なんてこった！ピスタチオが殺されちゃった！この人でなし！
夢で見たあの子のために【9巻】あらすじ
はい。2巻の紹介から延々話に出続けていたピスタチオヤクザこと本名・加東政宗が死亡する。いや、そこは話の本題でもなんでもないんだけど、そうなのである。
ちなみに犯人は最初から分かっていて、若園である。若園が、いちおうまだ刑事ではあるのだが（正式にはクビになっていない、という程度の範囲においてだが）、暴れまくっている。そういう巻である。
夢で見たあの子のために【9巻】ネタバレ
では前巻のラスト、一登と若園の接触の場面から。若園が「一緒に火の男を殺そう」と持ち掛けたわけだが、一登はにべもなく拒絶した上、若園に刃を突き付ける（愛用のナイフであると思われる）。が、そこに恵南が登場し、一触即発の場面はどうにか回避されることになる。
恵南は若園に接触し、コミュニケーションをはかるのだが、いまいちうまくいかない。自分ではもう彼を止められそうもない（そもそも幼馴染なのである）、という認識に到達する。
さて、千里と恵南による調査はその後も続いていき、いろんな事実に到達する。
一登の子の母親はどこの何者だったのか、とか。もっとも、今巻では「読者の目線から見て未知の情報だったこと」で重要な話はあまり出てこない。主には、既知の情報を主要キャラクターたちが把握していくという流れである。
さて。若園は相変わらず暴走していて、今ひとつ動機はよく分からないのだが、ピスタチオの組（正しくは板倉組。なお、葛飾区にあるらしいよ）の事務所に白昼堂々と侵入してくる。
ピスタチオは部下とともにあえて姿を隠し、やり過ごそうとするのだが、結局若園の方が一枚上手で、部下ともども殺されてしまった。戦う、というほどの戦いにもならなかった。殺しの腕前でいえば若園は非常に強いのである。南無阿弥陀仏。
で、若園は自分のメッセージカードを現場に残していった。それをボン（板倉組組長の息子で長男。本名、龍彦）が第一発見者として見つけたんで、警察に通報したりもしたが、千里を呼び出して（恵南も呼ばれてないのについていった）、情報をいろいろ流す。
龍彦は自分の部下を殺されたことで本気で激昂しまた慟哭している。なぜ千里に情報を流すかといえば、仇討ちを期待しているからであろう。別の部下を使って復讐に動いたりしないのは、これ以上犯人に関わると板倉組にどれほどの災いが及びどれだけ犠牲者が出るか分からないから、ということらしい。
ちなみに、この事件の犯人は若園であるわけだが、奴はとんでもない細工をした。三つ目こと一登が真犯人であるという情報と、一登の個人情報をネットに流したのである。
一登と千里はそれを知ってやっぱりまた激昂する。といったところで、本巻はこれまで。
夢で見たあの子のために【9巻】感想
若園が暴れまくっている。刑事なのに。「刑事になったのは自分にとって手段であり、目的ではない。本当の目的は父親のかたき討ち」と本人が言っていて、まあその通りなんだろうけど。
それにしてもピスタチオが何をしたというのだ。あまり関係のない人間を巻き込むことで一登を怒らせるのが目的らしいがあんまりだ。ピスタチオが好物なだけのただの悪い人でしかなかったのに……。黙祷。
それにしても、千里はいま「若園を止める」というのを主目的に据えているが、若園が話のラスボスというわけではまさかないだろう。今巻では火の男はほとんど出番がないのだが、彼にまつわる伏線も解決しなくては話が終わらないだろうし。
というわけで、いよいよ次は大台の10巻である。こうご期待。
夢で見たあの子のために
幼少期に家族を惨殺された中條千里は、ただ復讐を果たすためだけに生きている。生活の全て、学校の全て、復讐という目的を果たすのに必要な力とお金を得るため、自分が汚れるのも厭わない…。心配する幼馴染み、残された肉親の思いも振り切って果たそうとする、人生の全てを懸けた復讐劇の先にあるものは、果たして千里に何をもたらすのだろうか？メディアミックスで話題になった「僕だけがいない街」の著者が新たに紡ぎ出すヒューマン・サスペンスがここに開幕する！！
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