JKハル、4巻である。
JKハルは異世界で娼婦になった【4巻】あらすじ
概略をいえばハルは娼婦らしく娼婦の暮らしをしているだけなのであるが、今巻の大筋としては三つ。
まず、例の雨の日にやってくるおじさまが、ハルをとうとう買ってくれる。おじさまは淡々としているが、ハルは超盛り上がる。
次。千葉とハルが大喧嘩の末に絶交へと至る。いや、喧嘩というのは適切ではないかもしれない。二人の道は交わらない、というか、根本的に見ている世界が違い過ぎることがとうとう浮き彫りになったというわけである。
最後。ハルの友人で仕事仲間のシラクサという女、兵士と付き合っていたのだが、彼女が軍の慰問に呼ばれたまま、帰ってこない。その事実が明らかになったところで、次巻に続く。
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JKハルは異世界で娼婦になった【4巻】ネタバレ
まずは前巻で出てきた凶面のおっさんと部下たちの現状からである。店には頻繁に来るのだが、やたら威張っているし明らかに遊び方のマナーは悪くなった。もっとも、金は払う。嫌な連中ではあるが、店の儲けにはなっている。しかし、シラクサさんは彼氏に呼ばれなくなったとかで落ち込んでいる。
兵隊たちとちょっとしたトラブルが持ち上がったある晩、そこに偶然雨の日のおじさま（今巻でも名前や素性は不明なまま）がやってきて、その場は鎮まる（別に切ったはったがあったわけではないが）
で、おじさまのテーブルにはハルがつくのだが、ふたつ重要なことが明らかになる。まず、ハルはなんと異世界渡りの人間であることをおじさまに見抜かれてしまう。まあ、そんなに珍しいものではないらしいからな。「もしかしてあなたも？」と言うハルに、おじさまは「いや、自分はこの世界の生まれだ」という。いまだに正体不明。いや、なんとなく察しはつくけどさ。
で、ハルは「二階に行きませんか？」と直撃するのだが、ここでとんでもないことが明らかになる。おじさまは、この店が「そういう店」であることをつゆ知らず、ただの酒場だと思って通っていたらしいのだ。
で、説明され、ハルから「代金はあたしが持ちます」とまで言われ、あまり気乗りしている風ではないがハルと二階に行く。
ハルは興奮の絶頂である。めちゃくちゃテンション高い。結果的には最高だった。盛り上がっていたのはハルだけらしいが。
ちなみに彼がいうには、「異世界人に遭遇するのは初めてではないが、自分に抱かれたいと言った異世界人は初めてだ」とのこと。
その後。千葉が落ち込んでいる。なんでも、これ以上強くはなれないというレベル上限に達してしまって、成長が頭打ちになったのだそうである。努力せずに楽にチートできて無双、みたいなことを楽しんでいたのだが、それが限界にきたらしい。ハルは千葉のそういうところが嫌いである。
しかし、ハルはハルで、かつて教室のスクールカーストに君臨して千葉のような奴を見下していた自分、という幻想にいまだにしがみついているようなところがある。千葉に向かって「キモオタ」と言い放ったのが二人の関係にとって致命打となった。千葉は本気で怒るのだが、それに対してもハルは「キモい」としか思わない。
ぎりぎりのところで保たれていた二人の友人関係はこれで崩壊したのであった。
さて。シラクサさんである。彼氏のつてで軍の慰問に招かれ、そのまま帰ってこない。何があったのか不明だが、ものすごい不穏なものを感じさせつつ、ひいて終わる、
JKハルは異世界で娼婦になった【4巻】感想
実は筆者、原作小説をぱら読みしたことがあるのでこの先の展開は知っている。だから次巻で完結かな？ただ、5巻予告（2021年冬発売）には完結とは書いてない。伸びても6巻までだと思うが。
この作品は発表された当時、世に蔓延（はびこ）る異世界チート小説に対するアンチテーゼとして受け止められていた。その性質がはっきりと示されるのが今巻である。ただ、ハルは千葉のようなやつが嫌いだが、そのハルの性質も無条件で肯定されているわけではない。ハルに対して叩きつけられる千葉の言葉にそれは込められている。
基本的にこの作品は暗い。良くも悪くも、それが作品の本質なのだと思う。
JKハルは異世界で娼婦になった
どこにでもいる普通の女子高生・小山ハルは、ある日交通事故に遭い、気づいたときには異世界に転移していた。チート能力も授けられず、男しか冒険者になれない状況で、ハルは酒場兼娼館『夜想の青猫亭』で働くことを決意する。同じく現代から転移した同級生・千葉セイジ、娼館で働く女性たちやハルに想いを寄せるスモーブとの出会いを経て、異世界に溶け込み初めたハルを待ち受ける運命とは……。Web上に掲載され、絶賛を受けた異色の異世界転生小説がついにコミカライズ！
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