漫画「蜜ノ味」ネタバレ感想!奔放な女性の半生を描く連作短編集!

蜜ノ味

フィールヤングという女性誌で連載された作品で、一巻完結ものである。

漫画「蜜ノ味」あらすじ

市橋ミツカという、ひとりの奔放な女の半生(具体的には中学生の頃から結婚するまで)を、本人の主観からではなく周囲のひとびとの視点から描いていくという試みをしている作品。

各話完結というか……いや、連作短編集と言った方が近いかもしれない。

漫画「蜜ノ味」ネタバレ

第1話 喜多ユウキ(14)

カッコ内の数字はそれぞれの人物の、エピソード当時の年齢である。喜多ユウキはミツカの中学時代のクラスメイト。つまり第1話はミツカの中学生時代の逸話である。

ミツカは陸上部の幽霊部員で、部員の一人が怪我をして他のメンバーも大会に出られなくなりそうだったので、その日だけ参加するようにと頼まれ、承諾する。だが当日、たいした理由もなくブッチしてしまい、顧問の教師(若い男)にひっぱたかれる。

ところが後日、その教師とミツカが学校内で致しているところをユウキは目撃してしまうのだった。それがショックで、ユウキの心にのちのちまで深く刻まれることになる。

第2話 赤星陽一(21)

高校はすっ飛ばして次は大学時代の話。赤星は同じサークルの男。ミツカの、まあ言ってみればセフレである。この頃のミツカはピルを飲んでいるらしい。ところがミツカは、同じサークルの別の男と付き合い始める。だが赤星とも切れずに続いている。赤星という男は冷めた性格なのでこの女は食わせ物だなくらいに思っていたが、何があったんだかよく分からないが付き合っていた男の方が自殺してしまい、それを目撃したミツカが笑い顔を浮かべているのを見て、さすがに引いたらしく別れてしまった。

第3話 桃園優子(24)

今度はOL編。いや、ミツカが何をしているのかはよく分からないのだが、相手の女(今度は女。ミツカは両方いけるクチだったらしい)はOLである。優子は冴えない女だったのだが、ふとしたはずみで知り合って関係を持つようになったミツカの影響でみるみる垢抜けて、彼氏などもできる。だがミツカはまもなく興味をなくして去って行った。

第4話 西垣俊二(52)

ミツカは既に年齢不詳になっているが、最終話で28歳くらいのはずだからまだ20代ではあるのだろう。西垣というのはミツカが行きつけだったバーのマスターである。バーのマスターなんかやってる割には純情な上に女というものを理解していない人物で、ミツカを「娘のよう」に思った挙句、のちにミツカが子供を堕ろしている(ピルを飲むのはやめたのだろうか)ことを知ってしまい、ドン引きしてしまう。だからといって関係が変わるわけではないのだが。男女の関係とかにはなっていないし。

第5話 新居文哉(29)

新居はミツカの結婚相手。どういう繋がりかよく分からないが、喜多ユウキから「先輩」と呼ばれている。ミツカがどういう女性かはよく知っているタイプで、他に男を作っても「逆に面白がる」という心性の持ち主。

最終話 喜多ユウキ(28)

第1話のユウキが再登場。中学校以来の再会となる自分の先輩と婚約中のミツカに、忘れがたい恋愛感情を抱いていたとかで、関係を持ってしまう。だからといってそれでどうなるわけでもなく、行きずりの関係で話は終わるのだが。

漫画「蜜ノ味」感想

蜜ノ味

というわけで一人の悪女の人生を多角的に俯瞰してみましたという作品なわけだが、ミツカ自身は言うほど悪事を働いているわけではないので、悪女というよりは単なる「自由人」という感じに受け止められないこともない。

良くも悪くも闇も病みもそんなに深くはないので、お手軽なロマンスものとして読むのがお勧めか。


蜜ノ味

蜜ノ味

原作・著者元町夏央
価格600円(税別)

気鋭・元町夏央、渾身の意欲作! ―この毒は、甘い。無邪気に、時に罪深い程に人の心を掻き乱す、市橋ミツカをめぐる証言。14歳の喜多ユウキは、綺麗な同級生・市橋ミツカに初恋にも似た気持ちを抱いていた。そんなある日、目にしてしまった彼女と教師の情事。それは彼の心に残り続け、そして14年後―――大人びた中学生時代から、波乱含みの結婚まで。ともに過ごした、あるいは見つめた人物の証言で綴る、ある女の刹那。

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