『天国大魔境』第2巻である。
漫画「天国大魔境」2巻あらすじ
冒頭は回想エピソード。キルコが旅をしている理由、実は精神的には女ではないこと、その理由、などが明かされる。
全体としては、「施設」編と、「旅する二人」編の二つ(名前は筆者が勝手につけた)が並行して進んでいくのは1巻と同じである。謎だらけで、謎のほとんどが解明されずじまいなのも。
漫画「天国大魔境」2巻ネタバレ
キルコであるが、昔浅草に住んでいたらしい。当時は春希と言う名の、少年であった。少年少女のグループで、賭場を仕切って金を稼いでいた。
あるとき、人喰いの怪物(ヒルコ。この世界の怪物はみなヒルコと呼ばれる。そして不死身であり、一時的には倒せるがそのうちまた復活する)が現れた。春希はひとりでヒルコを撃退しようとして、逆に食われた。姉として慕っていた人がいて、その女が春希を助けようとして、やっぱり食われてしまった。
二人とも瀕死の状態で医者に担ぎ込まれたのだが、その医者が何かをしたのか、春希が気が付いたとき、自分はその「姉」の姿になっていた。
少年少女のグループは春希が入院したりなんだりしている間に消滅してしまっており、以来、春希は名を捨て、自分を手術した医者から事情を聴くために旅を続けている。らしい。
それから4年ほどして、キルコと名乗るようになっていた「彼」は、旅のガード請け負います、という看板を出していたところでマルと知り合ったのだそうだ。
というような話をしたのはなぜかと言うと、マルがキリコに恋愛感情を抱いていたので、それを振るためである。まあ、中身が男じゃあどうしようもないわな。
ところで、その話は船の上でしていたのだが、そこにもまた魚型のヒルコが襲撃してくる。ヒルコというのが何なのかさっぱり分からないのだが、人間に対して敵対的な存在であることだけは間違いがない。
というところで、いきなり舞台は「施設」編に戻る。施設の子供たちが、何やら悪さをしたり、かと思えば「キス」を覚えたりしていて、管理者らしき大人たちがやきもきしている。
というところでまたいきなり「旅する二人」編である。入れ替わりがめまぐるしい。魚型のヒルコは強敵であったのだが、所詮は水棲生物であることに変わりはないので、大量の乾燥大麻が積んである荷室におびき寄せたら干からびて動かなくなったのであった。
で、また「施設」編。
「赤ちゃんを見に行こう」と言っていた子供たちが、「赤ちゃん」なるものを見ている。どう見ても人間の赤ちゃんではない。何かの幼生のようではあるが、人間の幼生というよりはヒルコの幼生に見えなくもない(このへん、解説はない)。
で、「旅」編。
船を降りた二人は、近く町のありかを教えてもらう。なんだかよく分からないが、それなりに大きな街である。ここで今後のために人稼ぎしよう、と二人が悪い顔になったところで、次巻に続く。
漫画「天国大魔境」2巻の感想
正直に言うところ、相変わらずよく分からない作品である。ポストアポカリプスものの
基本的な魅力であるところの、「荒廃した社会」「荒んだ人心」の描写はそう悪くないとは思うのだが、いかんせん伏線が大量に敷かれるだけ敷かれてぜんぜん紐解かれないので、解説をするにも大弱りだ。
ただ、施設編の方はきな臭さを増している。どうも、ただ「旅編の世界の中、どこかにシェルターのような形で施設があり、そこを描いているだけの幕間である」という感じではない。何か、もっと禍々しい何かがありそうな雰囲気がするのである。
まあ、適当に予測を書き並べているだけだから、全然違ったりするかもしれないが。では、また次巻で。
天国大魔境
美しい壁に囲まれた世界で暮らす子供たち。少年・トキオはある日、「外の外に行きたいですか?」というメッセージを受け取る。一方、外では、マルとおねえちゃんがサバイバル生活をしながら、天国を求めて、魔境となった世界を旅している。未来の日本を「あね散歩」。二つの世界を縦横無尽に行き来する、超才・石黒正数最新作、極大スケールでスタート!!
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