血の轍 8巻ネタバレ感想

血の轍(8巻)

押見修造先生が描く究極の毒親ヒューマンドラマ漫画「血の轍」最新刊となる第8巻

毎度のことですが、今回も驚くような息の詰まる描写の数々が満載です。そして完全に静子の手のひらの上で転がされていく静一。そんな中、義姉であり伯母でもある彼女が静子を徹底的に疑い出していきます。

容態が回復したしげるの証言によって真実が明るみになってきた崖の上の出来事。8巻の終盤…伯母に問い詰められていく静子は遂に自分の罪を白状する事態へ…!?

静一が闇堕ちしたり、静子も異常性が滲み出る注目の内容です!

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血の轍

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血の轍(7巻)

血の轍【8巻ネタバレ】

60話ネタバレ

義姉宅での一悶着があり、バスで帰路へつく静子と静一。

静子は静一にしげるを突き落とした事を打ち明けようとしていた事を明かす。しかし、静一が義姉に楯突いたので言うに言えなかったと静子。それを聞いて謝る静一。

『どうして謝るん?パパみたいだなんて、ゆってごめんね』

静子は静一に感謝の言葉を述べていく。自分の気持ちを代弁してくれてありがとうと…。涙を流し静一を褒める静子。そして2人はバスの中で涙を流しながら抱き合っていく。

自宅に戻り、父親が帰宅してくる。
2人の楽しげな様子…そして静一の冷めた目を見て父親が怒りを露わにしていく。

『何なんなん?もう…やだよ…オレはもう、やだよこんな家!』

出ていった父親を2人で笑い合う静子と静一。

61話ネタバレ

翌日、寝ている静一を起こしにやってくる静子。彼に抱きついて朝ごはんは何がいいと尋ねていく静子。ぎゅっと抱きしめて恋人のような2人。

朝食を食べながら静子が口を開いていく。

『このままずーーーっと、2人きりで行こうね』

笑顔でうなずく静一。
そして学校。静一はトイレで小便。手を洗いながら鏡に向かってニンマリと笑顔を作っていく。そこに友人の3人組が現れる。3人は静一の髪型をセットしてあげると言って静一の髪を水で濡らしながら勝手にセットしていく。

それなりに格好よく決まっていく静一の髪型。

しかし、ヘアセットしている友人の一人・小倉を見ていると彼の姿がしげるとシンクロしていく静一。最後は過去に見た猫の死体…その顔がしげるの顔に思い返されていく…。

同時に完成されていく静一の髪型。

62話ネタバレ

ヘアセット完成。小倉は感想を求めていく。

背後を振り返って友人3人を見遣る静一であったが、彼の目には3人が残像のように見えていた。感想を求めてくる3人。

すると突如…
静一が小倉の顔面を殴っていく。眼鏡も割れて痛みでうずくまっていく小倉。サイコパス的な表情でそのまま膝蹴りを顔面に入れていく静一。

他、友人2人が止めに入るも静一は小倉に馬乗り。そのまま殴打を繰り返していく。

『どいつもこいつも…死んでるくせに…』

意味不明な言葉を呟きつつ、小倉を殴打し続けていく静一。やがて先生がやってくる。ようやく手を止めて我に返る静一。

その後、教室で待機させられる静一。
先生が訪れると小倉の容態を伝えていく。眼鏡の破片がもう少しで眼球に刺さるところであった。大惨事になっていく事を告げられた静一。

『先生…僕はどうしてなぐっちゃんたんですかね?』

先生も静一の言葉に驚く。
そして今から小倉と小倉母。そして静一の母・静子が来るから反省を見せろと伝えていく先生。

63話ネタバレ

小倉と母親が訪れる。
先生はだんまりしている静一に声をかけていく。

『小倉君に言うことないん?』

『…お母さんが来るまで何も言えないです』

頑なに母親が来るまでだんまりを決め込んでいく静一。そこへ小倉の母親が口を開いていく。面識があるのか…小倉母は大人しくて真面目な静一が今回のような行動を起こしたことに驚きと心配の声をかけていく。

