同タイトルの小説を原作としたコミカライズである。全3巻。原作は読んでいないしそんなに詳しく知っているわけでもないがかなり売れた小説で、映画化(実写)もされている。らしい。
罪の声【1巻】あらすじ
一言でいえば『グリコ・森永事件』に題材をとった、これ自体は架空の話であるが実話ベースの推理小説がもとになっている。
主人公は日本で店を構える日本人のテーラー(服屋)で、それはいいのだがだいぶ前に亡くなった父の遺品をちょっとしたことで漁っていたら、「ギンガ・萬堂事件」(グリコ森永事件をモチーフにした、この作中での架空事件名)に関連する資料が出てきた。そこから、主人公はこの事件の謎に興味を示し、追及していくことになるという筋書きである。
罪の声【1巻】ネタバレ
ギンガ・萬堂事件じたいは作中でも三十年前の事件(時効成立済み)であり、物語は平成27年から始まる(別にその年代に意味が格別ある感じではなく、多分執筆された時期に近いのではないかと思われる)。
主人公の名前は俊也。たまたま祖母がどうってことのない病気で入院して、古いアルバムを持ってきてくれとかなんとか言われたので父(だいぶ前に死んでいる)の遺品を漁っていたら、よく分からないメモ帳と、古いテープレコーダー(若い人は知らないかもしれませんが、CDの前にはそういうものが録音メディアとして普及していたんです)が出てきた。何の気なしに中身を聴いてみたら、なんとびっくり、ギンガ・萬堂事件で犯人が脅迫電話に使った音声そのものの録音テープであり、そして、その声の主は自分自身であったのである。
つまり、俊也が子供の頃に事件は起きたわけだが、俊也は実はまったく知らなかったがその事件に何らかの形で関わっていたというわけだ。ここまでは確定事項である。
さて、では俊也の父(ちなみに俊也の店の先代でもある)光雄こそが、ギンガ・萬堂事件の真犯人であったのか?
結論から言ってしまうとこの巻ではその点は明らかにはならんのだが、俊也は真っ先に当然それを疑う。人物像からして考えにくい、というのだが、とにかく調べてみなければならない。そこで、父の古い知人を辿って、情報収集を始める。
一方、もう一人、俊也の知人でもなんでもないのだが独自のルートで事件のことを追っている(というか、上司から命令されて調査させられている記者というのが出てくる。阿久津という名前。
阿久津は「ギンガ・萬堂事件」の四か月前に英国で起きた類似事件について調べるためにロンドンに行かされる。そこで「その事件に関わっていると疑われ、スコットランドヤードやMI6に追われていた中国人」というのが居たという情報を得、その中国人と付き合っていたという英国人の老婦人に会いに行く。
が、老婦人は「そんな中国人は知らない」と言い切る。阿久津の調査は暗礁に乗り上げる。
一方、俊也はつてをたどり、「自分の祖父がむかしギンガに勤めていたが非業の死を遂げた」「光雄はそのことについて諦めていたが、会ったこともない叔父がギンガに対して恨みを抱いていて、なおかつ英国に行っていた時期がある」という情報に辿り着く。
1巻はだいたいそんなところである。
罪の声【1巻】感想
原作と比較して言うわけではないのだが、まあコミカライズとしては無難に仕上げているんじゃあないだろうか?格別すごく漫画がうまいというわけではないが、多分原作がいいからだろう、それなりに読み手を引き込むストーリーテリングとなっている。
実はこれを書いている現在、まだ1巻までしか読んでないのだが、そう間を空けずに3巻まで一気に紹介していく予定であるので、ご期待いただきたい。1巻だけ読んで何がどうって言うような種類の作品でもないし。
罪の声
京都でテーラーを営む曽根俊也。ある日、彼は父の遺品の中から黒革の手帳、そしてカセットテープを発見する。手帳には英文がびっしりと書かれており、さらに「ギンガ」「萬堂」という製菓メーカーの情報が。そしてテープに入っていた幼い子供の声は、31年前に起きた【ギンガ・萬堂事件】で脅迫に使われた録音テープの音声と全く同じだった。――「これは僕の声だ」。 実際に起きた未解決事件に迫るミステリー大作!!
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