漫画「青年少女よ、春を貪れ。」は山田シロ彦先生が描くミステリーサスペンス漫画。第1話だけを読むと淡い青春のラブストーリー漫画のように思えるが読み進んでいくと元彼女の死の真相を暴くサスペンスへ激変していく。
サスペンス漫画好きの方にとっては注目の作品になること間違いなし。私は食い入るように飲めり込んでしまった作品です。
主人公である勝之の中学校時代の彼女・百々瀬ハルの死にはどんな秘密が隠されているのか…謎が謎を呼ぶ展開が堪りません!
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青年少女よ、春を貪れ【1巻】ネタバレ
1話ネタバレ
第1話は中学時代が描かれていく。東京から引っ越して来て学校一の美女&人気者になっていく百々瀬ハル。勝之の友人である亮や龍樹もハルの話題で盛り上がっていく。
勝之はまだ恋をした事がない学生であった。女性への興味の持ち方がわからない不器用な勝之。そんな中、学校へ忘れ物をして一人で取りに戻ると教室にはハルが窓に腰掛けて海を眺めていた。
ハルが飛び降りると勘違いして助けようとする勝之。ここから二人の歯車が回りだしていく。
もともとハルのことは可愛いと思っていたが恋愛感情はなかった勝之。しかし、この出会いをきっかけに胸の締め付けられる感情を抱いていく。
そしてハルのSNS投稿用の写真を手伝ってから仲を深めていく二人。放課後も一緒に帰宅していく仲へ。途中、ハルのストーカー男なども現れて彼女を守っていく勝之。
ストーカー男からハルを助けて事情を聞かされていく。
『かっちゃんらしいな…私の悪評…聞いてないんだ』
実は裏でハルは男たらしで悪評が拡散されていた。自身でもたくさんの男性と交際してきた事を勝之に伝えていく。その上で彼女は告げる。
『かっちゃんも一緒に遊んでみる?』
素で断る勝之。
この日を境に二人の関係は疎遠になっていく。しかし、心のモヤが残った状態の勝之。ハルを屋上に呼び出して以前の事を謝罪していく。同時にその時に感じた自分の感情を吐露していく勝之。
彼の吐き出した感情は告白に繋がる気持ちであった。
『それって告白ってこと?』
自分でもそんなつもりはなかったが思い返すと確かに告白と取られていいような言葉を伝えていた勝之。一気に恥ずかしくなっていく。
『ほんとに付き合ってみよっか?遊びじゃなくてさ…本気で』
勝之の気持ちはハルに届いていく。そして、この日から二人は恋人同士へ。同時に1話のラストで明かされる。交際から3週間後…ハルは帰らぬ人になっていく。
2話ネタバレ
舞台は一気に10年後へ。
サラリーマンとして企業で勤めている勝之。スーパーなどで買い物して自宅に帰ろうとしていく。同時に明日はハルの命日であった。
そんな時、彼の携帯に連絡が入る。それはハルの携帯からであった。誰かの悪戯だと考えて反応する必要はないと考える勝之。しかし、彼女の事が脳裏に浮かぶと電話に出てしまう。
『誰ですか…変なイタズラやめてもらえませんか?』
電話の相手は中学時代の同級生であり、ハルとも仲の良かった音無沙衣子(おとなしさえこ)であった。
音無はハルが死んだ日のことで伝えた事があるから明日の20時に恵比寿に来て欲しいと伝えていく。
動揺する勝之。
10年が経過した今でも心の中にハルの存在が消えずにいた勝之であった。
ハルはキャンプ中の事故にて亡くなっていた。
そして自宅に戻ると千鶴といった女性が勝之の部屋で待っていた。千鶴はもう何年も付き合っている勝之の彼女であった。
3話ネタバレ
翌日、千鶴から今夜の8時に熟成肉のレストランを予約している事を聞かされる。この店は勝之が行きたがっていた店であった。同時に音無の約束と時間が被っている事に気づく。
千鶴には少し遅れる事を伝えて音無との待ち合わせ場所へ。
大人の女性になっていた音無。テンションも高く同窓会のようなノリであった。しかし、少しずつ音無の会話に違和感を感じていく。自分達は似ている。そしてハルに縋る事でしか生きられない仲間だと…。
『何言ってんや?』
彼女の事がよくわからなくなっていく勝之。ハルの話になっていくと次第に豹変していく音無。
話に進展がないので千鶴の待つ場所へ移動しようとする勝之。すると彼を呼び止めて本題を切り出していく音無であった。
『ねぇ…勝之くん…ハルはただの事故死じゃないよ…』
この日はハルの命日である3月26日。
キャンプにてハルは事故にあって亡くなっている。そして音無は切り出す。10年前のキャンプ参加者達の中で何かが起こってハルは死んでいると…。
参加者は4人。
4人とも勝之の同級生や友人達であった。網口龍樹。佐伯亮。古崎ふみ。水川わゆ。この4人がキャンプの日に何をしたのか暴きたいと音無は伝えていく。
『もちろん協力してくれるよね…勝之くん』
4話ネタバレ
4人を疑う根拠を示していく音無。
それはあるテレビ番組。そこには水川わゆがインタビューを受けていた。
