今巻で完結ではなかった『夢で見たあの子のために』7巻である。あと、ピスタチオヤクザが久々に多めの出番で出てくる。
夢で見たあの子のために【7巻】あらすじ
今巻では「新しい事件」のようなものは起こらない。さまざまな人との情報交換、情報収集が展開され、そして一登に関する重要な過去が明かされる回である。
新展開ではないが大きな新情報。実は一登には過去に恋人がいて、それはいいのだが子供がいるのだという。ただし女は既に死んでいる。
夢で見たあの子のために【7巻】ネタバレ
では詳細な説明に移ろう。ちなみに、登場人物同士での情報共有メインの巻なので、過去の巻の紹介で説明した話が重複して出てくるが、ご容赦願いたい。
まずは前巻ラストの続き、火の男の「偽者」と、その妻子と話すところからである。
彼は裏社会に繋がっている私立探偵というのが本業で、何者かに火の男を探すよう依頼を受け、探しているうちに火の男に妻子をさらわれ、脅迫されていたのだという。もっとも、依頼してきたのも火の男自身であるらしい。
その妻と娘からは一登の現状に関する情報が得られる。曰く、すごく優しかった、とても悲しい目をした人だった、とのこと。
もろもろ推測すると、火の男は千里にその「偽者」を殺させ、脅迫し、自分の新しい手下にすることを企んでいたらしい。それを邪魔したのは一登である。どうも火の男と一登の協力関係にはヒビが入っているようだ。
このあとのシーンで、よくわからない伏線のようなものが示される。刑事の若園(男)がシャワーを浴びているのだが、右腕というか肩のあたりに「火」の形の傷があるのである。どういうこと?それ以上これについて今巻で説明はない。
さて次のシーン、千里は学校に戻っている。
そして板倉という少年(初期の巻で出てきた、ピスタチオの組のボンそのひと)と接触し、ピスタチオと話をするためのわたりをつけてもらう。板倉は「巻き上げた400万の金のことでまだ恨まれている」と思っているので、今更そんなことはどうでもいいと思っている千里との間に認識の齟齬があり、微妙に変な顔をしている。
そして三バカ、若園と情報交換・共有をしたあと、千里はピスタチオに会いに行く。今回の接触は長い。まず、ピスタチオから「偽者」の件で(殺さなかった、ということで)礼を言われる。ピスタチオの組ともつながりのある男だったらしい。
そして、これもだいぶ前に出てきた、ピスタチオが第一発見者になった殺人事件のことを教えられる。これは火の男や一登の犯行ではなく、何者か「模倣犯」の犯行であるらしい、という。
さらに千里はピスタチオに、自分と一登が意識の共有をしていることまで話す。他人には荒唐無稽な話だが、ピスタチオは信じてくれた。で、情報の提供に対して礼を言う千里に対し、ヤクザが貸しを作るのは商売のうちだ、みたいなことをうそぶいてとりあえずは去っていく。
場面変わって、一登の回想シーン。彼はずっと火の男と暮らしていたわけではなく、一人暮らしをしていた時期があった。
そのころ、簡潔に説明するが恋人ができ、一夜を共にした。その一夜で女は失踪していたのだが、再会した直後、女は凶漢に殺された。女の残した情報をたどっていくと、一登とその女の間の赤ん坊が発見された、というわけである。
夢で見たあの子のために【7巻】感想
筆者の好きなピスタチオヤクザが重要な役回りで出てきたうえにまた出てきそうな塩梅である。しばらくなりをひそめていたのに。
さて、新たな謎も出てきたし、さすがに次巻完結という雰囲気ではなくなったような気はする。とりあえず大きな問題は「模倣犯」の件であろうか。
といったところで、今巻の紹介はここまで。
夢で見たあの子のために
幼少期に家族を惨殺された中條千里は、ただ復讐を果たすためだけに生きている。生活の全て、学校の全て、復讐という目的を果たすのに必要な力とお金を得るため、自分が汚れるのも厭わない…。心配する幼馴染み、残された肉親の思いも振り切って果たそうとする、人生の全てを懸けた復讐劇の先にあるものは、果たして千里に何をもたらすのだろうか?メディアミックスで話題になった「僕だけがいない街」の著者が新たに紡ぎ出すヒューマン・サスペンスがここに開幕する!!
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