誤解からの進展が気になっちゃう…「とらドラ!」第2巻のあらすじ・ネタバレ感想

とらドラ!(2)

とらドラ!(2)
著者 竹宮ゆゆこ / 絶叫 / ヤス
雑誌 電撃コミックス
出版社 KADOKAWA
ジャンル 青年漫画

とらドラ!【第2巻】あらすじ

とらドラ!コミックス版、2巻である。本巻は、竜児と大河が(大河の親友の)櫛枝実乃梨によって学校の屋上に連れて行かれるところから始まる。櫛枝はどういうつもりかというと、おもむろに竜児に向かって「ジャンピング土下座」をキメる。そして言う。

「大河のこと!よろしくお願いしますっ!」

大河と竜児が、「一般的な恋愛関係でいうところの男女交際を始めた」ものと勘違いしてのことだ。そしてその場に(竜児の親友の)北村も現れて、「なるほどそうだったのか!それはおめでとう!」と祝福を贈る。

櫛枝のことが好きな竜児と、北村のことが好きな大河にとっては、大いなる心理的打撃であった。何がってその事実を祝福されてしまうことがだ。二人はとりあえずファミレスに繰り出して、どよーんとした顔でドリンクバーのドリンクをすする。

結局、ここで大河は一つの決意をする。「北村君に告白をする」というのだが——。

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とらドラ

とらドラ!【第2巻】ネタバレ

とらドラ!(2)

翌日、竜児が登校してみると、教室はめちゃめちゃに荒れていた。大河が暴れたのである。「私と竜児はそんなんじゃない!誤解すんな!」と言って。

経緯は端折るが、とにかく、それからその後、大河は北村に「告白」をする。北村のことが好きだ、とはっきり告げる。

しかし「高須(竜児)とは、付き合ってるんじゃないのか?」と問われた大河は、竜児に対しての思いを、まるっと正直に喋ってしまう。嫌いなんかじゃない、竜児がいてくれたから私は強く在れた、と。

ここで、北村は「理解」する。おそらくは、「すべて」を。まだ大河自身も、竜児自身も、気付いていない、すべてを、だ。そして大河に言う。「俺たち、いい友達になれそうだな」と。

要するに、大河はフラれた。

これは後の巻で明らかになることなのだが、北村には他に好きな女がいるのだ。

そう、昔の作品のことであるので、今巻のネタバレではなく、原作(とアニメ版)のネタバレをしよう。櫛枝が学校の屋上でいう、「二人は運命の相手同士なんだと思う」という言葉も、北村の二人に対する「理解」も、間違いでも誤解でもなんでもないのである。

この、櫛枝の「誤解」は、大きな、とても大きな伏線になっている。その伏線が回収されるまで、作中時間でも半年以上の時間がかかるのだが。

まだこの物語は二巻目である。まだ二巻目なのだが、竜児と大河の関係は、見ていて恥ずかしくなるほど「近い」。ただし、これはもちろん、「恋人同士の近さ」ではない。では何なのかと言えば、「家族としての近さ」なのである。

シリーズ全体の核心を突くネタバレに言及するが、「とらドラ!」という物語は、ありがちなテンプレ的ラノベ主人公がツンデレ少女を懐かせる物語ではない。友達も恋人も飛び越えて「家族」になってしまった不器用な二人が、そこからどうやって適切な「距離」を作り出し、「恋人」同士にになっていくか、の物語なのである。

とらドラ!【第2巻】感想

とらドラ!(2)

さて、これを書くために久しぶりに読み返してみての感想なのだが。甘い。ゲロ甘い。竜児と大河の関係性、やりとりは、ほんっとうに、見ていて砂糖を吐くほど甘い。あえて言うなら、思春期のカップルの恋の甘さでも、新婚カップルの甘さでもなく、円熟した夫婦の関係に見られるような甘さ、であるわけだが。

ちなみに作者絶叫の作画のうまさは一巻に輪をかけて磨きがかかっている。ただし筆の進み方もここから先どんどん遅くなっていくというかなしみがあるのだが。

二巻の締めくくりは、とらドラ!シリーズ全体を通じて「三人目のヒロイン」として君臨することになる、亜美ちゃんこと川嶋亜美の登場エピソードである。

亜美ちゃんはいろんな意味で重要な、主にトリックスター的役回りを果たすキャラクターなのだが、2巻の時点ではただの性格の悪い美少女である。でもいいんです。亜美ちゃんは性格悪くてもお美しい。

そして三巻に続く。

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