彼女はその番組で友人であるハルが亡くなった事を語っていた。そのインタビュー動画を見て違和感に気づく勝之。
『どうして水川はキャンプに行ったこと隠してるんだ?』
さらにハルの葬儀の時、キャンプをした4人だけは涙を流していなかったと明かす音無。4人は必ずハルの死に密接な関係をしていると語る。
さらに疑う根拠を示していく音無。
キャンプメンバーもおかしいと…。接点のなかった古崎ふみが誘われて自分達が誘われていない事も違和感があると。
『おれは誘われていたんだ…』
勝之は明かす。
しかし、当日の朝に風邪をひいてしまって行けなかったと明かす。その事実は初耳であった音無。そもそも音無がキャンプの計画を知った時、勝之は最初からメンバーに入っていなかったのだ。
『つまり君はイレギュラーな存在だったんだよ…』
『君がキャンプに行けていたらハルは死ななかったんじゃない?』
一方、熟成肉のレストランで勝之を待つ千鶴。待つことに疲れて肩を落としていた。
5話ネタバレ
音無との話を切り上げて千鶴の待つレストランへ向かっていた勝之。デートも終わって自宅に戻ると再び音無から連絡が入る。
音無は現在の彼女を酷評していく。
『ハルとは真逆の彼女ならハルのこと思い出さずに済むもんね…』
否定しつつ、勝之は音無に協力できないと伝えていく。そんな彼を罵倒しつつ、ハルが抱いていた夢を教えていく音無。
『お嫁さん』
同時に電話が切れる。
音無は勝之が住むマンションの前に来ていた。
『やっぱりハルにはあたししかいないんだね』
意味深な言葉を吐いて立ち去っていく。その夜、少し千鶴に詰め寄られていく勝之。待っている間…寂しかったと…。そして勝之を求める千鶴。
彼女を抱く中でハルとの思い出が蘇る勝之。
『ごめん』
気持ちの面でも萎えてしまって千鶴に謝罪していく勝之であった。
6話ネタバレ
勝之から事情を聞かされるが…千鶴は勝之に対して少し不安を覚えていく。
しかし、翌日になるといつもと同じ日常。二人の関係は大丈夫だと感じていく。しかし、勝之のスマホに入ってきていたメッセージチャットの通知を見て気づく。
今までメッセージがプレビュー表示されていたのだが…表示されなくなっていたのだ。
勝之のことが心配になる千鶴。彼の携帯を中身を覗こうと考えていく。しかし、直前で思い留まる千鶴。それでも勝之の初恋の相手のことが気になってしまう。
卒業アルバムでも見ようとクローゼットの奥を探すと謎の風呂敷を発見。初めてみる物であった。興味本位で開ける千鶴。中身を見て驚愕していく。
勝之が大事に持っていたのはハルのお骨だったのだ。
7話ネタバレ
音無の電話から1ヶ月が経過していた。
勝之の彼女である千鶴は結婚を意識しており、勝之もそれは知っていた。
しかし、結婚の2文字を見る度に思い出すのは音無から伝えられたハルの夢であった。
頭の中がハルの事で一杯になっていく勝之。
キャンプに行った4人から話を聞いてみたいと考えていく。
『音無と手を組まなくてもおれ一人で…』
勝之から同僚から心配されつつ、結婚に対して応援されていく。結婚に対して考えていく勝之であった。
その夜、結婚について千鶴に何かを伝えようとする。しかし、言葉を被せられて先に千鶴が切り出していく。
『勝之くん…私…実家に帰るね』
彼に心のモヤがかかっている事を察していた千鶴。勝之にも一度、地元へ帰るように伝えていく。
8話ネタバレ
駅にて二人とも地元へ帰る準備をしてひとまずの別れの挨拶をしていく。
『帰ってきたらたくさん昔話聞かせてね…』
快く勝之を送り出す千鶴であった。しかし、勝之の姿が見えなくなると実家に渡す予定のお土産を捨てて彼を追いかけていく事へ。
地元に帰る電車の中で勝之は龍樹、亮、水川、古崎へメッセージを送っていく。幸いなことに皆のアカウントは残っていた。誰か一人でも会ってくれたら結果オーライといった具合であった。
『全部知って…ハルのことを精算できたら…そしたら…』
同時に中学時代を思い出していく勝之。
『なんで俺と付き合ったん?』
勝之は一度、ハルに尋ねていた。この時のハルの返事は意味深であった。
『思ったんだ…かっちゃんならきっと…今はやめとく』
そして、この時には勝之はハルからキャンプに一緒に行こうと誘われていた。ここで第1巻は終了である。
青年少女よ、春を貪れ【1巻】感想
断片的な部分も多いのでまだ謎だらけの作品。
学校一の美女であり、元彼女であった百々瀬ハルの死の真相を探る物語。
ちなみにやたらハルに入れ込んでいる音無。たまに描写される中学時代の断片的な部分では仲が良いがそこまで執着するほどの関係とは思えない。
死の真相を探る事で何が見えて来るのか…。他殺なのか…自殺なのか…注目のサスペンス漫画。興味が出た人は是非、チェックしてみて下さい。ちなみに合本版だけでなく、各話売りの分冊版も配信されています!
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