セクハラ・パワハラ被害を受ける女性の真に迫る漫画が登場。それがももち麗子先生が描く「大人の問題提起シリーズ さけび」です。
この漫画はセクハラやパワハラが世間的に認知はされているが現状ほど問題視されていなかった2000年台初期を舞台に上司からハラスメント行為を受ける女性の悲痛な叫び、戦いの記録を描いた作品。
徹底的な取材を行って描かれた漫画のようで本当に女性の心情が迫真。この漫画…本当に面白くヒロインである山口さつきを応援したくなってしまう漫画。
女性の心に響く漫画であり、下衆い上司、会社組織に憤りを感じる事間違いなし!そして1巻を読んで早く次巻が読みたい漫画になりました!
目次
漫画「大人の問題提起シリーズ さけび」ネタバレ
この物語のヒロインは山口さつき。派遣社員として大手メーカーのコールセンターに勤務して3年目。派遣社員ながら新人研修などインストラクター業務もこなす女性です。そして舞台は2005年。
現状ほど会社でのハラスメント行為が問題視されていなかった時代…。上司からセクハラ・パワハラを受けるさつきの悲痛な心の叫びと奮い立つ闘争心が描かれていきます。
信頼していた上司のハラスメント行為に恐怖…
入社からさつきを気にかけてくれる上司、堂林(どうばやし)。仕事の事はもちろん、部長に誘われた酒の席での事も心配してくれる信頼のおける上司でした。
しかし、徐々に堂林の行動は変化。
堂林は妻子がいる身にも関わらず、さつきの事が気になっていると猛アピールをしていきます。その行動はボディタッチから始まり、徐々にエスカレート。手を握ってきたり、抱き寄せてきたり…。
堂林とそんな関係になるつもりは毛頭ないさつき…。堂林からのアクションが過激になる度、困惑の表情と恐怖を覗かせていきます。
同時に上司である堂林に楯突いたり、社内で騒ぎを起こしてしまったら契約が終了…職場を追い出されるのではないかと不安を感じるさつきは堂林からのハラスメント行為に我慢を強いることに…。
レディキラーカクテルで一線を越えようとする上司…!?
ハラスメント行為に困惑しながらも仕事上のお願いに関して、しっかりと働きを見せてくれる堂林。さつきの受けたかった研修の受講を上司に通してくれて受講のチャンスが巡ってきます。
同時に研修に関しての作戦会議と称してバーに誘ってくる堂林。仕事上の話もあるので仕方なく誘いに乗ることに。
バーではさつきを気遣ってなのか、飲み口が軽いお酒を注文する堂林。しかし、これが罠だったのです。
堂林が注文していたカクテルはレディキラーといった異名を持つ「ロングアイランド・アイスティー」飲みやすいカクテルですがアルコール度数はかなり高いお酒でした。このお酒は男が女を酔い潰すために悪用されることでも有名。
酒の弱いさつきは堂林の企みに気づくと共に酔いが回ってしまいます。トイレで吐いたり、気を確かにして何とか堂林からのアプローチを回避していく事になりますが、やり方が姑息(笑)
セクハラからパワハラへ…
その後も堂林からのセクハラは続いていきながらも必死に耐え、誘いも回避していくさつき。しかし、ターニングポイントが訪れます。
宿もおさえており、連休に旅行しようと誘ってくる堂林。その魂胆は丸見え。
さすがに妻子ある上司とのお泊り旅行の誘いに我慢の限界が来たさつきは丁重に誘いを断る事に…。ここから堂林の態度が急変していきます。
断りを納得して承諾する堂林…。しかし、翌日から彼の行動はセクハラからパワハラ行為へ変化を見せていきます。本来なら新人研修担当であるさつきを交えて新商品のレクチャーを行うのですが、堂林はわざとさつきに連絡せず、仕事でのミスを誘発する行為をしていきます。
さらにさつきの代替え要員となるハイスペック派遣社員を職場に投入してきたりなど、パワハラはエスカレート…。
さつきは我慢して心に閉じ込めていた叫びを解放するため、堂林と戦う事を決意していきます。
悲痛な叫びはかき消されていく事に…
堂林のハラスメント行為に立ち向かうべく、行動を起こしていくさつき。
まずは部長に堂林からハラスメント行為を受けている事を告白。部長は堂林と二人で話す場を設けてくれますが、お誘いメールなどを消去してしまっていたさつきは証拠がなく、上手く丸め込まれてしまう事に…。
続いて労働組合に掛け合う事にしますが、組合員である堂林を守る為、派遣社員の言い分など相手にもしない労働組合…。
会社組織の闇を痛感して完全に心が折れてしまうさつき。
彼女は堂林との戦いに負け、会社を去る事に…。しかし、気持ちは前向きで新しい道を探す決意を固めていきます。
ハラスメント行為の真の問題が露呈…!?
勤めていた会社を去り、新しい職場を見つけるさつき。
しかし、彼女に刻まれた心の傷が徐々に浮き彫りになっていきます。男性を前にしてしまうと恐怖を感じたり…怯えてしまったり…堂林からハラスメント行為を受けたさつきはトラウマになっており、男性恐怖症になっていたのです。
心の拠り所もなく壊れていくさつき…。
最後にダメ元で「ウィメンズ・テラス」といったお悩み相談窓口を連絡して心の叫びを聞いてもらう事に…。ここの職員はさつきの言葉を真摯に聞き、受け止めてアドバイス・サポートをしてくれる事に。
職員の働き、訪れる女性達の現状を知って徐々に生気が回復していくさつき。堂林の件について諦めていた彼女でしたが、職員の後押しもあり、さつきは再び堂林とハラスメント行為を認めさせる戦いに挑む事を決意していきます。
1巻はここで幕引き。
漫画「大人の問題提起シリーズ さけび」感想
現在より社会が女性に厳しかった時代が如実に描かれていく漫画。
ヒロインであるさつきの心の叫びは本当に突き刺さるものがあります。また彼女が壊れていく様もリアル…。
次巻でどうやら再び堂林と相まみえる事になるようですが、必ずや堂林にハラスメント行為を認めさせて謝罪をして欲しいと心から思える作品。さつきには辛いと思いますが是非、頑張って欲しいとエールを送りたくなります!
会社内におけるリアルなハラスメント行為の実態や女性の悲痛な心情が描かれていく漫画。感情の揺さぶられる作品であり、ハラスメント行為を受ける多くの女性の共感や応援になる漫画ではないでしょうか。
内容もシリアスですが本当に面白いので興味が出た人は是非、チェックしてみてください☆彡
大人の問題提起シリーズ さけび
「お前のことが気になる」その一言が、悪夢の始まりだった…。山口さつきは大手メーカーに勤務する3年目の派遣社員。充実した日々を送っていたが、上司の堂林から愛の告白を受けたことを皮切りにセクハラが始まり…?――これは叫びをあげ、再生の道を見つけた一人の女性の闘いの記録。 一世を風靡した「問題提起シリーズ」の“大人編”第2弾!セクハラ・パワハラ被害の真の問題とは?徹底取材により描く現代の闇!
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