最初にどうでもいいようなネタバレをすると、今回はピスタチオヤクザが出てこない。回想シーンでほんの少し姿を見せるのと、台詞の中に名前が出てくるだけである。個人的にはけっこう気に入っているキャラなので残念。
漫画「夢で見たあの子のために」3巻あらすじ
死んだはずだったけど2巻の終わりで生きていたのかな?という情報が出てきた主人公・千里の双子の兄・一登、やっぱり生きていたらしい。
しかも、殺した犯人だと思われていた例の「火の男」とつるみ、殺し屋をやっているらしい。といったような謎を追っていくのがこの巻の見どころである。
漫画「夢で見たあの子のために」3巻ネタバレ
ところで千里は恵南を連れて故郷を訪れていたわけであるが、何をしているのかというと探していた手がかりがあったのである。父親(火の男に殺された人)の残した遺品の手帳だ。廃屋になっていた千里の昔の家に露骨に胡散臭い隠し方で隠してあったのを回収し、内容は良くわからないのであとで解読してみようということになる。
さて、で、うちに帰るのだが、恵南は気付いていないものの千里は「何か様子がおかしい」ということに既に気付いている。生きていたのはいいが、何かヤバい橋を渡っているのではないか?という予感だ。その予感はさっそく当たる。例の闇金、百宮金融で強盗殺人が起こったのであるが、その犯人がどうも一登であるらしいのである。
そんなこんなで考え事をしながら歩いていたら襲撃を受けた。犯人はいつぞやの「金貸し」の片割れである。もう片方は強盗殺人で殺された張本人であるらしい。なぜ襲われたかというと、人違いをされているのである。「鼠」と「三ツ目」と呼ばれる悪党の、三ツ目の方と。
コミュニケーションが通じないほど凶暴な相手でもないので、色々情報交換をする。ネズミは腕に「火」の傷があり、三ツ目は千里と瓜二つなのだそうだ。誰なのかについてはもう書くまでもないだろう。千里は正直に、自分はそいつらの仲間ではないがそいつらを探している、という話をする。
そしてもう一点、重要な情報。三ツ目は、犯行現場にとあるマークを残して行くという。それを見た者はみな「A」のマークだと思う。金貸しから得られた情報はここまでである。千里はあることに気付く。ちなみに恵南に見せたら恵南もすぐ気付く。これは、「A」ではなく、「鉄塔」の絵なのだと。つまり、一登は何らかのメッセージとして、鉄塔の絵を犯行現場に残しているのだ。
ところで今巻から重要人物として浮上してくるキャラクターが数人いる。簡単に言うと刑事である。十三年前の事件の担当だった、今は偉くなっている刑事と、その部下だ。どうも、警察は警察で、三ツ目と呼ばれる殺し屋のことを追っているらしいのである。刑事たちもなかなか一筋縄ではいかないような感じだ。
今巻では、千里が感じる視覚共有が幻覚や夢などではないことを証明するために、見えた犯行現場に実際に殺人の痕跡があることを確かめに行ったり、そこから足がついて正体不明の覆面の数人組に襲撃されたり、三バカが熱い友情パワーを見せて千里を助けようとしたり(三人とも半殺しにされるのだが)、サスペンス的展開が続く。
漫画「夢で見たあの子のために」3巻の感想
ふつーに面白い。ケレン味のある漫画ではないが、とにかくふつーに面白いのである。先が気になる。まだ出てないからどうしようもないが、完結巻まで並べて置いてあったら最後までぐいぐい読まされてしまう、そんな感じだ。
この物語の魅力は謎の構成そのものよりも、それを追っていく推理の流れと、一癖も二癖もある登場人物たちの裏も表もありまくる駆け引きにあるように思う。では、また次巻で。
夢で見たあの子のために
幼少期に家族を惨殺された中條千里は、ただ復讐を果たすためだけに生きている。生活の全て、学校の全て、復讐という目的を果たすのに必要な力とお金を得るため、自分が汚れるのも厭わない…。心配する幼馴染み、残された肉親の思いも振り切って果たそうとする、人生の全てを懸けた復讐劇の先にあるものは、果たして千里に何をもたらすのだろうか?メディアミックスで話題になった「僕だけがいない街」の著者が新たに紡ぎ出すヒューマン・サスペンスがここに開幕する!!
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