の間に時間がだいぶ流れているらしく、ジンボによればこれで一カ月で九人目、一週間で二人目の犠牲者であるとのことだ。
ジンボはとりあえず、仲間を全部集めて一人ずつ、自分がなぜここに送られてきたか自己紹介をさせる。
強盗殺人だとか、連続通り魔だとか、凶悪犯揃いなのだが、疑いをかけられるのはそういうタイプではなく、女性を狙うタイプの犯罪者だ。一人、SNSで釣った家出少女を次々に殺していたというやつがいたので、ジンボはとりあえず「疑わしい奴は全部殺す」という明快な方針に従って殴り殺した。
次に「川崎ストーカー一家殺害事件」という奴も疑いをかけられるが、こいつはジンボに「ストーカー君」というあだ名をつけられただけで終わった。しかし、現状容疑者といえるのはこいつだけであるので、だいぶ疑わしい。
さて、この島は完全に放置されているわけではないので、新しい死刑囚が島に連れてこられたりもする。
多くはそのままジンボのグループに加わるか奴隷にされるかなのだが、それが嫌で逃げ出してきた三人組(男2人、女1人)がカイトのグループに接触をはかる。仲間に入れてくれというのだが、いまいち信用がならないという意見の方が勝り、別々のところに寝泊まりしてもらうことになる。
で、信用しなかったのが正解で、この第三勢力を形成するかに見えたこいつらがいきなり裏切ってくる。目当ては女である。ちなみに美空の他にもう一人いる。
一緒に食料を探しに行くことになったのだが、その途中で三人組はふいをつき、ふたりを人質にして美空に襲い掛かった。あやういところで、美空の悲鳴が漁に出ていたカイトのところに届く。
で、二人までは殺すことになった(カイトも美空も手を下してはいないが)。
三人目、一番弱そうだった性犯罪者の男は逃げていく。逃げるったって逃げる先は一か所しかない。ジンボのところである。ジンボのところで一部始終を話し、結局ジンボのグループに加わることになる。
例のストーカー君の下で、死体を埋める作業をすることになった。
死体を埋めるのはいいが、例のストーカー君、やっぱりなかなかガン決まった異常者であり、死体を弄んで楽しんでいるのである。やっぱりこいつが(島で起きた)連続殺人事件の犯人なのだろうか。
性犯罪者の男もストーカー君に諭されてそれに倣うようになったところで、4巻に続く、となる。
無法島【3巻】感想
ストーカー君の存在が実に不穏である。
現状この島で唯一の秩序は好しにせよ悪しにせよジンボの存在だけなのだが、その「悪の秩序」をも脅かす存在になりそうな、そんな予感を感じさせる危険な香りのするキャラクターだ。というわけで、また続きは次巻で。
無法島
20××年、政府は増え続ける凶悪犯に対し、試験的に流刑制度を復活させた。死刑に相当する凶悪犯62名が送られた島の名は、通称「無法島」――。家族を惨殺され、無実の罪を着せられ、この島へと辿り着いた一人の青年。あまりにも過酷な現実が、いま動き出す…。累計330万部超の大ヒットサバイバルコミック「自殺島」。そこでは語られなかった前日譚を描く、衝撃の話題作!!
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