図書館の大魔術師【7巻ネタバレ】出版検閲、新興宗教など時事ネタを含んだ際どいネタにヒヤヒヤのストーリー!

図書館の大魔術師(7巻)

ファンタジー大叙事詩『図書館の大魔術師』、第7巻である。

図書館の大魔術師【7巻】あらすじ

図書館の大魔術師(7巻)

いろいろ話に動きはあるんだけど何から説明したものか……

大ぐくりでいうと、主人公は相変わらず見習いのままである。この先何巻見習のままであるのかわからないくらい見習いである。

あとは重要そうな回想シーンから始まるのだけど、まずはその説明からするか。

図書館の大魔術師(6巻)

図書館の大魔術師【7巻】ネタバレ

図書館の大魔術師(7巻)

冒頭、三年前の話から始まる。とある新興カルト宗教が手入れを受けている。勝手に作った聖典を配布していることと、それよりも前に本を印刷する印刷機を自前で運用していることが(この世界では)違法であるらしい。図書館の関係者が手入れをしているわけだが、「我々を殺して印刷機を奪っていくがいい」みたいなことを言う連中を、図書館側は魔法でもって無血でねじ伏せる。奥に教祖がいて、「もしかしたらこいつは魔術師かもしれないから気をつけよう」とか思われているのだが、ただのカルト教祖で何の能力も持ってはいなかった。

さて、重要なのはこの事件そのものではなく、図書館が「検閲」と「司法」の機能を備えて活動している、という点である。それを説明するための回想シーンであったといえる。戻って現在、世間を騒がせている一冊の本がある。大衆向けの娯楽小説で、検閲を通過して出版されているのだが、内容に問題がある。主人公がお気楽な人殺しで、実在の民族をモデルにしていると思われるキャラクターをばんばん殺しまくるので、「民族対立をあおるのではないか」として批判され、「図書館はこの本を検閲・禁止するべきだ」と苦情が入ってきたのである。

で、図書館では検閲をするかを決めるための会議が開かれる。このシーンが非常に長いのだが、細かいことを説明しても際限がないのではしょる。会議が終わり、多数決がとられるのだが、多数決で決定されるわけではない。多数決の結果(票数)を参考にして、図書館の偉い人が決定を下す。結局、検閲はしないということになった。

この本自体はそんなに深刻な問題ではないが、「この本は第二の『黒の書』になるか、あるいはその母体となるのではないか」と恐れられている。『黒の書』というのは、この世界における禁書で、魔導書の類ではなく民族浄化を煽ったヘイト本であるらしい(前にも説明したっけ?)

禁書になった黒の書は図書館に集められていて、実は禁書室にいっぱいある。図書館の見習は一度はその禁書室に入らなければならない決まりで、主人公も目を通すことになる。禁書で、内容はすべて嘘であるのだが、すごくよく書かれた本なんだそうで、主人公は戦慄を覚えるのであった。

さて、なんか重要そうな展開がもう一つ。仮面をかぶった人たちが出てくる。なんだかよくわからないが何か陰謀を企んでいる連中(悪い内容なのかどうかはよくわからない)であり、一冊の本を探している。その探している本というのが、昔主人公が恩人のセドナから預かった一冊の本だったらしい。ほとんど忘れていたが、重要な伏線だったようだ。

で、仮面の何者かが主人公の部屋に忍び込んでその本を盗もうとするのだが、刺客(あるいは護衛)が現れてその本を奪い返そうとする。戦闘開始らしい。というところで次巻に続く。

図書館の大魔術師【7巻】感想

図書館の大魔術師(7巻)

出版検閲だの新興宗教だの、相変わらず時事ネタすれすれのきわどいネタを扱っていてひやひやする。

物語の展開は完全に大長編の間の取り方になっていて、この作品本当に全何十巻の構想なんだかさっぱりわからないが、打ち切られでもしない限りは気長に書き続けるつもりなのだろうから、こちらも気長に追いかけるしかないですなあ……。

敷かれている伏線はほかにもあるのだが、全部は紹介しきれそうもない。ではまたの機会に。


図書館の大魔術師

図書館の大魔術師

原作・著者泉光
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アムンという小さな村に暮らす耳長の少年は本が大好きであったが、耳長で貧乏だった為、村の図書館を使うことができなかった。そんな少年は差別が存在しない本の都・アフツァックに行くことを夢見る。ある日、少年は憧れのアフツァックの図書館で働く司書(カフナ)と出会う。この司書との出会いが、少年の運命を大きく変えることに──。孤独な少年が未来を切り拓く、異世界ビブリオファンタジー堂々開幕!!

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