『センコウガール』3巻である。
漫画「センコウガール」3巻あらすじ
冒頭、民子は例の庭に埋まってる「指」を思いっきり踏みつけている。コマの外で消えろ消えろ消えろ消えろと呪いをまき散らしながら。
2巻冒頭で英子が学校を休み出したのに引き続き、隼子も学校を休んだので、モブキャラたちは例によって噂話で盛り上がっている。
で、今巻のターゲットは3人目、過食症(というほどでもないのかもしれないが、いつも何か食べている)の少女、曜子である。曜子はクールというか、他人に無頓着な人間で、民子にもさほど関心はなさそうである。
なお重大なことに、先の二人と違って自殺志願者ではない。
漫画「センコウガール」3巻ネタバレ
曜子は隣に座る民子に率直に訊く。「英子と隼子が来なくなったの、あんたのせい?」民子も素直に答える。「そう。殺そうとしたの。なんか違ったからやめちゃったんだけどね」。
曜子はそれ以上追及しない。だが、前の二人と一緒に名前を呼ばれたことがあるわけなので、自分のことも殺すつもりなのか、と聞く。
「殺されたいの?」
「さぁ」
「さぁって何よ!あんただって本当は死にたくないんでしょ!」
理不尽な言いがかりもあったものだが、曜子は実際にナイフを突きつけられても表情一つ変えない。そして、自分が死にたいのか生きたいのかも本当に分からない、ただ考えたくないからものを食べて誤魔化すのだと。
民子は言う。
「あんたって本当にからっぽなんだね」。
侮蔑しているのかと言えばそうではない。むしろ逆だ。民子はこれで曜子に好意を抱いたのである。
で、「あんたが欲しい」とか言い出す。
曜子はそういう嗜好の人ではないので、くるりときびすを返して逃げていく。
一方、民子の家。民子が帰ってくると、刑事が待っていた。警察手帳を見せられた民子の血相が変わる。「七子さんの自殺の件で来たんだが」と言うと、ああそうかとなって、自分は関係ない、と民子はでたらめな供述を始める。
刑事は別に民子の何かを疑ってここに来たわけではないらしいのだが、なかなか勘のいい刑事で、二つのことに気付く。民子が何か様子がおかしい、ということと、「この家、かすかだが死臭がする」ということにである。
日を改め。どうやって親しくなったのか、民子は曜子と一緒に海を歩いていた。向こうに島が見える。佐久良島(さくらじま)という島で、近くに往復の船着き場もあり、人が暮らしている島である。民子は、学校と家を往復するだけの日々だった、そこから脱出してあの島に行ってみたい、等と言い出す。
それはよかったのだが、会話の中で七子の話が出てくる。民子がなぜ曜子に目を付けたのかというと、七子と秘密を共有していたからなのだという。
ここからしばらく七子の話になる。七子が曜子に恋愛感情を打ち明け、振られ、そして自殺したという一連の事実を民子は知っていた(他の生徒たちはまったく知らない)。なんでも、前に七子が曜子の机にすりすりしているのを偶然に見てしまったことがあるらしい。
この七子という少女、少女というか、同性愛者というか、どちらも正確ではない、この人物はトランスジェンダー、性同一性障害である。肉体は女性だが心は男性、というやつだ。それで苦悩していたらしい。自殺の原因は詳しくは語られないのだが、そういうところにあったのであろう。
というところで3巻は終わりである。4巻からはかなり急展開が始まる。起承転結の転である。
漫画「センコウガール」3巻の感想
この三巻までだとこの作品は「暗い、エキセントリックな、メンヘラチックな漫画」としての傾向が強い。
一気に色彩が変わるのは次の巻からである。というわけで、こうご期待。
センコウガール
七子(ななこ)が死んだ。同時に生まれ変わったような姿で現れた美少女不登校児・如月民子(きさらぎたみこ)。彼女に「名指し」された3人のクラスメイトは、民子の狂気の行動に追い詰められていくが…? 民子の真 の目的は、復讐か、それとも…?? そして民子の自宅の「腐乱した何か」の正体は?? いじめ、マウンティング、毒親…… 全ての「女の子」の呪縛を解き放つ、ガール・ミーツ・ガールミステリー!
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