渡辺潤先生が描く国家転覆サスペンス漫画『デガウザー』完結巻である第6巻。世界の命運をかけた人間、兵器の物語に終止符が打たれる形となっていきます。
6巻は情報量が多すぎるので是非、漫画を手にとって読んで欲しい骨太な内容。
見所としてはメインキャラである求と虹の関係、裏切りに続く裏切り、ベールに包まれていた人物の素性、そして世界の命運ではないでしょうか。
お腹一杯の内容で最後まで失速する事なく駆け抜けていくストーリーになっています!
デガウザー【6巻ネタバレ】
ロシア大使館にて轟の意志を継ぐ後継者であり、現内閣防衛大臣兼総理大臣臨時代理である玉越の会見を聞いていく求達。
玉越はテレビ中継にてデガウザーの存在を暴露。さらにグァムの消滅、地殻変動、津波の原因は全てデガウザーにある事を公の場で包み隠さず会見していきます。
世界から戦争を仕掛けられてもおかしくない状況の中、玉越は世界に向けて宣言をしていく事へ。
安全保障条約を破棄。デガウザーによる新たな新秩序設立を宣言していきます。日本がデガウザー保有国といった強みを全面に押し出して世界の覇者を気取る玉越。
中継を見ていた求達。
彼の暴走を止める為にデガウザーによるデガウザーの相殺を考えていきますが、求がこれを拒絶。犠牲を払わない解決策はないかと打診していきます。
過去と関係が明かされていく!?
これ以上、犠牲者を出したくない求。
聞いていたロシアの諜報員であるニコライが口を開きます。デガウザーの完成に必要不可欠な『テスラ・ファイル』を世界にバラ撒いて、相殺し合えるデガウザーを各国で保有させようと提案。
しかし、議論は平行線のまま賛成される事はなく、ある事実を求は口にしていきます。
『これ以上、人を殺したり、苦しんでる姿は見たかねぇんだ…弟がよ…』
ここから求と虹の真の関係が明かされていく事へ。
2人は兄弟。求は虹の今までのヒントから自分達が兄弟である事に気がついていました。兄から弟へ『他にも隠し事あるんじゃねーのか?』と問いかけていくと母親の死にまつわる暴露をしていく虹。
『母親は僕が殺したんだ』
唐突で意味不明な虹の言葉に困惑していく求。話の真相が見えない中、ニコライが再び口を開きます。虹に変わって母親の死の真相を求に明かしていくニコライ。
求達の家系、虹と母親との再会など過去の回想へ。
唐突な裏切りで事態は急転!?
求と虹の関係、母親の死の真相、そしてテスラ・ファイルの流れなど明かされた後、沈黙を続けていた虹が口を開いていく事へ。
デガウザーによるデガウザーの相殺以外にデがウザーの脅威を無効化できる方法があると明かしていく虹。母親が虹に託したテスラ・ファイル完全版にそのヒントが記されていると語っていきます。
犠牲を出さない一筋の光が見えた中、銃口を向けられていく求達。
裏切ったのはロシア諜報員、ニコライでした。テスラ・ファイル完全版を手に入れる為、味方のフリをしていたニコライ。息のかかった部下も集まってきて逃げ場を失う求達。
そこへニコライの上司である支局長が登場。ニコライに称賛の言葉をかけると共にニコライへ発砲。始末されてしまう事へ。ニコライは求達に情が芽生えたと判断した支局長。
続いて求達の始末にかかりますが、辛うじて生きていたニコライは助け舟を出していくことへ。全てを求達に託す共にニコライは自滅していきます。
最後の決戦の火蓋が落とされる!
月日は経過して8月。
山梨の牧場にて身を隠していた求達。そして虹がデガウザーの脅威を完全無効化する世界システムと称する兵器を完成させていきます。あとは特定の条件下で発動させるだけ。
最後の一歩を前にして求達の前に現れるのが元ヤクザの組長である阿刀田。
虹の開発した兵器を新型デガウザーだと勘違いしている阿刀田は武力によって求達を追い詰めて、兵器を奪おうとしていきます。
大勢の阿刀田部下に囲まれて逃げ場を失う求達でしたが、薫の犠牲、奇襲を受けた時の対策として地面に仕込んでおいたデガウザーで窮地から脱する事に成功。
そのまま求達は世界システムを発動させる為、岐阜県の素粒子研究施設まで足を運んでいきます。ここで世界システムを発動すれば地球全体の地場を利用してデガウザーの脅威を世界規模で無効化できるといった設定。
最後の仕上げの為、施設奥まで進んでいくと美雨が立ちはだかっていきます。
世界の命運…そして兄弟の別れへ
求達の前に立ちはだかる美雨。自身の素性を明かしていきます。自身を観測者と語り、別次元から来た人間だと明かしていく美雨。
あらゆる世界の『結果』を観てきたと語る美雨。
どんな結果を導き出しても人間は滅亡の道を辿ると求達に伝えていく美雨。そしてデガウザーが直ぐにこの施設に落とされる事をだけを伝えて去っていきます。
美雨の言葉を信じた求達。
急いで世界システムを発動させる為、施設の地下へ。
デガウザーが投下されるよりも早くシステムを発動できた求達。デガウザーの効力が無効化。デガウザーの脅威から怯えてなくても良い日々を手に入れたと喜ぶのも束の間、虹が『まだ完全ではない』と明かしていきます。
虹は自分の頭の中にデータが入ってしまっている。これが再びデガウザー復活の鍵になる可能性がある事を示唆。虹は次元を移動できる美雨に自身を完全に消去して欲しいと伝えていきます。
兄である求の制止を振り切って存在そのものを消し去っていく虹。最後は生き残った者の『その後』が明かされてデガウザーは完結となります。
デガウザー【6巻の感想】
6巻は怒涛の展開が繰り広げられていき、完結を向かえる内容。本当に壮大なスケールで描かれる漫画でした。まさかの美雨が世界線を超えられる観測者設定には驚きましたが(笑)シュタインズ・ゲートの鳳凰院凶真が脳裏にチラつきました。
非現実的な設定ではありますが、漫画として夢中で読むことができたサスペンス作品。
6巻完結のボリュームも丁度良く、序盤に張り巡らされた伏線や謎も完結までに回収されていきます。都市伝説ネタを切り口に壮大なスケールで描かれるサスペンス漫画。
是非、興味が出た人は1巻から追ってみてください。次々と訪れるハラハラ・ドキドキの展開。そして謎が謎を呼ぶ展開にハマる事間違いなし!
デガウザー
『三億円事件奇譚 モンタージュ』の渡辺潤が描く新境地!借金を返済するため、貨物船の臨時作業員として船に乗り込んだ矢口求。しかしそれは、壮大な人体実験の幕開けだった。突如船が大きく揺れ、猛烈な頭痛とともに目の前の光景が歪み始める。状況を把握するべく動き出した求の前には、想像を絶する凄惨な光景が広がっており…。世界最大の都市伝説「フィラデルフィア計画」と現代社会が絡み合う、驚愕の国家転覆サスペンス!!
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