『無能なナナ』の7巻をご紹介する。
無能なナナ【7巻】あらすじ
あらすじというかこれこそがネタバレではあるんだけれど、そもそも表紙でネタが割れてしまっているので、ざっくりと行きましょう。
1巻の1話で死んだはずだった「もう一人のナナ」、中島ナナオ(表紙の少年)が生きていました。
生きていたんですが、なんか悪堕ちしていて、ナナの敵に回ることになりました。生徒たちも皆殺しにするつもりだそうです。
無能なナナ【7巻】ネタバレ
前巻の紹介では触れなかったが、6巻の最後のページは「ナナが、教官鶴岡に対しすべてを話せと詰め寄る」というので終わっていた。その続きで、鶴岡はさっくりと真実を解説する。
かいつまんで言うと、ナナの両親を殺したのは実は鶴岡で、その結果として手に入った「両親の死のトラウマで心が壊れてしまった娘」すなわちナナを洗脳で殺人マシンに仕立て上げ、能力者たちの中に放り込んだわけだが、その目的は別に人類に対する脅威を排除することなどではなく、「権力者たちが観察して楽しむための娯楽」だったのだという。
ナナが死ぬまでに何人殺せるか、政府高官たちは賭けをしていたそうである。
その真実を知らされたナナ、ついに心が折れる。
絶叫とともに自分の頭に銃を突きつけるが、それを撃つことすらできない。そして鶴岡に殺されそうになるのだが、その場面に割って入りナナを助けた者があった。橘ジンである。結局、ジンに助けられたナナは逃走に成功した。モエもどういうつもりなんだか知らんがついてきた。
さてここからどうするのか、というと、ナナは生徒たちにすべての真実をぶちまけて政府への反逆を起こす決意を(ようやく)するのだが、それどころではない事件が起こる。
五巻で主な登場人物をつとめたあの重力操作能力者・大地ヒカルが、ナナは殺人鬼だと告発したのである。
話が前後するが、その前に生きていた中島ナナオが出てきて、ヒカルと接触していたのだ。ナナオは登場しないでいた間、実は鶴岡に拾われてずっと洗脳処置を施されていたらしく、ナナに代わる新たな「刺客」として放たれたのである。彼の能力も長足の飛躍を遂げていた。
過去には単に「超能力者の超能力」を無効化するだけのものだったのが、「およそありとあらゆる人間の脳の機能を無効化する」というものに、である。
さて、話はヒカルに戻る。
ヒカルは「二人で話をしよう」と提案するナナに対し、「いいだろう 21時に僕の部屋に来い」と言う(彼の能力は月が出ている夜しか発動しない)。ところがナナが部屋に行ってみると、ヒカルと顔を合わせた直後に後ろから殴られて昏倒してしまった。
さて、初期からずっとナナによる殺人を疑い続けてきたキョウヤが今回もナナに疑いをかける。しかし、ナナがやったわけではないし、ナナの手口だとしては妙にやり口がずさんだ、とキョウヤは不審がる。何人かで面突き合わせて推理を巡らせるのだが、「どの超能力者がどの超能力を使ってどうやってヒカルの重力場を“無効化”して殺害したのか」などという雲をつかむような話である。
だが、捜査はそんなに難航はしなかった。犯人が自分から捜査に加わってきたからである。理由は「証拠隠滅のため」。
犯人は、蜘蛛の糸のようなものを口から吐き出す能力を持つキヨミという少女で、あらかじめヒカルを殺してから、能力を使って家具を「宙に浮いているような状態」に偽装したのだ。
それより問題は動機である。書いてしまうと動機は特にない。中島ナナオの新たな能力、「殺人への心理的抵抗のリミッターを“無効化”し、他者に殺人を犯させる」というものによって行われた犯行だからだ。
今巻最後のシーンでは、ナナオが鶴岡のところに現れ、「お前こそが真の人類の敵」みたいなことを言われている。
無能なナナ【7巻】感想
話は丸6巻をかけてめぐりにめぐり、ようやく物語の着地点のようなものが見えてきた。
ナナオこそが物語のラスボス、という感じである。
それとも違うかもしれないが。いずれにせよ、また次巻をお楽しみに。
無能なナナ
絶海の孤島にある学園。そこでは人類の敵に対抗すべく、若き能力者達が訓練に明け暮れていた。そして転校生の主人公も同様に「人類の敵抹殺」を胸に、行動を開始する…。想像をことごとく裏切る、正義と悪の知略サスペンス開幕!!
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