話題沸騰である野崎まど先生が描くサスペンス小説【バビロン】のコミカライズ版の内容をご紹介していきます。作画は瀧下信英先生が担当。ちなみにアニメ版も小説版も観たり、読んでおらず、バビロンに触れるのは漫画版が初となります。
この漫画の主人公は東京地検特捜部検事である正崎善(せいざきぜん)。彼は薬事絡みの不正事件を捜査していると政治が絡む陰謀と不可解な自殺事件に直面。正崎は新たな火種に首を突っ込んでいく事になり、想像できないスケールの事件へと発展。
過激かつ衝撃的な物語が繰り広げられていきます。
スリリングなサスペンス体験と価値観を変えられる衝撃なストーリー。気になった人、興味が出た人は必読な漫画です!
バビロン(上)【漫画版ネタバレ】
1話ネタバレ
東京地検特捜部検事である正崎は相棒である文緒と共に糖尿病治療薬の臨床試験データの不正事件を追っていた。事件を調査していく内に試験責任者である因幡信(いなばしん)の臨床試験表から不可解なメモを発見する。用紙の角に書かれた「F」の文字と用紙の裏面に書き殴られた大量の「F」の文字。
Fの文字で黒く塗りつぶされた裏面には頭髪、爪の端、フケのような皮膚のかけらなど不可解な感触を得ていく正崎。
この用紙の作成者である因幡が勤める医科大学を尋ねていく正崎と文緒であったが関係者から訪問当日は休暇である事を聞かされる。しょうがなく大学内で因幡に精通する人間に聞き込みを続けていくと謎のお爺さん、女と接触していた事が判明。
そんな事を脳裏に留めつつ、聞き込みで得た因幡の住所へ向かっていく2人。
室内に人がいる様子ではあるが、インターホンを押しても反応はなく、管理人から鍵を預かり、因幡宅にお邪魔していく。カルミナ・ブラーナの曲が爆音で流れる部屋のドアを開けると衝撃が走る。
全裸で呼吸器をつけて死に絶えていた因幡の姿が…。正崎は直ぐに文緒に警察の手配を指示。同時に胸がざわつき興奮を覚えていく正崎。
『これはデカい事件になるかもしれん…』
2話ネタバレ
多摩警察署の刑事・九字院に発見した遺体の説明を求めていく正崎。遺体は追いかけていた因幡本人であった。死因は麻酔による死。さらに警察の捜査で自殺が濃厚だと伝えられていく。
また九字院から大学の来訪記録に因幡のもとを訪れていた老人の素性が明かされていく。老人は安納(あのう)といった人物で大物議員である野丸(のまる)の私設秘書である事が判明。
東京地検特捜部部長である守永に知り得た情報を報告していく正崎。
守永は因幡の自殺と現在行われている新域の域長選挙が関係している可能性がある事を正崎に示唆していく。もしこの両者が関係していた場合、とてつもない事件になる事を前置きした上で守永は正崎に事件を追従できるか問いかけていく。
興奮気味に事件を追う意志を見せていく正崎。
この漫画における新域構想とは八王子、相模原、多摩、町田などの広大エリアを一つに纏め、新たな特殊行政区分としている。漫画内の時系列ではこのエリアの長を選ぶ域長選挙の真っ只中である。
正崎は因幡所有のPCを押収。
デジタル犯罪捜査の責任者でありスペシャリストでもある三戸荷(みとに)にロックがかけられているパスワードの解除依頼をしていく。3時間でパスを解除した三戸荷。中のデータにより重厚なセキュリティが仕掛けられているファイルを発見する。正崎にその事を報告。彼はさらに三戸荷にファイルのパス解除を依頼。
一方、正崎は大学同期の親友で現新聞記者をしている半田と対面。
正崎は捜査で得た医師の不可解な自殺と域長選挙に関係性がある事を伝え、半田に野丸の周りを嗅ぎ回って欲しい事を依頼していく。
その後、正崎、文緒、九字院で捜査チームを結成。秘密裏に因幡の自殺と選挙に因果関係がないか調査していく事へ。九字院は因幡の周辺捜査。正崎達は安納を捜査する事へ。
同時に九字院から安納と共に因幡の大学を訪れていた女がいた事を伝えられる。名前、素性も不明の為、この時はこの女「A」と名付ける事へ。
3話ネタバレ
安納の張り込み捜査をする正崎と文緒。安納が若い女性を連れ出して料亭へ向かう現場を追跡していく。
安納は若い女性を東京建設業協会会長である半田に充てがっていた。要は政治に色を充てがい有権者を抱きかかえる策略である。選挙の裏の陰謀に怒りを隠せない正崎と文緒。
