もっこり半兵衛、4巻である。3巻同様、電子書籍版のみでの販売。
目次
もっこり半兵衛【4巻あらすじ】
例によって各話完結方式なので、さくっとネタバレに進もう。
もっこり半兵衛【4巻ネタバレ】
第十七話 岡っ引き善造の正体
岡っ引きというものは江戸時代の警察組織の一部であるが、決して正義の味方だったわけではない。岡っ引きそのものはあまり収入には十手をかさに町人にゆすりたかりを働くのが主な収入源だったのである。しかし、善造という岡っ引きは特にタチが悪かった。とある商人を妻の不倫をネタに脅迫して、50両もせしめようとしたのだが、その商人が半兵衛に泣きついたので、半兵衛は間に入って10両に負けさせてやったのである。
ところが善造はこれを逆恨みし、半兵衛を陥れようとした。とある貴人の警護をするために侍を斬った半兵衛を、その場で捕えようとしたのである。ところが貴人なる人物が駕籠から出てきて、この一件は不問にせよという。その人物こそは、北町奉行大岡忠相その人だったのであった。善造は岡っ引きを首になり、めでたしめでたし。
第十八話 玉五郎の贔屓
玉五郎という半兵衛の古い知人の歌舞伎役者が、大奥の偉い女に惚れ込まれて困っていた。女は冷徹な性格で、玉五郎にはその気はないし、だいたい手など出した日には命も危ない。そこで、歌舞伎座一同でひと芝居打って女を脅かし、玉五郎から手を引かせようとする。女の父親、故人なのだがその幽霊に役者が扮して、役者遊びなどやめるようにと説得させたのである。ところが女は、とんでもないことを言い出した。その父親なる人物は、自分が毒殺したというのだ。その打ち明け話の後、女は玉五郎のもとには現れなくなった。
第十九話 茂吉のだいこん
茂吉という、半兵衛の娘の友達である農民の子が、父親の罪に連座して処刑されることになった。半兵衛は何ができるわけでもないが、連座という幕府の悪法に怒る。たまたままた大岡忠相の護衛をすることになった半兵衛だが、一瞬大岡が斬られるのに任せて見捨てようかと思ってしまったほどだった(結局助けるのだが)。大岡は「連座が悪法だということは自分も将軍(吉宗)も分かっているので、いずれ改める」と約束し、その約束は数年後に果たされることになる。
第二十話 正吉のかんざし
正吉という飾職人には、吉原で働いている妹がいた。元は美しい娘でそれなりに出世したのだが、病を得、最下級の娼婦にまで落ちぶれ、そして病の悪化によって余命いくばくもなかった。正吉は妹を身請けしたい一心で強盗を働こうとするが、それを半兵衛が止める。妹は病死したが、かろうじて葬式をあげて墓に入れてやることはできた。半兵衛の友人の夜鷹たちは、これは十分なハッピーエンドだ、と論評する。夜鷹にまで身を落とせば、死んでも墓すら作ってもらえないというのが当時の世の中だったのだ。
第二十一話 相模屋の恩
相模屋は半兵衛にとって恩人の商家である。幼い頃の娘を一時、預かっていてもらったことがあるのだ。その縁で、奉行所の同心(半兵衛の知人の八丁堀とは別人)に脅迫されているこの店を救う手助けをすることになる。同心の父親に、同心が相模屋を脅しているところをひそかに聞かせて、家督から追放させたのだ。その後、半狂乱になった同心は町中で剣を抜いて暴れはじめたが、そこに半兵衛が駆けつけるところで4巻は終了となる。
もっこり半兵衛【4巻の感想】
4巻の最後のシーンが物凄く打ち切りっぽいので心配になって調べてみたのだが、いちおうまだ続いているらしい。よかった。紙版は出なくなっているし先行きが不安なことに変わりはないが、ともかく5巻は出るらしい。というわけで、次巻をお待ちいただきたい。
もっこり半兵衛
月並半兵衛はある藩の剣術指南役。あることで脱藩し、江戸へ。ひょんなことで江戸の夜廻りの仕事を月一両ですることに…。それから八年。家族は、こまっしゃくれた八才の娘さやか。夜鷹の協力も得て江戸の夜の悪を退治するのだ。
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