予知視【2巻ネタバレ感想】欲望と陰謀が渦巻く注目の第2巻!

予知視(2巻)

予知視』二巻である。ちなみに「特装版」という表記になっている単行本ボリュームのものが、現在三巻まで出ている。

予知視

予知視【2巻あらすじ】

1巻の始まりは超能力SF的な感じであったが、2巻に至って「オカルト的色彩」がぐっと増していく。

サイキックホラーとでも言うか、そんな感じである。主人公の周りでは「予知視」を含むなんかいろいろな超能力を巡っていろいろな人々の欲望と陰謀がうずまき、次から次へと人も死んでいく。主人公は割と流されるがままにそれに流されている。

予知視【2巻ネタバレ】

予知視(2巻)

1巻の最後らへんから出てきている警察官が解説するのだが、主人公のまわりで起こる怪異は「奈美の呪い」であるという。ただし、死者が持っていた能力が効果を発揮し続ける、ということは原理的にはあり得ないらしい。

つまり、奈美が何らかの理由で主人公に移植した主人公の能力が暴走してしまっているために、主人公の周りには怪異が起こっている。ホラー的状況を引き起こしているサイキッカーは主人公自身である、というわけだ。

その怪異を止めるためにはどうすればいいか。奈美がやったのとはまた別の手段だろうと思われるが、予知視の能力を他人に移植する手段というのは確立されているらしい。そこで、主人公の能力を警察官に譲れ、そうすれば怪異からは解放される、という話になる。

警察官は正義の味方どころか職務に服する警官ですらもなく、主人公の能力を奪うことを目的として接近を図ってきた人間だったのだ。ところが、主人公は迷いつつもこの警官のいうことに従い、能力を渡すことにしてしまう。

だが、その作業は結局、うまくいかなかった。一つには、茂が妨害したからである。もう一つには、能力そのものが他人に委譲されることを拒絶したから、らしい。どうも、主人公の能力の中には、故人である奈美の遺志のようなものが宿っていて、それが何らかの志向性を持って働いているらしいのだ。

さて、茂には協力者がいる。なんか博士っぽい雰囲気の人であるが、この一族のサイキック能力の研究を昔からやっていたらしい。その博士の研究室なるところに連れて行かれ、全身を拘束された主人公は、予知視の能力の要である眼球を引っこ抜かれそうになる。なんでも、博士は主人公を殺して能力を奪い取るつもりであるらしい。この一族とやら、しみじみろくな人材を輩出しないな。

だが、その計画も結局うまくいかない。うまくいかない、ということが判明した時点で、茂は博士を殺害してしまう。ナイフを隠し持っていて、喉を一突きだ。

といったところで二巻は終わりである。

予知視【2巻の感想】

予知視(2巻)

2巻では、既に「予知視を使って何かする」というプロット自体がほとんど登場しない。予知視そのものも、なんか能力の中核ではないのではないかという感じになっている。実際主人公は、怪我をしてもすぐに治る、などという体質が身に付いたりしている。どんどん能力が強力になって行っているようだ。

茂は一族の関係者で、昔から主人公のことを監視していたのだそうだが、それで最終的に何を企んでいるのかはよくわからない。また同じパターンでやっぱり能力を奪って(彼はもともと予知視の能力を持ってはいるが)自身の能力を強化することを狙っているのだろうか?分からないが、なんかそんなような雰囲気ではある。

作者あとがきによれば、2巻は「ラストに向けたタメの巻」とのことであり、いずれにせよこれ以上そんなに長く続くことはないような感じである。では、また先の巻を御紹介することもあるかも知れないが、今のところはこれで筆を置かせてもらうとしよう。


予知視

予知視

原作・著者滝智次朗
価格660円(税込)

「運命とは必然であり、自らの選択である。」そう信じる男は“予知できる眼”を持っていた。絶対に失敗しない、思うがままの日々。しかし、彼はまだ知らない。すでに深く、暗い、大きな渦に呑まれていることを…。それは人が「運命」と呼ぶものなのかもしれない

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