聲の形で有名！大今良時のSF漫画「マルドゥック･スクランブル」1巻の内容やネタバレ感想

この作品は小説からのコミカライズである。原作者は冲方丁、代表作はこの『マルドゥック・シリーズ』と、最近では『天地明察』などが有名だ。

コミカライズを担当した大今良時にとってはこれが商業デビュー作であるが、のちに『聲の形』という作品で大ブレイクを遂げたので、今はそちらで知っている方も多かろうと思う。

この『マルドゥック・スクランブル』だが、余談とはなるがコミカライズと並行してアニメ映画にもなっている。三部作。ちなみに主人公の声は林原めぐみであった。

漫画「マルドゥック･スクランブル」1巻のあらすじ
漫画「マルドゥック･スクランブル」1巻のネタバレ
漫画「マルドゥック･スクランブル」1巻の感想
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漫画「マルドゥック･スクランブル」1巻のあらすじ

少女の名はルーン・バロット。物語の冒頭で、彼女は「殺される」。シェル＝セプティノスという男に。ナイフで喉を裂かれ、車ごと爆破されたのだ。

だが、彼女を救った者がいた。委任事件担当官ドクター・イースターと、同じくウフコック・ペンティーノ。物語の舞台であるマルドゥック・シティの特別法規、「マルドゥック・スクランブル−O9（オーナイン）」に基づいて、バロットを保護したのである。

説明してしまうと、この『マルドゥック・スクランブル』という作品は、いわゆる超能力をテーマとしたSFである。バロットも、焼けた膚の代わりに、特殊な金属繊維で出来た人工皮膚（ライタイト）を移植され、超常の力を得る。「電子撹拌（スナーク）」。ありとあらゆる電子機器に干渉・操作することができる能力である。

で、ドクターにそこまで説明されたバロットは、いきなり近くにあった車（ドクターの車であるが）をスナークで乗っ取って壁をぶち破り、脱走する。自分を殺そうとしたシェルに直接会い、その真意を質すために。

漫画「マルドゥック･スクランブル」1巻のネタバレ

ここまで読んで筆者はだいぶ面食らった。何がって、原作にそんなシーンはまったく無いからだ（なお筆者は原作の大ファンである）。

さて。物語の解説を続けよう。スナーク能力を駆使して（監視カメラ映像の盗視などができるので、なんとでもなるのである）バロットはシェルを捕捉する。

で、シェルを問い詰めるのだが、シェルは言う。「君は誰だ？」

シェル＝セプティノスという男は、連続殺人犯なのだが、人を殺すたびに、殺害の事実や殺した相手についての記憶を、特殊な手段を使って消し去っている（この設定は原作の通り。物語の冒頭でシェルとバロットが対面するシーンは原作に無いが）のである。

バロットはまたシェルに殺されそうになるのだが、そこでバロットを救うのがウフコックだ。ウフコックは、人間ではない。ネズミである。もともとは兵器として開発された、「反転変身（ターンオーバー）」という、亜空間に貯蔵してある資材を利用して様々な物体に変身する能力を持った、「万能道具（ユニバーサルアイテム）」。それがウフコック・ペンティーノだ。もっとも、ウフコックの正体がネズミだという事実はトップシークレットだが。

1巻の物語は、すったもんだの末にバロットがシェルを逮捕するためのドクターとウフコックの捜査に協力することに承諾し（ちなみに原作だと二つ返事）、そしてシェルの側に雇われているもう一人の委任事件担当官、ディムズデイル・ボイルドが襲撃してくる、そこまでが描かれる。