10年後が描かれる「僕たちがやりました」漫画9巻(最終巻)の結末やネタバレ感想

僕たちがやりました(9)

最終巻では10年後のトビオ達の姿が描かれる。4人の捻れた関係性やパイセンの成長。読者によって解釈が大きく異なる巻にもなっている。切ない、やるせないような気持ちになるが、全編を通して面白く読め、最後も徹底的にリアルを追求した形で幕を閉じている。

実写ドラマ化される作品なので実写版ではどのようにトビオ達を表現していくのかも気になり、今から楽しみだ。

僕たちがやりました(8)

漫画「僕たちがやりました」9巻のネタバレ

第78話:というストーリー

パイセンが起こした刺傷事件のその後の話。

トビオはパイセンとの出会いを思い出しながら取り調べ室で放心していた。そこに飯室が現れる。飯室の口から信じがたい成り行きを聞くことになる。

端折るとトビオ達が実行した自首も全てパイセンの親父が金で揉み消してしまった。悪いのはパイセンだけ。トビオやマル、伊佐美は脅され、騙されて手伝いをしただけといった筋書きにされていた。そして10年後の姿が展開される。

第79話:バック・トゥ・ザ・フューチャーズ

10年後の話がスタート。
トビオはある芸能事務所のマネージャーをしている。アイドル担当で各テレビ局に宣伝をしているようだ。そして自宅に帰るトビオには待っている人がいた。というか結婚が決まっているようだ。

その相手は…蓮子ではない…。

トビオの結婚する相手は夏っちゃん。自宅に帰ってくるなりトビオはイチャラブを始める。

第80話:10年

10年の歳月を得て4人が集まる話。

夏っちゃんとのイチャラブが終わるとトビオのスマホに公衆電話から連絡がある。通話相手はパイセンだった。驚くトビオだがパイセンの「逢えるか?」の一言に「はい」と即答。翌日19時にハチ公前での集合となった。

ハチ公前に見慣れた顔。
マル、伊佐美も来ていた。10年ぶりの再会にテンションの上がる3人。そしてパイセンが登場。かなり痩せ細ってしまったパイセン。泣きながら「おかえり」と3人がパイセンに挨拶する。

第81話:ありがとさん

4人が居酒屋で世間話をする。

マル、伊佐美の現況がわかる。トビオや伊佐美が話をしていてもマルは無関心。自分がやっているビジネスの話をしだしたりする。金を持ち庶民に興味がなくなってしまった感じが非常にリアル。そしてパイセンから3人に「逢ってくれて、ありがとう」といった言葉。だいぶ丸くなったのかパイセンが泣ける。

そして4人は10年を得てスポッチャ(アミューズメントパーク)へ向かう。

第82話:蓋

トビオ、伊佐美がパイセンのことで揉める話。

遊び終わり、すぐに帰宅につくマル。それを境にパイセンの刺殺事件の当時を振り返るトビオ。伊佐美と口論になり核心をつかれヒートアップ。途中でパイセンが止めに入る。4人の関係はパイセンが捕まった10年前に全て崩れていたのだ。

第83話:ヒーロー

目立ちたがり屋ワタルといった学生の話。

一番になりたいけど一番に慣れない男:ワタル。何でもいいから英雄気取りをしたいワタルは最後の方法として殺人を選ぶ。自分の目に入ってきた10人を標的として事を起こそうとする。

そのワタルの10人目になった人間がトビオだった。

第84話:いつかこんな日が

83話の続き。
トビオを尾行してトンネルへと入るワタル。人通りもないので背後からトビオを一刺しするが脇腹をかすめただけ。普通なら恐怖を抱くはずだがトビオの口から出た言葉は「待ってたよぉ、殺せぇ」だった。

トビオの狂気に恐怖負けしたワタルは逃げてしまう。何事もなかったように再びいつもの日常へ戻るトビオ。

第85話:久しぶり

トビオと蓮子が再会する話。

トビオと夏っちゃんはレディースクリニックへ来ていた。検査後にお腹の大きな蓮子と出会う。蓮子は既に結婚しており妊娠4ヶ月。二人は簡単な挨拶を交わして立ち去る。最後に蓮子がトビオに言葉をかける。

夏っちゃんとも離れて一人泣きながらパイセンに電話をかけるトビオ。

第86話:パイセン

パイセンと逢い、パイセンの言葉に救われるトビオの話。

パイセンの前向きな姿勢。投げかける言葉に潰れそうになっていたトビオが助けられる。ちなみにパイセンはバイトをしており金を貯めてお笑い芸人を目指そうとしている。

最終話(第87話):ただそれでもいつかもし

4人のサイドストーリー。
伊佐美は今宵と子供二人と幸せそうに暮らしている。マルは詐欺的な商売でカモを見つけては契約書にサインをさせている。パイセンはお笑い養成所で勉強中。

トビオは子供が産まれた連絡を受ける。
産まれた子供へ逢いに行こうとすると矢波高爆破事件の被害者と遭遇。サクッとその場を離れるが市橋の幻覚を見て死が頭をよぎる。何とか持ち直したトビオは産まれた子供の元へ。

そしてラストシーン。
矢波高爆破直後のトビオの顔が描写される。驚きの後にこういった顔をしてたのか〜といった感じだ。このトビオの顔について解釈は人それぞれだと思う。ぜひ漫画を読んで確認して頂きたい。

漫画「僕たちがやりました」9巻の感想

遂に第9巻で「僕たちがやりました」も完結。9巻はコメディ、ちょいエロ要素はほとんどなく考えさせられる内容になっている。日常系漫画だが罪を犯した人間たちのリアルな葛藤や心情のある漫画。

トビオ達と同じ境遇になったら本当に漫画で描かれているようなことを考えたり、行動するんだろうなぁ〜なんて思える部分も相当に多い。

第1巻を読むとおちゃらけた漫画といった印象は強いが全巻を読むと実は超真面目に犯した罪と向き合う漫画なのだ。罪を犯した高校生たちの「リアル」を感じたい方に是非、おすすめしたい漫画。


僕たちがやりました(1)

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