とらドラ!コミックス第9巻。1年8ヶ月ぶりの刊行である。7巻と8巻の間が2年8ヶ月だったのに比べればだいぶ短いが、待ち遠しい日々であった。
漫画「とらドラ」9巻あらすじ
9巻は、「クリスマスパーティー当日」から、その終了、そして年越しを挟んで修学旅行編の冒頭(修学旅行に行くところまではいかない。班決めとかをするところ)までである。
そのクリスマスパーティーで、竜児は櫛枝実乃梨に告白をするつもりでいたわけなのであるが。
ざっくり書くと、フラれる。告白の言葉を口にすることすらできずに。
漫画「とらドラ」9巻ネタバレ
クリスマスパーティーの見どころのひとつが、パーティー開幕と同時に「大河と亜美とその他メンバーでサプライズ合唱をする」というシーンなのだが、それはこのコミックス版ではあっさりと流されている。性質上こればかりはアニメ版に軍配の上がるシーンである。まあ、それはいい。
大河はその合唱が終わると、自分はパーティーに参加せずあっさり家に帰ってしまう。そして家で寂しそうにしている。
そこに、「大河が家に帰ったことを亜美から知らされた」竜児が、なぜかクマのぬいぐるみにサンタ帽という姿でやってくる。窓から入ってきて、大はしゃぎした大河に抱きつかれる。
このあたり、心の動きを描写するのは難しい(原作小説ではいっぱい書いてあった)が、展開だけ淡々と追っていくと、躊躇っている竜児に対し、大河はもう一度学校に戻って実乃梨に告白するようにと告げ、送り出す。
ところが、ここからが見ものである。
大河は我知らず涙を落とし始める。ぼろぼろ泣く。号泣である。
そして、この期に及んで、ようやくついに初めて気付く。竜児と実乃梨にカップルになってほしくない。その感情はつまり。
「私は、竜児の事が……」
で、裸足でマンションから飛び出す。竜児はもう近くにはいないのだが、大河は絶叫する。
「っりゅうじぃぃーーーーーーーーーーーーッ!!!」
号泣である。
ちなみに、漫画版では説明されていないが、原作小説では「近所じゅうの人が気付いていて、クリスマスに失恋とかかわいそうな子だなあと思っていた」という説明がある。
ただし、コミックス版でも「目撃者」が一人だけ描かれる。
誰あろう、櫛枝実乃梨である。
さて、実乃梨も学校に戻る。竜児と遭遇する。竜児は告白しようとする。そこでだ。実乃梨は言う。「覚えてる?夏休みにあーみんの別荘でさ 夜に二人で話したよね UFOがどうとか幽霊がどうとか……あのね UFOも幽霊もやっぱり私には見えなくていい 見えない方がいいみたい」
ご記憶だろうか。コミックス版では第5巻で描写された伏線の回収である。
実乃梨は言うだけ言って去っていく。そして、竜児は熱を出して寝込む。
さて、修学旅行は本来沖縄の予定だったのだが、沖縄の宿泊先が火事で焼けたとかで、雪山にスキーで変更になる。そのへんの話をして、9巻はいちおう終わりである。
漫画「とらドラ」9巻の感想
十年以上も前の作品のことであるし、原作小説初読のときの感想でお許しいただきたい。大河が虚空に絶叫するシーンは、ほんとうに読んでいて魂が震えた。何しろ、そこまで大河が自分の気持ちに気付かない時期の長かったことと言ったら……(コミックス版はぶっちぎりでさらに長くなっているが、原作だって結構尺があるのである)。
ところで、最後にまたどうでもいいような話をしよう。クリスマスパーティーのあと竜児は熱を出して寝込むわけだが、ここから分岐した一つの作品がある。
プレイステーションポータブル(PSP)のゲーム、『とらドラ・ポータブル!』。竜児を主人公にした恋愛シミュレーションゲームで、「高熱を発して記憶喪失になってしまった」竜司が、その状態から「とらドラ!」のヒロイン達と改めてフラグを立てて恋愛をしていくというゲームである(原作では記憶喪失になったという設定はなく、あくまでifストーリー)。
筆者はこのゲームも全エンドコンプリートするまでやり込んだ。実乃梨や亜美と竜児が結ばれる描写は、二次創作でもなければこの作品でしか見られないので、貴重な作品であった。
とらドラ!
目つきは悪いが普通の高校二年生・高須竜児は、ちっちゃいのに凶暴で獰猛、“手乗りタイガー” と呼ばれる少女・逢坂大河と出会う。しかも竜児は、彼女の知ってはいけない “秘密” を知ってしまい……。竹宮ゆゆこが贈る、恋と戦いの学園ラブコメディ、待望のコミカライズ!
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