この時点で踏み込む事はせず、安納が連れていた女を「B」と名付けていく。
選挙の違法行為と素人臭かった女「B」に目をつけた正崎。女「B」を糸口にして情報を引き出そうと考えていく。ここで正崎達は捜査を二手に分ける事へ。正崎は安納を捜査。文緒は女「B」を捜査。
女「B」の張り込み捜査をして逐一、正崎に動向を報告していく文緒。3時間ごとに定時連絡を義務付けていく正崎であったが12時間後の4回目の定時連絡のメールにて文緒の異変に気づく正崎。
『僕、家に帰ります。正崎さんも来て下さい』
違和感のあるメッセージに急いで文緒宅へ駆けつけていくとベランダの手摺にロープを固定。首にロープを巻いた文緒が待ち構えていた。そして意味不明な言動を発したまま文緒はベランダから飛び降り…亡き人に…。
4話ネタバレ
目の前で文緒に自殺された正崎であったが上司である守永に文緒が自殺する動機は全くなく、何者かに唆されて殺された殺人であると主張。
正崎は新たに文緒を自殺に追い込んだ犯人探しも開始していく。
九字院と合流した正崎は九字院の捜査で得た情報を共有されていく。ここで野丸と同じく域長選挙の立候補者である齋(いつき)と野丸が癒着している可能性を伝えられていく。複雑に人間が絡み合っていく域長選挙。
そんな中、安納を捜査していると新しい女「C」が現れる。
女「B」と同じく安納と共に料亭へ導かれていく女「C」。正崎は九字院、半田と合流。何としても今回の事件の情報を掴みたい正崎は違法捜査に手を出していく。GPS発信機を女「C」の靴に仕込んで取り逃がさない意志を見せていく。
そして女「C」に見張りがいない事を知った正崎。発信機を追いかけて女「C」こと平松絵見子と邂逅。捜査対象として無理やり東京地検へと引き連れていく。
5話ネタバレ
平松絵見子に野丸が違法選挙を行っている言質さえ取れれば重大な証拠に繋がると確信を得ていた正崎。平松に尋問を開始していく。
しかし、喰えない女である平松からまったく確信に迫る言質を取れない正崎。
最後に2つの選択肢を与えていく。
供述を変更しない事。こちらを選んだ場合は即逮捕して最大二十日間勾留する旨を伝えていく。もう一つは供述内容を変更して正崎の用意した供述調書にサインをするといった選択肢。完全に脅しである。
平松は後者の選択を承諾する。
供述調書にサインするが正崎に関する話、質問をしたいと条件を付け加えていく。
6話ネタバレ
供述調書のサインと引き換えに正崎の話を聞かせて欲しいと条件を加える平松。彼女から質問を投げかけられ答えていく。
『犯した悪事は?』
『貴方は正義?』
違法捜査に手を出していた正崎は平松の質問に答える事ができなかった。
その後、臨時の立会事務官を平松の見張りに立たせて、正崎は供述調書の作成。書類を片手に平松の待機室へ戻ると彼女は居なくなっていた。
見張りさせていた立会事務官に怒りを露わにする正崎。彼女は帰っていたのだ。同時に事務官にGPS発信機を渡していた。彼女は気づいていたのだ…。
何一つ有益な情報が得られなかった正崎。
その状態で強制捜査の承認を得るための検察首脳会議へ顔を出していく。しかし、会議室には悪事を暴く対象の本丸である野丸が訪れて来ていた。
7話ネタバレ
場所は変わって守永の部長室。
野丸と対面していく正崎。ここで野丸は全ての背景を正崎に話すと伝えていく。ここでタイミング良く三戸荷から連絡。因幡のPCにあった厳重なセキュリティのかけられたファイルを開いた連絡であった。
その内容は未承認薬の一覧と処方対象患者の名簿であった。
三戸荷からの連絡を切り、野丸に問い詰めていく正崎。
『因幡に何をやらせようとしていたんですか?』
未承認薬の件まで辿り着いた正崎を感心していく野丸。ここで野丸は新域構想の背景にある裏の目的を正崎に打ち明けていく。特殊行政地区である新域では現状の日本ではできない事、全てを執り行う『国家の実験場』が新域の本来の役目である事を伝えていく。
その為に人の命まで奪った事に怒りがこみ上げていく正崎。脳裏には文緒と因幡の顔が…。
この続きは野丸とグルであった守永が話していく。
野丸は文緒と因幡の死に関与していない事を伝えていく。信じる事ができない正崎。しかし、野丸達にとっても因幡の死は予期せぬ出来事であったと語られていく。また文緒のような下っ端を殺しても野丸達に何の得もない事も守永は伝えていく。
