鬼才うめざわしゅんの描く『ダーウィン事変』、2巻をご紹介する。
ダーウィン事変【2巻】あらすじ
逮捕されてしまったチャーリーだが、養母が議員にコネを持っていたおかげでなんとか釈放はされた(厳密には釈放とは違うのだが、後述する)。
学園の同級生に、ALAに共鳴しているヴィーガンの少年がいるのだが、その少年に対してALAの幹部たち(チャーリーを襲撃した三人組の残りの二人)が接触を図る。そして事件が起こる。その少年、レッドピルと名乗っているのだが(ハンドルネームである)、学校で銃乱射事件を起こしたのである。
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ダーウィン事変【2巻】ネタバレ
逮捕されたと言ったが、厳密には違う。まず、前提として、チャーリーには人権がない。動物としての権利すらない。彼は人ではなく、既存のいかなる動物種にも含まれないため、法的には「モノ」なのである。
そんな状況になった理由は「もともと彼のような存在を想定した法整備は誰もしていなかったから」だが、彼が家から出なかった理由というのはちゃんとあった。5歳のとき、スイミングプールでふざけた子供にプールに突き落とされたのだが、当時既に人間を遥かに超越した戦闘能力を持っていたチャーリー、子供たちを叩きのめし、それくらいならまだしも、駆け付けた七人の警察官を全員、病院送りにしてしまったのである。
警官は全員が辞表を出し、チャーリーは「向こう十年間家から一切出さないこと」という条件のもと示談の対象となった。
それはいいとして、チャーリーの養父母には計画がある。チャーリーが立派な人間であることを世に示し、彼にアメリカ市民権を獲得させたいのだという。
そのためにはまず学校に適応しなければならない、ということで、ルーシーがはりきる。チャーリー自身は非常に淡白な性格なので、孤立しようがいじめられようがあまり気にしていない(ルーシーの事だけは友人だと認識しているようだが)のだが、とにかく頑張る。女子生徒の中には少しは友好的に接してくれる子たちが現れたかな、というそのとき。動いたのはレッドピル少年であった(本名は別にあるが、面倒だからレッドピルで通す)。
レッドピルは学校内で「動物に権利を」とかなんとか書かれたプラカードを掲げた。チャーリーのいる学校の中である。普通の学校でもトラブルになるかと思うが、それ以上の反響があった。しかし、チャーリーは「どこ吹く風」という態度である。
「君は特別な存在なんだ」というレッドピルに対してチャーリーは言う。「僕はたった一匹の動物、“ワン”でしかない」。
その後、家で落ち込んでいたレッドピルのところに、ALAの幹部たちが現れる。ちなみに中心人物(もしかしたらリーダーかもしれない)は、ファイヤアーベントという名前の黒人。
ファイヤアーベントたちはレッドピルを仲間に引き込み、いっちょ前のテロリストに仕立て上げ、チャーリーのところに送り込んだ。ライフルを持たせて。
といっても、大量殺人を犯させることが目的ではない。むしろ逆で、ネット配信でライブ中継しながら「重傷を負った人間だけをどんどん増やしていく」のである。チャーリーがどういう反応をするか、それを試す目的らしい。
しかし結局、チャーリーは多少は困惑したものの、レッドピルを自らの手でぶちのめして(警官隊に銃を向けられている状況でである。すごい度胸と能力)生け捕りにしてしまった。レッドピルは計画では自分の頭を最後に撃ち抜く予定だったのだが、それは果たせなかったのである。といったところで次巻に続く。
ダーウィン事変【2巻】感想
なんか、日本人が描いている漫画であるわけなのだが(日本人だと思う。知らんけど)。アメリカの描写がとても生々しく、よくできていると思う。やっぱり実力のある作家だなあ。
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