第9巻から丸2年と5ヶ月。やっと出た。ついに出た。とらドラ、絶叫によるコミカライズ、第10巻をご紹介する。
とらドラ【10巻】あらすじ
修学旅行はスキーツアーになりました、という話をして9巻が終わったわけだが、10巻では冒頭からいきなりみんなスキーをしている。修学旅行編開幕である。
修学旅行中の大きな話の流れは二つ。
まず、実乃梨と亜美が喧嘩をする。口論とかそういう生易しいレベルの話ではなく、ガチのドつきあいである。この作品、作者(※原作小説の作者)が女性であるということもあって、そういう女性同士の怨念みたいなものを書かせるとすごいのである。
次に、大河がスキー場で遭難する。救助じたいはわりとすぐ救助されるのだが、そこでちょっとした大事件が勃発する。そこがこの巻の、そしてとらドラ!という作品の『終わりの始まり』を告げ知らせる境目の重要シーンであるので、詳細はネタバレの項目でいこう。
そのあと、修学旅行から帰ってきて、進路志望調査票を提出するのしないの、という話になる。10巻はそのへんまでである。
とらドラ【10巻】ネタバレ
修学旅行であるので、男どもで恋バナをする。「櫛枝実乃梨にコクって振られた」ということを、男友達の前でぶっちゃける竜児である。そしたら、「女子部屋に突撃して、本人に問いただそう!」ということになる。のだが。
結局、なんか流れで女子部屋の押し入れに隠れるはめになってしまい、そこで実乃梨と亜美の口論が始まるのを聞いて気まずくなってしまうのであった(この場は口論だけで済む)。
ドつきあいが勃発するのはスキー場である。実乃梨と亜美が、まあありていにいえば色恋沙汰に関するお互いの態度が気に入らないとかいうあれで、本当に手が出るのである。もちろん周りが寄ってたかって止めるのだが、気づいたらその場から大河が姿を消していた。遭難である。
で、夜、いてもたってもいられなくなった竜児が、大河を探しに行って発見し、おぶっていくのだが。そこで、自分を背負っているのが北村だと誤解した大河が、「私、どうしても竜児のことが好き」と口に出す。竜児はこの時点で初めて、確信とともに大河の気持ちを知ることになる。
が、竜児はとりあえず「聞かなかった」ことにする。ヘタレである。それはそれとして、進路である。竜児は母子家庭であるので、大学に行く気がない。母親は行かせたがっているのだが、竜児は母のために働きたいのである。で、「進学しない」と強硬な態度を示し、担任の先生からも難色を示される。10巻はだいたいそんなところである。
とらドラ【10巻】感想
二年と半年、待った甲斐はあった。魂が震えた。大河の気持ちを竜児が知ってしまう場面で。
今から現実の時間で5年ほど前にこの単行本シリーズの1巻をご紹介したとき、「完結まで20年かかると言われていて、既にこの1巻の刊行から9年が経っている」と書いた。実際、1巻の刊行は今から約14年前(2008年2月27日)である。
そして10巻が出た今、「多分あと2巻、5年くらいで終わるんじゃないだろうか?」という希望的観測が出てきている。仮にあと3巻が、これまでよりはハイペースに6年くらいで刊行される」としたとして、ジャスト20年ということになる。ハイペースに出なかったら20年でも終わらないということにはなるが、原作の尺を大幅に逸脱することはまずないだろうから、13巻まで出ればさすがに終わると思う。
さて、もう少し10巻の話をしよう。何度も言うようではあるが、このシリーズは基本的に原作に忠実である。なので原作で描かれていないもののオリジナル描写などはほとんどないのだが、原作には描かれていない、そしてアニメでも描かれ尽くされることはなかった、細かい表情芸などがほんっとうにうまいのである。これも何度も言ってますけども。
今巻でいえば、櫛枝実乃梨を煽る亜美様の表情が最高に良かったです。ごちそうさまでした。
とらドラ!
目つきは悪いが普通の高校二年生・高須竜児は、ちっちゃいのに凶暴で獰猛、“手乗りタイガー” と呼ばれる少女・逢坂大河と出会う。しかも竜児は、彼女の知ってはいけない “秘密” を知ってしまい……。竹宮ゆゆこが贈る、恋と戦いの学園ラブコメディ、待望のコミカライズ!
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