ほのぼの殺伐ダンジョン運営漫画『ダンジョンの中のひと』、第4巻である。
ダンジョンの中のひと【4巻】あらすじ
すごく重要な動きがあり、大きな伏線が一気に解消される、何よりもそれが特徴となっている巻。話の大きな流れ自体は今までと何も変わらないが、そこがポイントなので、そこから書いていこう。
一言で言ってしまえば、主人公クレイがずっと探していた「父親」が登場するのである。それも、アントムルグのダンジョンを攻略中に、そのフロアガーディアンとして。
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ダンジョンの中のひと【4巻】ネタバレ
まずスライムの話から。ドラゴンクエストで最弱モンスターとして登場し、それが定着してしまったので雑魚モンスターの定番みたいになってしまって久しいが、本来、スライムは恐ろしいモンスターというイメージがあったのである。この世界でも普通はそうらしいのだが、アントムルグのダンジョンに登場するスライムは弱い。なぜかというと、本来探索者と戦う用ではなく、「ダンジョン内を掃除するために使役されているクリーチャー(知性はない。魔法生命体みたいなもの)だから。
次に出てくるのはバラヤムンと名乗る吸血鬼。この世界の吸血鬼がどういう種族なのかについて詳しい解説はないが、分裂してコウモリを飛ばすことができるらしい。向こうはクレイのことを知っているのだが、クレイは彼のことを知らない。本体の姿で登場することは特になく、雑魚モンスターであるコウモリの管理を担当しているから、らしい。
それから、ゾンビやスケルトンの作り方についての解説というか、裏話も入る。実はこのダンジョンに出てくるゾンビは死体ではないし、スケルトンも本物の骨ではない。なんか粘土のようなものをこねて作って、精霊を宿らせて屍鬼のふりをさせているらしいのである。ゾンビの方は悪臭は本物っぽいのだが、実は果物を腐らせて作ったものなんだとかなんとか。
さて、クレイは仕事のかたわらダンジョンの探索も続けているわけだが(現在9階)、その探索の途中、9階のフロアガーディアンのところまで辿り着く。そうしたら、そこには人間が立っていた。通称「風切り」。クレイの探していた「父」その人というわけである。
会話を交わしたりなどしたあとばっちり戦闘になり、激戦になるのだが(詳細は語ってもしょうがないので割愛する)、結局クレイの方が勝つ。そうしたら父は事情を教えてくれた。10階のフロアマスターに敗れて、以後ここでフロアマスターを担当させられていたというのである。
クレイも風切りもお互いが同じ場所で雇われていることを知らなかったと思われるわけだが、おそらくこれはベルの差金だと思われる。教えようと思えば簡単に教えられる情報を伏せておいて、親子の再会を(勝手に)演出したというわけだ。
というわけで、伏線は解消されたが別に終わりではない。当然のようにここで次巻に続くことになる。
ダンジョンの中のひと【4巻】感想
いやー、でかい伏線が解消されてしまったからてっきり今巻で打ち切りじゃないかと焦った焦った。別にそんなことはなかったのだが。
今巻はバトル要素が比較的多い。主人公クレイが魔力の扱い方を学びながら成長していく描写が中心になっているわけだが、そういうのはいいからダンジョン運営の話をもうちょっと深掘りしてくれないかな……という気はしないでもない。もとからそっちを楽しみに読んでいるわけなので。バトルものとしても、まあそれなりに読める水準の作品であるのは確かなのだが。
とりあえず、クレイはこのアントムルグのダンジョンの最深部である10階に到着はした。ここから最低でも2巻くらいは必要だと思うが、そこがまた大きなヤマだろうな。そこで打ち切られたりしないといいんだけど。と思ったり思わなかったりしつつ、では次巻の紹介でまた。
ダンジョンの中のひと
――ダンジョンで働く事になってしまった――シーフギルドに所属する少女・クレイ。父から厳しい教えを受け、鍛錬を積んだ彼女は前人未踏とされるダンジョンの地下8階を踏破。さらに深層へと向かうが、そこで待ち受けていたのは…管理人を名乗る魔法使いで!? 双見酔が描く、秘められし迷宮の裏側の世界。
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