えー、新シリーズのご紹介である。なんか、ネット上で筆者がたまたま試読を見かけて、続きが気になったのでこうしてご紹介するに至ったという次第。あまり詳しくは調べていないが作者はどうやら新人の方の模様。
和服な上司がいとおしい【あらすじ】
タイトルからもある程度お分かりいただけるかと思うが、和装をテーマにしたオフィスラブコメである。
主人公はメガネのさえないサラリーマン、千歳。
なんの会社だかよく分からないが(看板には広告社とある)、会社に和装の美女がいる。和服についての部署があって、その部署を一人で切り盛りしているのである。
ある日、OLの女の子がコーヒーをひっくり返したのがその和服美女、片見和乃(かたみ わの)にかかりそうになったのをかばって、自分が熱いコーヒーを浴びる。スーツ姿である。和乃は無事だったが千歳に火傷でもあったらことなので、すぐにスーツを脱がせて(和乃が脱がせた)応急処置をすることになる。スーツは当然クリーニングである。
和乃は「替えの服を用意する」というのだが、スーツの替えなんか持ってるんだろうかと千歳が疑問に思っていると、和乃は男性用の和服を一式持ってきた。着せられる。こっぱずかしいが、それを着て残り半日過ごすことになる。当然会社内で目立つので、上役まで見物に来る騒ぎになった。
後日。千歳に新たな事例が下された。和服に興味があるらしいから(誤解なのだが)、和乃の部下として和服の部署で働くこと、というのである。
和服な上司がいとおしい【ネタバレ】
和乃は「威圧感のある怖い感じの女性」として社内では見られているのだが、それは本人が精いっぱい張っている虚勢のたまものであった。実際には、千歳より四つ年上でありながら、恐ろしく子供っぽくて無防備な女性である。よくこれで社会人が務まるなと思われるレベルの。
交流を持つようになった千歳はすぐにそれを理解するようになる。理解するようにはなるが、無邪気すぎる和乃のアプローチに割とすぐにあっさりとときめいてしまう。まあタイトルがこうだし、当然の展開ではあるが。
たとえば和乃、「親睦を深めるため」と称していきなり一人暮らしの自宅(アパートとかではないが)に千歳を招いたりするのである。千歳は気が気ではない。
で、行ってみると、「自宅」というのは呉服屋であった。いや、さすがに営業はしていないが、呉服屋の跡地(経営していたのは故人であるところの和乃の祖父)に暮らしているのである。当然、和服がいっぱいあるから、それを嬉々として千歳に着せる。そして二人して街を歩く。どう見ても完全に和服カップルなのだが和乃はそういうあたりに気付いていない。くどいようだが無邪気なのである。
さて、会社内で変な噂になっていて恐れられていることを気にしている和乃のため、千歳が毎日一緒にランチを共にしていたら、別の噂が立った。二人が付き合っている、というのである。まあそりゃ噂にもなるよな。ま、そんなこんなで、和乃に関する変な噂は解けたようである。
1巻のラストはなんだかよく分からないが新キャラが出てきて、続く、となる。
和服な上司がいとおしい【感想】
さて。これ、漫画の紹介というかこれを書いている筆者の自己紹介になってしまうので書くか迷ったのであるが、実は筆者はこの作品の主役の和乃と同じく、和服党である。普段から(毎日)和服の着流しで暮らしている。
現代の日本でそんな暮らしをしていればそれはもう色々あるわけだが、この漫画はラブコメであるのと同時に、「現代における和服の着こなし」の啓蒙漫画ともなっている。
その内容が、実際に和服党である筆者から見ると「うんうん」とうなずきたくなることばかりなのである。
人に布教するために紙版も買おうかとちょっと迷った。2巻もいずれチェックするとして、今巻はここまでである。
和服な上司がいとおしい
着物も彼女も意外と……? 普通の職場で一人、和服姿で働く片見和乃。美人だけれど近寄りがたい彼女と、ふとしたきっかけで知り合い、正体を知ってしまった千歳くんは……? 着物好きな著者が描く、はんなり、ほんのり、もどかしラブコメ。
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