満州アヘンスクワッド、ハルビン編も佳境の6巻である。
満州アヘンスクワッド【6巻】あらすじ
延々とマフィア同士の抗争が続く巻である。
主人公サイドの重要キャラクターは誰も死なないが、ロシアンマフィアのボスの「ツァーリ」は死亡する。ハルビンのチャイナマフィアのボス、馮英九は少なくともこの巻では死なない。
満州アヘンスクワッド【6巻】ネタバレ
リーファが馮英九に銃を突きつけられて大ピンチ、という状況から巻をまたいだわけだが、割とあっさりとリーファは助かった。馮英九に抗戦しているもう一つの勢力があったのである。ストリートチルドレンの集団で、馮英九を恨んでいる。で、リーファはどうにか救助されたが、かなりひどい銃創を負っている。貫通してはいるが、傷口が化膿でもしたら命に係わる。専門治療が必要である。しかし、このハルビンで、今の彼らの立場で、普通に医者に行くことなどできない。
そんなこんなしている間に、ロシア系マフィアと中華系マフィアの抗争は激化の一途をたどっていた。状況としては三つ巴になっている。
勇はリーファに死なれては困るので、吉林という近くの町まで、例のロシア人に運んでもらって連れていき、そこの闇医者の世話になる。まず阿片窟のようなところにたどり着いたので、手がかりでもあるかと思って医者を探しているというのだが、「酒を飲め」とか「教会に行け」とか頓珍漢なことを言われる。しかしそれは全部試されていたのである。実はその阿片窟、いやそう見せかけた病院なのだが、それの主こそが例の闇医者なのであった。
さて、これまでまともに紹介していなかったかもしれないがニーナという女性がいる。ツァーリの表の顔の、秘書をやっている。しかし最近ツァーリの裏の顔を知ってしまい、これはなんとかしないといけない、と思っている。彼女を内通させた状態で、そのアジトに忍び込み、ナターシャの救出とツァーリの暗殺をはかることになった。
間を多少はしょるが、ナターシャの救出は成功した。ツァーリは肩を撃たれたが、逃げた。車で。それを、例のロシアの運び屋が車で追っていく。ドライビングテクニックに関していえば圧倒的、プロであるので、崖に追い詰めて転落させる。ツァーリは致命傷を負った。いちおうその前に運び屋さんが立つのだが、「王者らしく死なせてやる」とかっこつけさせてやって、結局ツァーリはそのまま息を引き取った。大物めかして出てきたわりにはなんか微妙な終わり方であった。
一方、馮英九はというとストリートチルドレンたちの襲撃を受けた。しかし、所詮は子供の群れなので、撃退に成功する。そして、勇たちの真意と狙いにようやく気付いた馮英九は、また大きな出入りを動かすことを計画しているらしい。というのが明かされたところで、次巻に続くとなる。
満州アヘンスクワッド【6巻】感想
なんかなー。なんかねー。もう一皮むけられそうで、むけられないんだよなあ、この作品。どこがどうだめ、っていうのは無いでもないけど、ひとつ大きいのを取り上げてこういうところがだめだからだめなのだ、と言えるだめさがあるわけではない。むしろ、全体的にうっすらと、広範囲にわたってだめです。
この作品の問題の一つはやっぱり主人公の影の薄さにあると思う。今巻でも活躍シーンが多少はあるといえばあるのだが、主人公としてぐいぐい話を引っ張れるほどのキャラクターはやはり明らかに、張れてない。「将来的にはそこまで成長する」という話なのかもしれないですけど、今頑張ってくれないことにはいま連載を追っかけてる我々としてはどうにもならないわけでして。
べつにどこをどうしろなんて言う筋合いがあるわけじゃあないから言いませんけれども、「満州を舞台に」「最高級の阿片の密売を武器に」「身を立てていく悪党の話」という核そのものは悪くないだけに、一層の発奮を期待したいところです。
満州アヘンスクワッド
「満州で一番軽いものは、人の命だ」時は昭和12年。関東軍の兵士として満州にやってきた日方勇は、戦地で右目の視力を失ってしまう。「使えない兵隊」として軍の食糧を作る農業義勇軍に回され、上官に虐げられる日々を送るも、ある日農場の片隅でアヘンの原料であるケシが栽培されていることに気づく。病気の母を救うためアヘンの密造に手を染める勇だったが、その決断が自身の、そして満州の運命を狂わせていく…。
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✅ 満州アヘンスクワッド【7巻ネタバレ】新たな局面へ…闇医者と密造アヘンの販路開拓へ!?