青春のアフター、無事完結、最終4巻である。……といっても実はこの後に続く、作者自身によるアフターエピソード公式同人誌「青春のアフターIF」(同人誌なので電子書籍版はありません)というのがあるのだが、それについてはここでこうして紹介するに留めるとする。
漫画「青春のアフター」4巻のあらすじ
3巻の結びで、さくらはまことに飛びついてキスをし、そのまま二人で湖に転落するわけだが、普通に浮かび上がってきて車で宿に戻る。
その間、みい子はずっと号泣している。
翌日。まことはさくらとデートすることになる。みい子公認で。さくらとみい子とで何がしかを話し合った(会話の内容は描かれない)結果として、そうすることになったらしい。
さくらはまことへの恋愛感情を隠すことがなくなり、ラブラブ状態である。好感度MAX。だが、まことは困惑している。で、一日中デートした後でだが、結局はまたさくらを突き放すようなことを言ってしまう。
ところが帰り際。
倉橋と合流したまことたちの前に、もう一人のさくらが姿を現す。そして叫ぶ。
「まこと!その女から離れて!そいつ、私じゃない!」
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漫画「青春のアフター」4巻のネタバレ・結末
表記がややこしいので、便宜上、デートした方のさくらを「梅子」と呼ぶことにする。
梅子は、デートの前日の夕方くらいから、さくらが小間隔のタイムスリップを起こしたタイミングを狙って、成り代わっていたのであった。湖に一緒に落ちたのも梅子である。
梅子は、さくらが現れて叫んだとき、にやりと笑って、まことを車道の走る車の前に蹴り出す。さくらはまことを追って一緒に車に飛び込み、2人でタイムスリップを起こす。
飛んだ先は、さらに16年後の未来。まことは車にはねられたショックで記憶喪失になり、高校の頃、さくらに告白した時点以降の記憶を失ってしまう。
2人はそのまま、ぎこちない同居生活を始める。(ちなみに元々旅行に来ていたので、ここは外国である)
数か月が過ぎる。そりゃあ数か月も、好き合う男女で一つ屋根の下で暮らしていれば、そういうことも起こる。
というわけで、2人は結ばれる。のだが……その後まもなく、まことが記憶を取り戻してしまう。
何はともあれ南の島でこのまま自堕落に同棲しているわけにはいかない。日本に帰ることになる。そして、まことがみい子と一緒に暮らしていたアパートにやってくる。
まことは、「ここにはもういないと思うけど、ちょっと様子を見てくる」と言って、いったんさくらと別れる。
みい子は、待っていた。16年間。まことが耐えられなかった時間を。ずっと。一人で。
まことの下へと走るみい子と、さくらはすれ違う。そして、全てを悟る。まあ端的にいえば、自身の恋の敗北をだ。
そして、まことはみい子とやり直す道を選ぶ。
さくらはといえば……再び時を遡り、「岸田梅子」という存在になる道を選ぶのである。
これで終わり。これはハッピーエンドではない、と、作者自身が明記している。
漫画「青春のアフター」4巻の感想
やっぱり梅子の正体は未来の時間軸のさくらでした。はい。
梅子となった後のさくらの執念を思うと、なんというか、ほんと壮絶極まりない物語であると思う。
さて。
作者のあとがきに書いてあるのだが、この物語は、旧作(明記はされていないが、以前紹介した『こいのことば』のことと見てまず間違いない)からのテーマを一部引き継いでいるのだそうだ。
『こいのことば』では、いつか来るかもしれないハッピーエンドを願うことで強くなれる男を描いたが、今度は、ハッピーエンドを願い続けた結果、どうしようもなく弱くなってしまった人間を描いた、のだそうである。
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いやー。世の中にはまだまだ恐ろしいストーリーテラーがいるものだと痛感させられた。
ちなみに緑のルーペ氏の作品はまだまだ沢山存在するのだが、いずれも電子書籍になっていないか、18禁コミックであるかのどちらかであるので、現状では紹介できる作品はここまでとなる。
また(一般作の)新作でも出たら是非ご紹介したいと思う。
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✅ 漫画「青春のアフターIF」ネタバレ感想!まさかの同人誌版が電子書籍で発売!