漫画「血の轍」第13巻をご紹介!
今回から新章へ突入である。舞台は学生だった頃から20年後。静一は既に36歳となっている。
静一の近況であったり…父親との関係性など描かれながら…大切な人が亡くなっていく。
生きる意味をようやく失った彼は人生を止めようとしていくが…納骨時にある人物と20年振りの邂逅。この出逢いが静一に何を与えていくのか…。
正直…かなり気の滅入る内容ですが何故か読んでしまう中毒性の高い漫画。鬱展開まっしぐら。静一にとっての本章が開幕していきます!
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血の轍【13巻】ネタバレ
109話ネタバレ
地元を離れて一人暮らししている静一。
夕方に起きて、髭を剃って簡単な食事をして仕事へ出掛けていく。
この話で静一が言葉を発する事はなく彼の心情だけが描かれていく。
110話ネタバレ
36歳の静一はパン工場にて働いている。休憩になると食堂でご飯。外人の同僚からタバコを貰えるかと催促されるがタバコを吸っていないので断る。
食事後はイチゴのヘタを延々と取る作業。そんな中…彼の意識の中では歪んだ人間が現れてくる。
仕事を終え、電車に乗って帰宅。お酒とツマミを食べて一息。携帯の履歴を見ると父親から沢山連絡が来ていた。父へ折り返して連絡する。
『ああ…静一…ひさしぶり』
父の用件は東京に立ち寄るから静一の家に寄ろうと思っていると。承諾する静一であった。
111話ネタバレ
寝ているとインターホン。
起きて対応すると訪問してきたのは父親であった。出張で東京に出てきたので静一に会いたかったと。
静一の部屋は汚部屋なので外に行こうと誘っていく。公園を歩いて、商店街を歩いて父親の誘いで居酒屋へ。
二人で居酒屋は初めてだと嬉しそうな父。酒とツマミを肴にしんみりと話していく。
『早かったような…長かったような…』
提供された食事を美味しそうに頬張る二人。父が切り出す。
『あいかわらず…ひとりなんかい?』
自分のような人間が誰かといられる訳がないと切り捨てる。それを聞いて何もしてやれなくて悪いと責任を感じる父親であった。
『こんな人間を見捨てないでいてくれただけで十分だよ』
食事も終えて駅まで父親を見送る。改札口を通る前に父が尋ねる。静子に会わなくてもいいのかと。
『どうでもいいよ…あたりまえだろ』
納得して改札口を通っていく父。静一は帰宅する道中…独り言。彼にはしげちゃんが見えているようでもうすぐでそちらに行くと伝えていく。
112話ネタバレ
仕事中…父親の言葉を思い出す静一。
脳裏で一瞬だが静子が過る。滑車で運んでいた荷物を離してしまってパンが飛散。上司にお説教を食らう静一。
仕事が終わって携帯を見ると知らない番号から複数回の着信。
掛け直すと病院であった。
用件を聞いてすぐに走り出していく静一。すぐに連絡のあった病院を訪れて受付へ。緊張してしまって吃音症状が発症。
案内を受けて病室へ向かうと呼吸器に繋がれている父親がいた。
113話ネタバレ
医者から父親の容態について説明を受ける静一。
病名は腸穿孔。今後の事も説明されて万が一も覚悟をしておいて欲しいと告げられる。
入院申込み書を記入しながら父との思い出が蘇る静一。事件の後、教護院に入っていた静一へ定期的に面会へ来てくれていた。
教護院を出ると静一は父と一緒に暮らしていた。
『出ていく…高校卒業したら東京行く』
本来は高校卒業で父親の会社の事務で働く予定だった静一。しかし、一人になりたい事を告げる。
卒業後、単身で東京に出てきた静一。父親の連絡もほとんど出ないで東京で生きていた。
114話ネタバレ
時間があれば父のお見舞い。そして仕事。そんな日常を過ごしていた静一。
『長部さん…お父さん…意識戻られましたよ』
目覚めた父と面会。
迷惑をかけた事を謝罪する父。もしもの時の為に用意している物が自宅の棚に入っているから使って欲しいと告げていく。
容態は安定してきたがまだ予断を許さない状況。医者も取り敢えずは様子見をしましょうと説明。
父に一旦帰る事を告げると手を握って欲しいと訴える父。
『申し訳なかったな』
その後、いつものように仕事。帰宅すると病院から連絡が入る。
115話ネタバレ
急いで病院へ向かう。
安らかな表情で息を引き取っていた父親。葬儀の人間が来て手続きをしていく。
遺体は一度、父の家へ。
葬儀場の人間である青木と今後の打ち合わせ。この手の事はまったくわからないので青木に相談。
『何かお父様のご意向などお聞きになっていないですか』
棚の事を思い出す。
伝えられた棚を見ると銀行の通帳と印鑑。そして封筒があった。
封筒の中にはお金と手紙。
『あの…これ読む間…ちょっと一人にしてもらえませんか』
察する葬儀の青木。
父の遺体を前にして手紙を読んでいく。そこには自分の死後の意向。さらに静一への懺悔。しげるの件で伯父伯母に8,000万円の賠償金を支払った事が書かれていた。
借金などはないので今後は静一の人生を歩んで欲しいと父親からの遺言。最後に父親の頼み。骨を故郷の墓に入れてほしいと。
さらに手紙の最後には…静子の連絡先が記されていた。
116話ネタバレ
住所や連絡先を見る前に手で隠す静一。静子の連絡先が記されている部分だけを切り捨てて線香で燃やしていく。
葬儀は静一だけで父を見送っていく。
『お父さん…さようなら』
別れを告げ火葬される。お骨を骨壺に入れ、葬儀場を後にしていく静一。空を見上げて思う。
『ひとり…やっとひとりになった』
静一の心情が明かされる。
彼が生きてきた理由は父親であった。しかし、父親のいなくなった今…静一は自身の人生も終わりにしようと思っていく。
『この骨を墓に納めたら僕のやるべきことはもう無い』
117話ネタバレ
父の故郷であり、静一の生まれ育った町へ骨壺を持ち向かう静一。
駅の改札を出て、タクシーを捕まえて寺へ。町の景色を見ながら学生時代の自身を思い返していく。
寺で供養して墓地へ。
長部家のお墓へ骨壷を入れる。最後にお墓へ手を合わせる静一。
『終わった』
空を見上げながら自分がどうやって社会からいなくなろうか考える。
そんな時…子供がぶつかってくる。
妹を追いかけてきた姉を見ると目を見開く静一。吹石そっくりだったのだ。呆然と立ち尽くす静一。
子供達の母親が遅れて現れる。
そこには36歳になった吹石の姿。向こうは静一に気づいていない様子。
『どうもすみませーん』
彼女から目の離せない静一。去っていく彼女を見つめてしまう。そして吹石も振り返って目が合う両者。ここで第13巻は終了。
血の轍【13巻】感想
読んでいて「いや~辛えわ」といった言葉がこぼれそうになる内容である。本当に虚無感を抱いてしまう。
父がいるから生きていた静一。
その父親も亡くなって解放された彼は人生を止めようとしていくが…最後に吹石との再会。彼女が静一に何をもたらすのか…。そして生きているであろう静子の存在。
今巻のあとがきにて今までは「序章」ここからが「本章」と記されている。
今後、静一の身に何が起こるのか…まったく予測不能である。
母親に翻弄され…人まで殺めてしまった静一。彼の今後の人生がどうなっていくのか…最後まで見届けたいと思える漫画である。
かなりの鬱漫画なので読む人を選ぶと思うが興味が出た人は是非、チェックしてみて欲しい。
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