JUMBO MAX、現行最新刊となる3巻である。
JUMBO MAX【3巻】あらすじ
この1冊でかなりいろいろと状況が移り変わるので、簡潔にまとめよう。
まず、前巻の最後に仲間に引き入れることになった福地と称する男（明言はされていないが、多分ヤクザではないかと筆者は思う）、こいつがとんでもない悪党で、JUMBO MAXのシノギはこいつに乗っ取られてしまう。
建男は須磨岡（と、多分鹿子も同意している）に裏切られ、今度は警察に売り渡されそうになる。ちなみに大佛も、おそらくジャンボマックスを製造していた技術者は建男だ、ということを見抜くに至っている。
さらに建男の妻が動く。建男が危ない橋を渡っている上に警察沙汰になっている（さすがに人の死に関わっている事実まではまだ知らない）ことを知り、別れた前夫（弁護士）に連絡をとって、建男を切り捨てることにしたのである。
すべてを失った建男は復讐を誓い、姿をくらますことになる。
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JUMBO MAX【3巻】ネタバレ
あらためて四人で会話をするシーンからだが、建男に最初に見切りをつけたのは福地であった。福地に言い含められ、須磨岡がひそかに建男のケータイからグループに関する情報を消し、ついでに建男としかつながりのない顧客十数人（いっぱいいるな）の情報を（もちろん匿名で）警察に流す。
ジャンボマックスの顧客の一人は逮捕されるのだが、そいつが、「製造者と名乗る男に会ったことがある」と供述する。
それは事実である。さすがに本名は教えていないが、会った場所の監視カメラの情報を回収して（警察優秀）、はっきりとは映っていないのだがそれでも大佛がそれは建男であると見抜いてしまった。
そこから、建男の妻と、建男本人に手が回る。建男は裏切られたことに気付き、そしてそのあと妻にまで三下り半を突きつけられたので、逃走してしまう。警察も建男の足取りをロストしてしまった。この作品の警察はおおむね優秀なのだが、これは失態であった。
で建男はどこへ行ったかと言うと、別にたいしたところには行っていない。顧客の一人（面識がある）のところに匿ってもらうことにしたのである。ここでも裏切られやしまいかとはたからみていると心配だが、とりあえず3巻時点ではそういうことには（少なくともまだ）なってはいない。
残る問題は、須磨岡と鹿子である。ジャンボマックスの製法を把握しているので、福地に協力して生産体制に入っているのだが、製造現場に監禁されてしまいコンビニにすら行かせてもらえない。
どうもヤバい、早めになんとかしないと、という事態になっている。裏切った側なのだが、彼ら自身ろくな目に合っていない。まあ、所詮アマチュアの犯罪者であったということか。
最後のあたりでは、福地に攫われてきた娼婦らしき女（ジャンボマックスで人が死ぬところを見てしまったので無関係というわけにもいかないということで攫ってきてしまったらしい）が、ここで手伝いをしろと二人のところに放り込まれ、事情を打ち明けて終わりである。
JUMBO MAX【3巻】感想
三人の関係が崩壊するまでが想像以上に早かった。しかし建男も、絶体絶命の状況だったわりに覚悟を決めて復讐を誓うまでが早い。
なんか、ただのクライムものというより、ハーラン・エリスンの小説みたいなノリになっている（ご存じない方も多かろうが、ハーラン・エリスンはアメリカのSF作家で、犯罪と暴力を描かせたら右に出る人はいない、みたいな感じの作風）。
全体の話の流れとしても、これは十巻二十巻続く流れにはもうならないかな、という感じではある。まあ、むやみに引き延ばさないのが正解であるということはよくあるのだが。
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