漫画「生贄」は長崎さゆり先生が描く悍ましい復讐系ヒューマンドラマ作品。
主人公は美理香(みりか)といった女性。彼女は地元有権者の家庭で育った我儘、やりたい放題で生きてきた女性である。俗に言う地元で歯向かったら生きていけないアレ系である。
順風満帆に思われた美理香の人生であったが結婚を前にある男に誘われる事へ。美理香好みでイケメンでワンナイトラブならあり!?
そう思って男に付いていくと密やかに静かに彼女への復讐制裁が開始されていく。一切救いのない傲慢女への復讐劇が描かれていきます!
生贄【ネタバレ】
冒頭、高校時代の美理香が描かれる。気に食わない一人の女子生徒が居て『ムカつく…ブスが…思い知らせてやろ…』といった不穏な空気。
場面転換。
篠原物産に勤める美理香。パウダールームにて後輩達に海外ブランド限定のコスメをプレゼント。彼女にとっては発色が悪くてお気に召さなかった。
そしてパウダールームでは同僚への陰口を叩いていく美理香。この日は営業の岡田といった男性社員の産まれた子供の命名をディスっていく。
『命名が文子…ダッサダサよね…今どきそんな古臭い名前子供につける?』
取り敢えず美理香に頷いていく後輩達。
そして終業の合図。
後輩にタイムカードを押しとくように指示を出して美理香は結婚式のウエディングドレスの試着会へ。
『篠原さん…君を捜してたんだ…以前に頼んだ資料作成、今日までと言ってあったんだが…』
帰り際に美理香を呼び止める山本課長。
残業して頼んでいた資料を作成して欲しいとお願いしていく。しかし、威圧した態度で無理なものは無理。ドレスの打ち合わせ優先として立ち去っていく美理香。
美理香は篠原物産社長の姪でもある為、役職がなかろうが幅を利かせていた。
イケメン後輩の誘いにご満悦の傲慢女!?
ウエディングドレスの試着。
今日までの事を思い返して自分の人生はイケていた…そしてこれからもこのまま…そう信じてやまない美理香。
場面転換。
会社で送別会を開いてもらう。しかし、安っぽい店でうんざり状態の美理香は遊び相手でもある隆に連絡。迎えに来るように指示を出していく。
『あの…もしかして篠原さんじゃありません?篠原美理香さん?』
声をかけてきたのは同じ高校の後輩だと語る田中といった男であった。
美理香を煽てる田中。
彼は高校時代から美理香は憧れの存在であった事を明かしていく。
『悪い気はしないわね…こんなイケメンが下の学年にいたんだ』
田中は勢いで二人で一緒に飲まないかと誘っていく事へ。田中を高ランクの男だと判断した美理香は気分よく誘いを受ける事へ。そしてバーへ移動する二人。
『結婚されるんですか…くやしいな…もう少し早く出逢えてたら…』
潤った目で美理香を見つめていく田中。あまりのイケメン具合で次第に心臓がドキドキと鼓動が高鳴っていく美理香。
『場所…変えませんか?』
結婚前のお遊びとして田中の誘いを受ける美理香。彼の住んでいるマンションへと移動していく。
全ては依頼者の復讐のため……!?
田中の部屋にあがると突然、背後から首を締められる美理香。何かを嗅がされて意識を失ってしまう。そして目が覚めるとベッドの上で四肢を拘束された状態であった。
すぐに田中へ怒りながら説明を求める美理香。
田中の淡々とした怖い言葉の数々に唖然としていく美理香。
『あなたは最終的に死にます…僕を楽しませてくれた後にね』
理解が追いつかない美理香。
自分に何をするのか、恐る恐る尋ねていく。すると田中は告げる…『復讐です』調査した美理香の人物像を読み上げていく田中。
そして、高校時代に美理香達が自殺に追いやった一人の生徒の写真を見せていく。
『覚えていませんか…彼女のこと?』
覚えてない、知らない、自分は何もしていないと必死の言い訳をしていく美理香。そして自殺した女性と関係があるのか尋ねる。田中はまったく面識がないと答えていく。自分は只、美理香を殺す為に依頼を受けただけだと明かしていく。
インターネットから復讐の依頼を受けたと伝える田中。
彼は中には自分のような本気で復讐を請け負う人間もいる事を明かしていく。そして自分語りをしていく田中。彼は生き物の命を断つことが趣味であった。
田中が本物であると察知した美理香。依頼者の3倍以上の金銭を出すから助けて欲しいと必死で懇願していく。
あなたは僕の生贄…
自殺に追いやった女性の名前を覚えているかと尋ねる田中。まったく思い出せない美理香。
田中は自殺女性が受けてきた苦痛を明かしていく。名前はわからないがイジメていた女性のことは思い出した美理香。高校時代、彼女が気に食わなかった理由を列挙していく。あまりにもくだらない理由であった。
『もう結構、そろそろ黙りましょう』
美理香が女性を自殺に追いやった理由をまとめ上げていく田中。自殺した女性がどんな子だったのか知っている限りの事を伝えていく田中。
『あなたが少しでも反省しているようなら考え直したいとも依頼者は言っていましたが…反省してますか?』
泣きながら頷く美理香。
しかし、田中は笑顔で生かす事を拒否。指の骨を折っていき、徐々に美理香を苦しませていく。
『あなたはスイッチを踏んでしまったのです…小さな小さなスイッチを…彼女がそうだったように…あなたは僕への生贄です』
田中は依頼者へ復讐が完了した事をメッセージで伝えていく。
メッセージを受け取った相手は山本課長であった。娘の思い出が蘇り、ホロッと涙をこぼす。そして営業の岡田が山本課長を呼びに来る。山本は岡田の産まれた子供の名前を確認していく。
『君の生まれたお子さん…文子さんと言ったね』
山本は明かす。自分の娘も同じ名前だったと…。嬉しそうに娘を語っていく山本。最後に一言。
『いい子だったよ…山本文子といったんだよ…』
長崎さゆり先生の漫画「生贄」はこれにて終了。
長崎さゆりの漫画【生贄】感想
一切救いのない復讐劇が繰り広げられる作品。
その悍ましい衝撃の終盤は賛否が分かれるほど。タガの外れた人間の怖さ。いじめ加害者の何も覚えていないといった怖さ…人間の本当の裏側を見ている気分になる作品。
地元で幅を利かせる傲慢女が情けのない復讐をされる物語。
重たいけど読み進める手が止まらない復讐劇が描かれています!興味が出た人は是非、チェックしてみてください。
生贄
地元の有権者の家に生まれてきた美理香。ムカつく女はいじめ、やりたい放題に育ってきた。社会人になりIT社長ともうじき結婚という時…!? 密やかに静かに…だが確実に動き始めた復讐。ゴーマン女のおぞましい運命とは――!?
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