「グリコ・森永事件」インスパイア架空ミステリ、『罪の声』全3巻中の2巻をご紹介する。
罪の声【2巻】あらすじ
実質的にはダブル主人公的な作品であり、俊也と阿久津がそれぞれ独自のルートでギンガ・萬堂事件の真相に迫っていく流れとなっている。のだが、俊也の方が先に阿久津の存在を知り、接触を図るべきかどうか、と迷う展開が途中に挟まる。
とまあ、大きな流れとしてはそんな感じなのであとはネタバレで説明していこう。
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罪の声【2巻】ネタバレ
2巻のざっくりとしたストーリー内容をご紹介!(※ネタバレを含みますので注意)
阿久津であるが、東京に出張して、昔の事情に詳しい株式の専門家の老人(引退済み)にインタビューをしている。ギンガ・萬堂事件の犯人グループが株価を操作して儲けたのではないかという噂が事件からまもない頃に既にあり、そこの流れを追跡しているというわけである。
阿久津は「株の仕立グループがギンガ・萬堂事件を起こしたのではないか」という素朴な疑問をぶつけるのだがそれは一笑にふされる。そんな単純な話なら警察が当時の時点で真相を突き止めているし、だいたい株の仕立グループはなん億円という程度の脅迫のために危ない橋を渡ったりしない、というのである。
だが、どうも当時株屋の界隈に素性の怪しい男がうろついており、そいつは「ギンガ・萬堂事件の関係者なのでは?」という疑いがある、という話を教えてもらうことになる。
一方、俊也。叔父という人物がヤクザなどの危険な界隈と付き合っていたらしいということが分かり、「手を引いた方がいいのではないか?これ以上深入りするのは危険では?」ということになる。だが、結局調査は続けることに。
まず、ひとつ重要な基礎情報をおさらいするところから。犯行グループが使った子供の声だが、三人分あったらしい。一人は俊也自身だが、もう二人いる。その子供たちについて、その子供達自身のために突き止めなければならない、という使命感にかられる俊也である。
さて、阿久津と俊也はそれぞれ「し乃」という小料理屋に辿り着く。単純に結論だけ言えば、犯人グループは犯行に関する事前の打ち合わせだかなんだかをその店の二階でやっていたらしい。その店の主人(ママ)と、当時は下っ端だったが現在は板前になっているおじさんが情報を握っている。
まず俊也が店にやってくる。そしてママには何も教えてもらえないが、板前から情報をもらう。で、一人の人物がその会合に出席していた事実を突き止める。
その男は生島。もと公安の刑事だが、ヤクザと裏取引していたことがバレて失職したという、要するに悪徳警官崩れである。そいつが犯人グループの一人であり、なおかつ、その生島には子供が二人いた。どうやらその二人が、犯行に使われていた声の主の残り二人らしいのである。
一方、阿久津の方も自分のルートを辿って「し乃」にやってくる。で、阿久津の調査の方も順調に進んでいるのだが、板前は「阿久津という記者がうちに来た、よかったら連絡を取ってみたらどうか」という連絡を俊也の方に寄こす。
俊也は迷うが、これ以上調査に関わったら自分の家族まで危険かもしれない、と考えて板前からもらった阿久津の名刺を破り捨ててしまう。
2巻はここまでである。次巻完結。
罪の声【2巻】感想
いやぁ、素直に面白い。
ぐいぐい読める。引き込まれる。
推理小説としてはちょっと浅い部分があり、話がうまく出来すぎかなと思う部分がないわけではないのだが、まあエンターテイメント作品としてはこんなものであろう。本物のグリコ・森永事件の真犯人を告発するための作品じゃないのだし。
ダブル主人公がようやくクロスしてくる(当然、3巻では二人が接触を持つに決まっているわけで、次巻予告にそれらしき記述もある)というあたりも、なかなかエキサイティングですよ。ではまた次巻で。
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罪の声
京都でテーラーを営む曽根俊也。ある日、彼は父の遺品の中から黒革の手帳、そしてカセットテープを発見する。手帳には英文がびっしりと書かれており、さらに「ギンガ」「萬堂」という製菓メーカーの情報が。そしてテープに入っていた幼い子供の声は、31年前に起きた【ギンガ・萬堂事件】で脅迫に使われた録音テープの音声と全く同じだった。――「これは僕の声だ」。 実際に起きた未解決事件に迫るミステリー大作!!
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