4巻である。二つ重大な動きがある。
一つ、7月22日からアニメ版が放映開始。
二つ、これまで正体不明だった、魔王と呼ばれる存在の正体がどうやら解明された。
平穏世代の韋駄天【4巻】あらすじ
ざっくりした流れを説明すると、前巻で襲撃してきた三人の魔族は全員イースリィの手中に落ち、脳みそを(物理的に)いじくられて韋駄天たちに協力する立場にさせられてしまう。で、三人から膨大な量の情報が韋駄天側に渡ることになる。
まず、「残ってる魔族の中で警戒すべきは誰か」。
359名の魔族の中で最強は王妃ブランディ。それに匹敵する存在は皇帝タケシタ、産婆ウメヨの二人くらいしかいない。産婆がなぜ強いのかは後述する。
戦闘能力とは別の部分で警戒を要するのがバコードとミクの二人。バコードは並外れた情報処理能力、ミクは異常な洞察力を持っており、既に洗脳されている三人をスパイとして戻そうとしてもミクに見破られてしまうだろう、という。
次に魔王についてである。
「魔族を利用している人間の科学者」という見方がこれまで有力だったのだが、何よりも年齢に不審な点があるという。控えめに見積もっても百年くらい前からゾブルで活動していて、個の人間としては長生きすぎる。代替わりしているというのも人物像が実を結ばなくて謎である。仮に魔族であるとしても長寿に過ぎる。
ここで一つの可能性が出てくる。「魔王の正体は韋駄天である」。というか、他にないのだから可能性としてそれしか残らない、ともいえる。
イースリィの考察と検討は長く続くのだが、ざっくり結論を書くと、「リンが守っている魔族の封印の中で、魔族の願いを叶えるために誕生した魔族の神、すなわち韋駄天」というのが魔王の正体である、というのが導かれた解である。
ちなみに魔王自身、自分の正体を認識していないのだが、本体はどうやら封印の中にいて、意識だけの状態で活動している。らしい。
平穏世代の韋駄天【4巻】ネタバレ
ストーリーの話に入れないのだがまだ続く。魔族が知能を得たのは魔王の技術によるもので、端的にいえば魔族として生まれてきたものを人間と融合させることで知能を獲得させているらしい。つまりみんな半分は人間なのである。生まれたての魔族でも強力なのでそれをねじ伏せて人間と融合させるために強いウメヨが産婆をやっているのだそうだ。
さて。だいたい説明はこんなところ。魔王は科学力を手中にしているので、これ以上長い間放置しておくと危険かもしれないから今のうちになんとかせねばならんのであり、結局のところ修行をせねばならない。というわけで、仲間になった魔族やプロンテアを相手に、ハヤトたちは修行を再開する。リンとイースリィはともかく、ハヤトはものすごい素質があるらしい、ということにプロンテアが気付く。
一方、魔族の方にも動きがある。ブランディが魔王をも出し抜いて何か企んでいるらしい。具体的に何を企んでいるのかはこの巻では明らかにならない。といったあたりで、次巻に続く。
平穏世代の韋駄天【4巻】感想
いろいろの意味で、魔族の人間臭さと韋駄天達の非人間性が浮き彫りになる巻である。
魔族が人間臭いのは実際に人間が混じっているからだが、韋駄天は形が似ているということ以外人間である要素がぜんぜんなく、魔族が人間にどんな非道を働いてもふーんとしか思わないし、それに心を揺るがされることもない。どっちが化物か分かったものではないが、そもそも神というのはそういうもんであるのかもしれないな。
ちなみに魔族がどれくらい人間臭いかというと、彼らは恋愛すらする。ブランディとタケシタは政略結婚的なあれではあるのだが、いちおう愛情みたいなものも存在したらしいのである。にんともかんとも。
平穏世代の韋駄天達
WEB漫画の傑作がWEB界のカリスマ2人の手で運命の再始動!! かつて、この世界は魔族に滅ぼされた。 近代兵器も通じない怪物魔族の前に、人類は滅びる寸前を迎えていた。打つ手を失った人間たちは救いを求めて祈り続けた。祈る以外に道はなかった。そして神は現れた。韋駄天と呼ばれる戦いの神。彼らは突如この世に現れ魔族を倒した。現在より800年以上昔の話である――。魔族を封じて800年。時は過ぎ…平和な時代に生まれた韋駄天=戦いの経験のない「平穏世代の韋駄天達」の前に再び、魔族が復活する。神・人・魔物の800年ぶり生存闘争、開幕!!!
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✅ 平穏世代の韋駄天達【5巻ネタバレ】帝国と韋駄天達の全面戦争が勃発!?