表紙見て「誰これ？」ってなった『満州アヘンスクワッド』12巻である。なお、結論から言えば新キャラ。
満州アヘンスクワッド【12巻】あらすじ
大連編はわりとあっけなく終わってしまい、一行は新たなる地、上海に到着する。言わんでもお分かりかもしれんが上海は満州ではない。外国である。
とはいえ、もともと中国であったわけで、ここにも中華系マフィア組織が根を張っている。といっても青幇ではない。赤幇（ホンパン）という別の組織がここでは勢力を張っている。赤幇は青幇と互角の勢力を持つ巨大な組織で、古くからライバル関係にあり、いまは上海に勢力を維持しているということのようだ。
で、表紙の女がその首魁である。宋蘭玉（ソンランユー）。
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満州アヘンスクワッド【12巻】ネタバレ
結局、大連で見つけた静（ジン）と名乗る密貿易人の手引きで上海に渡ることになった一行。周が青幇の勢力とともに勇一行を狙っているわけだが、静はその事情を既に把握しており、偽情報を掴ませて攪乱することに成功する。
静はどこかのスパイであるらしいということは分かっているわけだが、上海行きの手配についていえばちゃんと仕事をしてくれる。周の友人のマフィアは船を持っているので勇たちが船出したときに追手をかけて追跡するつもりでいたのだが、日本行きの船がたくさん出航するタイミングに合わせていたので、追跡を撒かれてしまう。マフィアの人は諦める。周は諦めてはいないようだが、上海に行くのだということも知らんだろうし、次に出てくるのはいつになることやら。
で、船旅しばし、上海に到着する。中国語は通じる土地だとはいえ、今は英国領なので、アウェーである。やることはいつもと同じで販路の開拓であるわけなので、ナイトクラブで遊んでみせたりして情報収集、「怪しいナイトクラブがある」という情報に辿り着き、行ってみたら阿片窟だった。それも、極上のアヘンを扱う、金持ちの客ばかりが集まる阿片窟である。だが、客のふりをして潜入したので、アヘンを吸わないで品定めをしていたら怪しまれて拳銃を抜かれてしまった。阿片を吸わないのなら何が目的でここに来た？とか言って。たぶん官憲か何かだと思われているものと思われる。同業者ですよ。
さて、最後の方で宋蘭玉が人と会っているシーンがある。誰かと思ったら、静だった。彼はどうやら宋蘭玉の飼っている情報屋というのが真の顔であったらしい。これはかなりまずいのでは？といったところで、次巻に続くとなる。
満州アヘンスクワッド【12巻】感想
宋蘭玉というキャラクター、出てきたばっかりなのでまだ底はよく分からないが、かなり大物然とした雰囲気を出してはいる。いちおうキャラクター紹介的に差し挟まれるシーンでは、英国系の悪党や日本系の悪党を相手に強気の交渉をしている。女だてらにこわもてで武闘派である。
しかし、宋蘭玉の目的そのものは特に分からない。真阿片についてどういう知識を持っているのかも、それについてどうするつもりであるのかも、この巻の時点ではまったく不明である。
ところであらすじ紹介では書かなかったが、勇は情報収集の途中、ナイトクラブの女といい雰囲気になった。家に連れ込まれて、ベッドインしそうになる（というか誘われる）のだが、そんなつもりはないとか言って断ってしまう。ヘタレである。
翌朝、事情を知ったリンが怒っている。その女と関係を持ったと思っているのである。そんな甲斐性が彼にあるのならリーファもリンもとっくに勇の女にされていると思うが、まあそりゃそう思うのが当然ではあるな。リーファは一通りの事情を見抜いている感じではあるけれど。
この先、上海編がどう展開していくのかは知らないが、まあいずれにせよ、また機会があったらご紹介するとしよう。ではとりあえずはここで。
満州アヘンスクワッド
「満州で一番軽いものは、人の命だ」時は昭和12年。関東軍の兵士として満州にやってきた日方勇は、戦地で右目の視力を失ってしまう。「使えない兵隊」として軍の食糧を作る農業義勇軍に回され、上官に虐げられる日々を送るも、ある日農場の片隅でアヘンの原料であるケシが栽培されていることに気づく。病気の母を救うためアヘンの密造に手を染める勇だったが、その決断が自身の、そして満州の運命を狂わせていく…。
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