うん……やっぱり凄かった……あ、今『図書館の大魔術師』4巻読み終えたところです。
解説にかかります。
図書館の大魔術師【4巻あらすじ】
「第一章 少年の旅立ち編」が終わり、今巻から第二章に入ったところなわけであるが、時系列としては完全に3巻から直結で続いている。
というわけで、大図書館に再び向かうことになったシオが飛竜(とは呼ばないのかもしれないがそんなようなもの)に乗って飛んでいくところから、大図書館での見習いとしての暮らし(見習い期間は一年間続く)が始まり、そしてセドナ=ブルゥと再会するところまでが4巻となる。
図書館の大魔術師【4巻ネタバレ】
シオを大図書館まで送ってくれた竜であるが、セラーノ族という種族で、名前はヨウィー。常用動物なんぞではなく知的種族である。この世界での学説によると、人類誕生以前から存在し、人類に「智慧を授けた」種族であるとも言われているんだそうな。
そのヨウィーが、途中道草をして、「灰白色の世界」なる場所を見せてくれる。「今もなお大陸に残るニガヨモギの使者の傷跡」。霧に包まれていて、その中で人は生きられないが、灰白色の住人と呼ばれる独自の生態系が発達しているようだ。
で、本の都アフツァックに再びやってきたシオ、寮で暮らすことになる。同室の少年があと2人いる。ひとりは前の巻で出てきたアルフ=トラロケ。もう一人はスモモ=カヴィシマフという人懐っこいが女性恐怖症の少年。今巻で見た限りでは同期は男はこの三人だけで、あとはみんな女性のようである。3巻までに出てきたもと受験生たちはだいたい合格している。よってナチカもオウガもいる。
合格者たちはみんなすごい優秀なのだが、優秀な人間といえど横並びになってしまえばその場においては凡庸であるわけで、ノリはだいたい学校である。下は11歳から上は35歳までいるとはいえ、だいたいはみんな少年少女だ。
ただ、この35歳の人が問題である。名前が、ソフィ=シュイムだという。この作品の、架空の原作であるところの『風のカフナ』の著者とされている人物の名だ。もっとも、今巻ではそれ以上のことは分からない。
さて、新入生担当の先生方(当たり前だがかれらもみんなカフナ)が一通り紹介され、とりあえず力試しということで筆記テストを受けさせられるのだが、ここで問題が起きた。筆記が苦手な人間が合格者中で3人だけいたのだが、その一人がシオなのである。シオは落ち込む。
その後、新入生全員にアンケートがとられる。
「入りたい部署(大図書館には12の部署がある)を第三希望まで書き込め」というのである。
たいしたアンケートじゃないのだが、自分の考えがまとまらないシオはアンケートを白紙で出して新入生担当の責任者に呼び出される。そして、一年の見習い期間終了時点で成績が上から三番目までの三人は好きな部署に入れるのだが(あとはだいたい志望通りのところに行けるのは稀らしい)、その一人になるがいいとはっぱをかけられる。
その後、図書館の総責任者からのあいさつなどのあと、シオはセドナと再会する。で、むかし渡された本を返そうとするのだが、そのまま持っているように言われる。なかなか感動的な再会シーンなのだが、問題は彼らの会話自体ではなく、字の文の煽りだ。
「これが 後に世界の命運を握る二人―― 世界を護る英雄と 世界を滅ぼす魔王との 再会だったのです」。
ちなみにセドナの方が魔王になるらしい。えーっ!というところで、今巻は終わり。
図書館の大魔術師【4巻の感想】
正直この4巻、買ってからしばらく積んでいた。
ここまでの巻の解説を読んでいただいたみなさんならご理解頂けているかと思うが、この作品は筆者にとってほとんど現行一押しにも近い作品である。だからこそ積んでいた。あまりにも期待値が高すぎて、その期待を裏切られる可能性がかなり怖かったからである。
結論から言えば、杞憂であった。面白かったし、今後の壮大な展開に様々な期待を持たせてくれる展開であった。この先何十年も、この作品を愛読し続けられるといいなぁ。
図書館の大魔術師
アムンという小さな村に暮らす耳長の少年は本が大好きであったが、耳長で貧乏だった為、村の図書館を使うことができなかった。そんな少年は差別が存在しない本の都・アフツァックに行くことを夢見る。ある日、少年は憧れのアフツァックの図書館で働く司書(カフナ)と出会う。この司書との出会いが、少年の運命を大きく変えることに──。孤独な少年が未来を切り拓く、異世界ビブリオファンタジー堂々開幕!!
※移動先の電子書籍ストア「BookLive」にて検索窓に「図書館の大魔術師」と入力して絞り込み検索をすれば素早く作品を表示してくれます。
\\ NEXT //
✅ 図書館の大魔術師【5巻ネタバレ】ファンタジーらしからぬ重たいテーマが差し込まれていく!