そして訪れる静一の母・静子。
扉をあけて一番。彼女は地面に膝をつけて深々と頭を下げて、謝罪をしていく。そして席について一瞬だが静一とアイコンタクトを取る静子。

小倉へ暴力した理由を語っていく静一。
3人に髪の毛を濡らされて…と語る静一。その後の発言に耳を疑っていく先生や小倉、小倉母。

『だから…僕は死んでるくせに…みんな全部死んでるくせにって思って…』

『どうだっていい…どうせまぼろしだからゴミだから…だからなぐった』

静一の理解不能な動機に驚く3人。
静子が口を開いていく。静一がおかしくなったのはクラスメイトである吹石由衣子のせいであると伝えていく静子。

静子は吹石を悪者にして静一をたぶらかしていたと先生に伝えていく。そのせいで息子の心が荒れたと…。

『そうだいね?静ちゃん』

『はい』

やり取りを見ていた小倉母。この2人の異常性に気づいたような表情をしていく。

64話ネタバレ

面談も終わる。
静子は吹石と静一が別々のクラスになるように提案をしていた。それについては吹石の方の親とも話し合って決めると語っていく先生。

先に静一と静子を帰られせていく。先生は残って小倉達ともう少しを話をすると…。

帰る中、ふと背後を見遣る静一。
彼の目には先生、小倉母が冷たい目でこちらを見ており、自分達の陰口を叩いているように見えていた。

帰路につく中、静子に謝る静一。
静子は怒っておらず、それより静一の意味不明な言葉に興味を持っていた。そして言葉の真意を尋ねていく。

『僕…僕は…』

口を開こうとすると静子が話し出す。
自分も中学生の時から同じ事を考えていると明かす静子。ママの気持ち…僕わかるよ…伝える静一。静子は寄り道して帰ろうと提案。

静子に着いていき、高台に到着。
高台から見える景色に反吐が出ると語る静子。同時にこの高台には静一が小さい頃によく散歩に来ていた事を明かす。

『おぼえてるよ…』

涙を流していく静一。泣いている理由を問われる静一であったが自分でもわからない。ただ哀しくって…そう答えていく。そんな静一を抱きしめる静子。

そして「ある道」の事を思い出してく静一。
それは猫の死体を見つけた道であった。行ってみようと提案する静一であったが…。

『そうだっけ…それはママ忘れちゃったい…もう帰るんべ…寒いから』

65話ネタバレ

一週間が経過する。
父親はまだ帰ってきておらず静子と2人で暮らす静一。

学校へ登校すると顔に傷を負っている吹石の姿。そして静一の机の中には2人の関係を象徴する嫌がらせの絵が置かれていた。静一を見ながら、ほくそ笑む小倉達。

昼休み。
階段の踊り場で時間が過ぎるのを待つ静一。下の階の踊り場を見ると吹石がいた。様子を見ていると彼女に近づく男が一人。佐々木といった男子生徒。

『お父さんになぐられたん?ほんとに…許せねんな…長部』

『吹石をこんな目に遭わせて…オレが吹石を守るよ』

2人が唇を重ねる場面を目撃してしまう静一。
下校…帰路につく中、一台の車が静一の前に止まる。義姉(しげるの母)であった。送っていくから車に乗りな〜と伝えていく義姉。

66話ネタバレ

義姉の車に嫌々ながら乗り込んでいく静一。
車が向かう方向は自宅ではなかった。疑問に思った静一。

『ちょっと寄り道して行こうか』

『おばちゃん、静ちゃんに聞きたいことがあって来たん』

義姉は明かします。
息子・しげるの容態が良くなって崖の上で何が起きたか語ってくれたと…。しげると静子は言っている事が違うと明かす義姉。

『静ちゃんは見てたんだいね?本当のこと教えてくれる?』

ママは嘘をついていない…そう切り返す静一でしたが『本当に?』と真顔で答えていく義姉の表情を見て固まる静一。そして義姉は昔から静一の事が心配だった事を明かします。

理由は一つ。
静子の行動が異常だったから。静一に対する静子の行動がおかしいと常に思っていた義姉。そして小さい頃の話を切り出していきます。3歳ぐらいの時に静一が怪我をしていた時があったと…。

