そこらへんの異世界ファンタジーよりはるかに「異世界に迷い込んでる」感の強い『貞操逆転世界』、第4巻である。
貞操逆転世界【4巻】あらすじ
舞台が冬で、冬ネタ(クリスマスやら正月やら)が延々続くというだけで、特に通しで展開していくストーリーみたいなものがあるわけではない感じでだらだら続いていく。貞操逆転世界は貞操が逆転しているだけで、おおむね平和である。
なので各話タイトルとかついてないのだけど抜き書きで紹介していこうと思う。
貞操逆転世界【4巻】ネタバレ
瓜杉君(異世界に迷い込んだ男の子。普通の性欲を持った普通の男子高校生)が、エロ本の入手に悩んでいる。売春をたしなんでいて客は二人いるが(逆に言うとあの二人以外に客は取っていないらしい。あんまり増やすと露見のリスクが増すし、何より身が持たないということで)、毎日毎日客の相手をしているわけじゃないし、エロ本でひとりでたしなみたいときもある。というわけで貞操逆転世界の男向け(元の世界でいえば女性向け)エロ本などを買ってくるのだが、なんか趣がおかしい。少なくとも「逆」ではない。なんか変だ。
で、がんばっていろいろ探してみた結果、この世界ではゲテモノ扱いされている「女性同性愛もの」と、「男に化けている女」が主役のエロ本なら悪くない感じだ、ということを発見するのであった。
別の話。瓜杉の客ふたり(主人公の友人たち)が、クリスマスはどちらが瓜杉を買うかで悩んでいる。主人公は「正月とクリスマスで分け合えば?」と提案する。なるほど!となるのだが、瓜杉に聞いてみたら「冬休みは帰省」だそうである。友人同士で遊ぶことになった。ちゃんちゃん。
んでクリスマス。お菓子とか作って遊ぶだけなんだけど、「クリスマスの街をイルミネーションで飾ることを最初に思い付いたのはアメリカ合衆国の(自称)皇帝、ジョシュア・ノートンであるという小ネタが挟まれている。え、それマジ?それだけのことなんだけど、気になる。
さて瓜杉君は帰省している。故郷は北国らしい。故郷が北国であることは元の世界と変わらないし、親も同じ人物(少なくとも見た目は同じ)であるらしい。
実は瓜杉君、異世界転移してくるときにひと騒動あったので、親は医者から「何か未知の問題があるかもしれないので注意深く観察していてください」とか言われている。で、瓜杉が一人で部屋で「異世界から来てこの世界で暮らしているけどどうちゃらこうちゃら」って言ってたら、聞かれた。
聞いていたのである。聞かれてしまったのである。これがあとに続く伏線なのか、そうでないのかはよくわからない。
主人公の話あんまりしてないな。正月に晴着を着て初詣に行くのだが、この世界の女たちはセックスのことばかり考えていてあんまり着飾ったりすることに興味がないので(われわれの世界の男性たちよりもはるかに、だ)割と浮いてしまう。まあそれもいつものことなのだが。
貞操逆転世界【4巻】感想
天原氏は多作で、ほかに作品がいくらもあるのであまり違和感はないのだがこの作品はわりと刊行ペースが遅い感じである。だからといって続きが書かれていないわけではなく、次の巻もちゃんと出るという旨があとがきページに述べられてはいるのだが。
この作品、もう謎や伏線の類はほとんどなく、はっきりいってしまえば大いなるマンネリの流れの中にあるのだが、これだけ書いて、そしてあれだけほかにも作品があって、ネタ切れ感というのがまったくないのがいやまったく本当に恐ろしい……。
この作者(原作者)よりすごい漫画を描く人はいるかもしれないが、この作者より引き出しの多い作者は世界のどこを探してももういないんじゃないか?というような気がしてくるほどですよ。
まあ、次はこれの5巻ではなく同原作者の別作品の紹介という形になるとは思うが、またそちらで。
貞操逆転世界
なんだか最近世界がおかしい。市川桃奈が病院で目覚めるとそこは男女の貞操観念だけが逆転した世界だった。下ネタで盛り上がる女子高生、女性向け店舗ばかりの風俗街、トップレスの女芸人が出演する地上波にもっこりハイレグのイケメンがジョッキを掲げるビールの看板……。
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