とらドラ!(4)
著者 竹宮ゆゆこ / 絶叫 / ヤス
雑誌 電撃コミックス
出版社 KADOKAWA
ジャンル 青年漫画
おっぱいである。
……間違えた。4巻である。だが、おっぱいだ。この巻はおっぱいである。おっぱい巻なのだ。
アニメ界の用語で「水着回」というのがある。とらドラ!コミカライズ4巻は、まあ水着回だといえば水着回だ。とにかく延々と、話のフォーカスは水着と水泳にあてられている。だが何度も言うようだが、なかんずくおっぱいにフォーカスは絞られている。
とらドラ!【第4巻】あらすじ
これではわけがわからないと思うので物語を説明する。作中は夏になり、プールの授業が始まる。みんなで水着を買いに行ったりするわけだが、大河が悩んでいる。
貧乳だから、水着を着たくないのだ。
前年、自分の水着写真が学内に出回って、まあそれ自体はいいのだがそれに「哀れ乳」とコメントをしたやつがいたことを根に持っているのだ。
ふつう、こんな話に男の出る幕はないものだが、高須竜児という男は違う。「よし、俺に任せろ!」とか言い出す。ここまであまり言及してこなかったが、竜児は家事の達人である。裁縫までできる。その裁縫スキルでもって、竜児は大河の水着に偽乳を仕込むという作業を始めるのだ。普通、実の母親だとしてもそこまでしないんじゃないかと思うが、高須竜児というのはそういう男なのである。
で、作品は完成する。みんな、一年での大河の「成長」にびっくり仰天する。もっとも櫛枝だけは真相を見抜いて大河に「偽乳特戦隊」と耳打ちするのだが。
その後、すったもんだで、なぜか大河と亜美が「竜児を賭けて」水泳対決する、という流れになる。その結果はどうなるのかというとー。
3巻はこちら
とらドラ!【第4巻】ネタバレ
水泳対決の話をひとまずおいて、今巻の設定面での原作との対比について述べる。当たり前だが、この作品はコミカライズなので漫画であり、だが全年齢作品だからおっぱいをそのまま描いたりはしない。従って、大河は完全にぺったんこ、なものとして描かれている。
実は原作においては違う。原作には、大河の胸について、執拗なまでの描写がある。
「本来的には、多少ながら膨らみがないわけではない。だが、肉質が軟らかいので、水着のようなぴったりした衣装をまとうと、潰れてフラットになってしまうのだ」。
ヒロインのバストについてここまで詳細な設定をする原作者(ちなみに女性)も凄いが、この設定を丸暗記していてこうして書き起こせる筆者、つまりこの私もどうかと思う。
なお、水泳対決はいちおう、亜美が勝つのだが、終わり際に大河が「おまえらみんなばかばっかりだー!竜児は私のだ!誰も触るんじゃなーい!」という爆弾発言をかましたため、なんとなく流れ的にはうやむやになる。
竜児はこんなことを言われて大河を異性として意識しないほど鈍感でも朴念仁でもないのだが、結局、「えーと、あんなこと言ったけどあれはあんたが私の下僕だって意味だから。誤解しないで」とかなんとか言われて、丸め込まれる。ヘタレである。
そしてこの巻の終盤から、「旅行回」が始まる。
といったところで次巻に続く。
とらドラ!【第4巻】感想
何しろ前述の通り、水着回なので絶叫の神作画を遺憾なく堪能できる巻となっている。だが、一つだけ苦言を呈したい部分がある。
竜児が作る、大河の偽乳についてだ。
それが、このコミックス版では、大きいのである。ちょっとばかり、盛りすぎで、「いや、一年前にぺったんこだったことが分かってるのに一年でこんなになっていたらみんな疑うだろ」という絵面になってしまっている。
この部分についても、原作には詳しい設定がある。「竜児が作った偽乳は、過度な自己主張をせず、だが小さすぎもせず、『これくらいの成長なら、ぎりぎりでアリ』と見る人に信じさせる、完璧な仕上がりとなっていた」というものだ。
できればその、「完璧な仕上がり」を絶叫絵で鑑賞したかった。遺憾である。
さて、ここまであえて触れてこなかったが、この巻に、とらドラ!のシリーズを通じても最も重要なシーンの一つがある。どういうシーンかというと、またそれかという話なんだが、これもおっぱいである。
亜美が、ふざけて大河をプールに突き落とす。実は大河は泳げないので溺れる。いや、すぐ助けが入るわけだからそれはまあいいのだが、困ったことに、落ちたはずみに「偽乳」のパッドが取れてしまうのだ。それも片方だけ。
助けに飛び込んだ竜児は、そのことに気付く。このまま水面に浮上するわけにはいかない。だが、対策を練る猶予もない。とっさに竜児が取った手段は、「素手で、水着のパッドを、大河の胸元に直接押し込む」というものであった。
当然だが、一瞬、触れてしまう。触れられてしまう。大河は悶絶する。
あえて言おう!エロであると!
今巻がおっぱい巻だと冒頭から延々述べている理由がお分かりいただけたであろうか。
ちなみに、余談になるが、このシーンはアニメ版にもある。アニメ版の制作スタッフは、この、ほんの一瞬の、「竜児が大河の水着に手を突っ込むシーン」に何秒何カットを投じるか、物凄い心血を注いだそうだ。まったくもって、おっぱいに勝るものはないのである。
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