『ママに何かされたんじゃない?』

静一の脳裏に道端で死んでいる猫の死体。猫を触る静一の手は怪我をしていました。震えだす静一を見て守るから本当の事を教えて欲しいと訴える義姉。

しかし、静一は突然、運転している義姉の腕を掴んでいきます。うるさい…うるさいと大声をあげる静一。危険を察知した義姉。怒りを露わにしていきます。

『やめな…この…ひとごろし親子!』

車が停まると同時に逃げるように飛び出していく静一。

67話ネタバレ

自宅につくと玄関では静子が待っていました。また吹石と会っていたのではないかと勘ぐる静子。静一は義姉との出来事を明かしていきます。

送ってやるからと言われて騙されて問い詰められたと明かす静一。そしてしげるが崖の上の事を喋ったと明かしていきます。

『つきとばされたって…言ったんだって。ママに…』

僕らの事をひとごろし親子だと叫んだ事も明かす静一。それを聞いた静子は満面の笑み。

『それで?それだけ?』

静一の脳裏には幼い日の出来事が脳裏に浮かびます。そして3歳の時に怪我をしていた事を伝えられたと明かす静一。静子は一度、目線を逸して口を開いていきます。

喜びながら『いつ警察が来るのか…やっと家から出ていける』などと嬉しそうに言葉を出していく静子。

『あーーー楽しみ!うふふふふっ』

静子は質問していきます。
自分がいなくなったら静一はパパたちと生きていけるのか?

涙が流しながら嫌だと語る静一。もしママが悪者にされたら僕はあいつらを許さないと言葉にする静一。静子は今までの苦悩を静一に明かしていきます。

『ぜんぶゆるせないの…だから消えちゃうしかないの。私は…』

『ママが消えちゃうなら…僕も一緒に消える』

68話ネタバレ

冬休みに突入する前日。
静一は学校の教室にいながら心ここにあらず。静子が警察に捕まっていくイメージが脳裏に湧いていく。自宅に帰る中…。

『どうにかしないと…早く』

ブツブツと呟きながら帰る静一。そして家に到着すると義姉の車が駐車場に停まっている事に気づく。急いで家に入っていく静一。そこには静一の両親。しげるの両親が訪れていた。荒々しい顔つきの義姉。

『出てけ!出てけよ!』

『やめて静一。もういいから』

義姉が尋ねていく。
あなたがしげるを崖から突き落としたのかと…。それはあり得ないと仲裁に入る父親。

その後、晴れやかな表情で口を開く静子。

『そうだよ、私が落としたん』

絶望を感じるような表情になっていく静一。ここで第8巻は終了。

血の轍【8巻の感想】

血の轍(8巻)

今回も息が詰まる描写の数々…。凄まじい…。これは漫画を読まないと味わえない感覚なので是非、漫画を手に取って読んでみて欲しい!

そして今回わかった事がある。静一は3歳の時…静子に何かしらの罰を受けていた…!?何やら静一の奥底に眠るトラウマになっている模様。

そして8巻の巻末に「おまけ絵」的に描かれているが静子には妹らしき人物がいる模様。今後、物語に大きく関わってくる雰囲気ありありですね。

今後は静一の過去、そして静子の過去が明かされていくのでしょうか。怖いけど読みたくなってしまう漫画。ここ一番で衝撃を受けた漫画なので興味が出た人は是非、チェックしてみてください☆彡


血の轍

血の轍

原作・著者押見修造
価格660円

「惡の華」「ハピネス」「ぼくは麻理のなか」「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」など、傑作を次々と世に送り出してきた鬼才・押見修造氏が、ついに辿り着いたテーマ「毒親」!母・静子からたっぷりの愛情を注がれ、平穏な日常を送る中学二年生の長部静一。しかし、ある夏の日、その穏やかな家庭は激変する。母・静子によって。狂瀾の奈落へと!読む者の目を釘付けにせずにはおけない、渾身の最新作!!

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