図書館の大魔術師、2巻である。
ところで表紙とかには「原作 『風のカフナ』 著 ソフィ=シュイム 訳 濱田泰斗」ってあるんだけど、これ嘘っぱちで、原作小説なんてものはありません。筆者も最初騙されましたが。
漫画「図書館の大魔術師」2巻あらすじ
1巻の終わりでカフナになるための試験(司書試験)に出発したわけだが、司書試験が開かれるのは大陸の中央部、本の都アフツァックにある中央図書館その地であるので、行くまでが遠い。というわけで2巻は、半分以上かけてアフツァックに辿り着くまでの旅路をまず描く。
そして試験が開始されるのだが、試験は筆記・面接・実技と三次まであるので、2巻ではまず「悪夢の筆記試験」と恐れられる筆記試験が終わるところまでである。
漫画「図書館の大魔術師」2巻ネタバレ
シオの試験行きだが、一人旅ではない。一人旅は危険だからなのか何なのかそのへんはよく分からないが、シオの雇い主である石工の親方がキャラバン隊みたいなものを率いていて、大勢が一緒に旅をしている。途中で、ほかの街の受験者を拾って行ったりもする。
まず、その一人がミホナ=クォアハウ。噴火口の町・イツァムナーで暮らす少女。初対面のときはシオに対してカッコつけてるんだが、割とおっちょこちょいな女の子である。旅の途上で立ち寄ったイツァムナーというのは本屋通りという場所がある本屋の多い街なのであるが、この街でシオは本泥棒の騒動に巻き込まれる。が、無事に解決し、ミホナも連れて旅は続く。
次の街、水車の街エスプレオではアルフ=トラロケという少年が同道する。この街で、シオはウイラという不思議な生き物と出会う。金持ちのペットとして飼われていたフルアという珍獣の小動物で、虐待されていて可哀想だと言うので、シオは身体を張ってウイラを助け、結局自分で飼うことにする。
ところでこのウイラ、実は動物ではないらしい。素性はまだ分からないのだが、どうも魔法で獣に姿を変えられている人間であるらしいのである。シオはその事実に気付いてはいないのだが。
さて、そしてアフツァックに到着し、いよいよ試験開始である。受験者は800人くらいいて、合格者は例年二十数名くらいであるらしい。
倍率上、そして試験そのものの実態上、一番過酷なのは「悪夢の筆記試験」である。本が大量に積んである個室を与えられ、三日三晩かけて問題を解かされる。問題の量も文献の量も尋常ではない。
三日三晩かかるわけであるが、その間、外出が許されるのは用足しに行く場合と、そしてリタイアを選択した場合のみである。食事や睡眠については、規定はなく、各自自分の判断で自由に時間を裁量して行うことになっている。ただ、並大抵の挑戦者は、精神的にも問題の量の上からも寝ている暇などはないらしい。
ある者は途中で心が折れ、リタイアを選択する。またある者は途中で精神に変調をきたし、強制的に失格を言い渡される(追い出されるわけではなく、それ用に用意してある広い部屋でお茶など飲ませて落ち着くまで面倒を見て貰えるらしいが)。
といっても、上位抜けしていくような受験者たちは余裕である。ある者は「三日三晩くらい寝なくても余裕である」と言うし、またある者は「途中で全部終わったからあとはのんびり寝ることにする」とか言い出す。いちおう、全部終わらせたら期限前に退室することも認められているようである。それで加点などがあるわけではないが。
シオはというと、合格できるかどうかスレスレの実力なので、寝ている余裕はない。必死で問題を解き続ける。
漫画「図書館の大魔術師」2巻の感想
悪夢の筆記試験、明らかにベースは中国に実在した世界でもっとも厳しいと言われる試験「科挙」であると思われるが、描写が凝っていて単なるデッドコピーになっていないあたりが凄いと思う。
では、次は3巻の紹介となる。ちなみに、1巻から3巻までは「第一章 少年の旅立ち」編である。
図書館の大魔術師
アムンという小さな村に暮らす耳長の少年は本が大好きであったが、耳長で貧乏だった為、村の図書館を使うことができなかった。そんな少年は差別が存在しない本の都・アフツァックに行くことを夢見る。ある日、少年は憧れのアフツァックの図書館で働く司書(カフナ)と出会う。この司書との出会いが、少年の運命を大きく変えることに──。孤独な少年が未来を切り拓く、異世界ビブリオファンタジー堂々開幕!!
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