そして、自分達の想定しなかった事件が起こった為、守永は自身の目が届きやすかった正崎に因幡の自殺を捜査させていた事を明かしていく。自殺の真相を自分達も知りたいと語る守永。引き続き、因幡や文緒の事件を追って欲しいと懇願。
さらに野丸は域長選挙が八百長である事も明かしていく。
最初から齋が勝つことが設定されていた。簡単に言えば話題作りの為に野丸達は齋を域長にする手回しをしていたのだ。政治の件には目を瞑って自殺関連の事件だけを調べて欲しいと守永に頼まれる正崎。
判断の猶予を与えられると同時に文緒に代わる、新たな事務次官・瀬黒陽麻(せくろひあさ)が正崎の事務次官として配属されていく。
8話ネタバレ
裏の新域構想の背景を知った正崎は守永と共に新域庁舎ビルで発起会パーティーに参加。ちなみに瀬黒も新域構想の裏背景は熟知済み。
野丸達の思惑通り、域長となった齋とも対面して助力を煽られる正崎。
その後、検察庁に戻る正崎。三戸荷から文緒が死んだ当日、彼の持っていたGPSの動きを分析した事を報告される。そこで新たな事実が判明する。
文緒は車から女「B」の張り込み捜査を行っていたと思っていた正崎。しかし、実態は文緒が女「B」の部屋に入っていた可能性が示唆されていく。脳裏で文緒と女「B」の間で何が起こったのか…考えていく正崎。
翌日、朝一番に守永から呼び出しを受ける正崎。
新域の域長になった齋が発起会の夜から失踪した事を告げられる。
9話ネタバレ
文緒や因幡のように事件性を感じ取った正崎であったが、その線は消えていく。何故なら齋一人ではなく彼の側近数十人が一緒に失踪していたのだ。さらに域長選挙に関連した全ての資料も持ち去られていた事を告げる守永。
守永は新域の事情を知る正崎に齋の身柄を押さえる助力を求めていく。
しかし、自身の捜査があり、文緒と女「B」が接触していた可能性がある事を告げていく正崎。彼は自分の捜査を優先させようとしていた。ここで守永が衝撃の事実を正崎に伝えていく。
安納が有権者に色女として提供していた女A、B、Cは全て同一人物であると伝えていく。名は曲世愛(まがせあい)。彼女もまた齋と共に失踪した一人であり、彼女は齋が連れてきた女である事を明かしていく。
正崎は九字院、半田を合流させ、事情を説明。
そんな中、衝撃なニュースが放映されていく。新域庁舎ビルの屋上に60名前後の人間が集合していた。その中には見覚えのある顔も数人。
現場へ向かう中、三戸荷から連絡を受ける正崎。因幡の別PCから新たな情報を引き出したと…。それは因幡の開発した新薬の開発データであり、飲むと二度と目を覚ます事はない自殺薬であると説明を受けていく正崎。
新域庁舎ビルのモニターに写し出される齋。
彼は新域では『死の権利を認める』と発表。同時にビルの屋上にいた60名が地上へダイブしてくる。
現場へ到着した正崎は因幡のカルテに書かれていた「F」の文字を理解していく。『Femlae』から取ったFであると断定。そして一連の自殺事件の犯人は曲世愛であると辿り着く。
飛び降り自殺で騒然とするビルの前。
曲世愛と邂逅を果たす正崎。しかし、曲世は正崎の前から姿を消していく。
バビロン(上)【漫画版の感想】
取り敢えず骨太過ぎる(笑)
正直、この上巻はプロローグといった感じでまだ全容が見えない。死の権利を認める=自殺OKだよといった部分は分かるが、そこに何故、自殺薬が絡んでくるのか…。
人為的に自殺を誘導して何を企んでいるのか…。
Amazon primeでアニメ版も観れるのでアニメ版を観つつ、漫画版の完結巻である下巻を読んでいこうと思う。話題になる理由がわかる程、面白い。同時に謎が多く解き明かされていくのが待ち遠しい作品である。
このバビロンはアニメ、小説、漫画版とあるのでお好きな視聴方法でどうぞ。漫画版は以下で取扱や試し読みも可能です。
バビロン(上)
TVアニメ放送中の“読む劇薬”コミカライズ版が上・下巻同時発売!!東京地検特捜部検事・正崎善(せいざきぜん)は、ある不正事件を追ううちに大型選挙の裏に潜む陰謀と、それを操る人物の存在に気がつき――。衝撃と絶望が押し寄せるクライム・サスペンス!
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