All You Need Is Kill、小畑健(『デスノート』等で有名なジャンプ出身作家)によるコミカライズ版全2巻。
まだ1巻しか読んでいない状態でこれを書いているのだが、大変に面白かった。日本ライトノベル史上初めてハリウッドで映像化の快挙を成し遂げたというのも実に頷ける(まだ半分しか読んでいないのだが)。
目次
漫画「All You Need Is Kill」あらすじ
遠い未来の地球。人類は「ギタイ」と呼ばれる正体不明・コミュニケーション不可能・殺意MAXの集団と戦い続けていた。戦線はボーソー半島にも拡大され、そこに配属されていた新兵キリヤ・ケイジにも出撃の機会が訪れる。
で、ケイジは初陣で速攻死んだ。リタ・ヴラタスキという英雄的に有名な女性兵士に見送られて。
と思ったら、二日前の日付に戻って、宿舎にいた。お約束のパターンとして最初は夢かと思う。また死ぬ。またタイムリープして、逃亡を試みたりもするが結局死ぬ。今度は拳銃自殺などもしてみたが、やっぱり強制的にタイムリープさせられる。
で、どうやら自分は無限に繰り返される死に囚われているらしいと気付いたケイジ、「だったらこの地獄の戦場で生き残ってやる。そのために訓練しよう。何しろ時間はいくらでもある」と決意する。
漫画「All You Need Is Kill」ネタバレ
実戦を繰り返せば繰り返すほど、ケイジは強くなっていった。目つきもどんどん古参兵のそれになっていく。だがケイジの投入されている戦線はあまりにも絶望的で、いくら倒しても全然きりがない。最初のうちはパイルバンカーという、威力は高いが近距離でしか使えない兵器を使っていたケイジであるが、弾数が20発しかないのでこれではだめだと思い始める。
そこで「バトルアクス」である。リタが使っている武器だ。リタが使っているというか、リタにしか使いこなせないとされている物凄く扱いの難しい武器だ。
ケイジたちは機動ジャケット兵といって、まあ要するにパワードスーツ的なものを着て戦っている。パワードスーツにはブースターがついていて、動作を補助する。だが、リタのジャケットにはブースターがついていない。より高度な動きをするためにはかえって邪魔になるものだからだ。
で、バトルアクスは威力は物凄く、名前の通り巨大な戦斧であるから弾切れの心配もないのだが、動きを制御するのが恐ろしく難しい。それで、使いこなせる人間がリタしかいなかったのである。
ケイジはエンジニアを適当に言いくるめて、バトルアクスを一本作ってもらう(運用は難しいが製作まで難しいわけではないらしい)。で、また訓練開始である。このあたりで、既にループは百何十周目に突入している。
さて、バトルアクスの扱いにも慣れた頃、大物のギタイに遭遇するケイジ。自分がどれだけ変わったか見せてやる、と意気込んで戦いを挑もうとするのだがそこでリタに話しかけられる。
「お前は今、何周目なんだ?」
漫画「All You Need Is Kill」感想
正直なところ、有名なSF作品として概要くらいは押さえていたので、「リタもタイムリーパーである」という重要な部分については元から知っていた。というわけで残念ながらそこに驚きはない。
だが、とにかく面白いのである。ループ構造を説明するまでの話のもっていき方のうまさ、理論の組み立て、ケイジが徐々に新兵からベテランに化けていくまでのビジュアル的描写の変遷の流れ、どこをとっても完璧だ。
あとはこれを、ここからどうやって残り半分で締めるのか。実に楽しみである。なお余談であるが、たった今思わず小説版も購入してしまった。映画版もアマゾンプライムにあったんで2巻読んだ後で観てみようと思う。いやホント、それくらい面白いです。
All You Need Is Kill
人類は今、かつてない戦争をしている。敵は「ギタイ」と呼ばれる化物。ジャパンの南方、コトイウシ島で繰り返される戦闘。初年兵であるキリヤ・ケイジと戦場の牝犬と呼ばれるリタ・ヴラタスキは、まだ見ぬ明日を求める戦いに身を投じていく――。
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