この作品はどういうわけか連載より先に単行本が出るのだが、無事2巻が発売され、いまその内容がWEBで連載されている。
アンナ・コムネナ【2巻】あらすじ
巻頭に登場人物紹介と称して系図が載っているのだが、似顔絵が添えてあるキャラクターは六人。主人公アンナ、その夫ニケフォロス・ブリュエンニオス、アンナの父である皇帝、母である皇后、弟で皇太子のヨハネス・コムネノス、それからその従者のトルコ人少年ヨハネス・アクスークである。
今巻での物語としては、そのほかテオドロス・アマネスという宦官の少年が出てきて、割と重要な役割を演じている。2巻最終話では1101年、アンナ17歳まで時間が進む。
アンナ・コムネナ【2巻】ネタバレ
アンナとヨハネスは相変わらず仲が悪い。「俺のことは死ねばいいと思ってるくせに」と面と向かって言われ、さすがにショックを受けるアンナである。個人的な感想としてはヨハネスの方がアンナより皇帝の資質は普通にあるような気がしてならないが。
さて、巻の割と最初の方でテオドロスが出てくる。アンナの家庭教師として、皇后が連れて来たのである。アマネスというのは帝国に仕える軍人の家だが、テオドロスはその庶子で、もともとは聖職者になるために宦官になったのだという。で、教育を受けたわけだが、筋がよかったのだろう、皇女の家庭教師などやるまでに出世したわけである。しかし庶子だからか、宦官だからか、その両方か、兄たちからは冷たい目で見られている。
そのテオドロスの方から見てもアンナは優秀な教え子であった。自分ではいつまで教育係を務めきれるか分からないので、もっと本格的な学者を招聘するべきだ、と進言したりしている。
ところで皇帝とニケフォロスは出征中だったのだが、結局戦いはほどほどにして深追いはせずに戻ってきた。ボエモンという人物が皇帝の最大級の政敵であるらしいのだが、その部下だった人間が数人、こちら側に寝返ってきている。うち一人にギイという男がいて、なんだか知らないがニケフォロスにやたら懐く。アンナにも懐く。
亭主が帰ってきたのでアンナはラブラブ光線を乱れ打ちしているのだが相変わらずこの二人の間に肉体関係はないままである。と思っていたら、さすがに2巻の途中でニケフォロスが手を出そうとして、アンナに突き飛ばされた。「嫌われた!?」とものすごく落ち込んでいるニケフォロスだが、アンナは数日後、「嫌だったんじゃないの。びっくりしただけなの」とかいって、結局仲直りしている。それ以上の描写はないが。
で、テオドロスである。皇室の覚えがめでたいので、彼を冷遇していた実家から声がかかる。なんとテオドロスの実家の関係者が皇帝暗殺を企んでいたのだが、それに参加するように要求されたのである。テオドロスは、兄弟の情というものが断ちがたく、結局陰謀に加わることになるのだが、実行に移す前に計画は露見してしまった。で、一族みんな追放処分となった。アンナは落ち込むが、どうにもなるものではない。
そして1101年がやってくる。アンナは17歳となる。皇太子ヨハネスはまだ13歳だがだいぶ成長しており、既にアンナより背が高い。ヨハネスは初陣を飾ることになるのだが、その補佐として選ばれたのは、ニケフォロスであった。
アンナ・コムネナ【2巻】感想
はたして作品自体がどこまで進むのか分からないのでもう書いてしまうが、このあと(十数年後)何が起こるかというと、アンナは弟皇帝を失脚させようとして陰謀を企み、なんと夫であるニケフォロスの妨害によってそれを阻止させることになる。しかし、まあ姉と弟ということもあるんだろうが、別に殺されたりはせずその後弟皇帝とは和解することになるのである。
そこまで話が進むとして、何巻目になるやら分かったものではないが。しかし、日本ではあまり知られていないかなりマイナーな世界史を扱った作品になっているが、地味ではあるがそれなりに面白い。続きも読んでいこうと思う。
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