漫画「はじめアルゴリズム」5巻あらすじ
大きなあらすじそのものは、全体的なこれまで通りのストーリーに沿っている。つまり、ハジメは数学少年としてのびのびすくすくと育っているのである。
事件らしい事件はといえば、今巻は二つ。
まず、ハジメがウチダのコネでテレビタレントとしてデビューするということ。
次に、ミツヤ(ウチダの息子)が、ハジメを金目当てで誘拐しようとして、なんやかんやの騒動が起こる。
漫画「はじめアルゴリズム」5巻ネタバレ
家でハジメがホラー映画を観ていたら、外で物音がしてびっくり。映画の音ではない。現実の何者かの立てる物音である。
罠を仕掛けてみたらかかったのはミツヤであった。
ミツヤは何かを企んでいたらしいが、ハジメと大貫のくったくのない態度に毒気を抜かれたらしく、いったんは(金庫から金を持ち出して)去っていく。
さて、そんなこんなのおかげでウチダは金欠に喘ぐことになる。もともとそんなに裕福だったわけではないのかもしれない。家のガラクタを古物商に売ろうとか、いろいろなことをやり始めるのだが、ここで出てくるのが「カオス理論」である。
カオス理論というのは、言ってみればバタフライ効果であるとかそういうものだ。一匹の蝶の羽ばたきがめぐりめぐって大きな影響を及ぼすかもしれないが人間にはそれを分析することはできない、というやつである。
ウチダがああやこうやしているのも巡り巡ればカオス理論がどうたらこうたら、というようなことを、相変わらずぼんやりとしつつ、ハジメは考えている。
さて、ウチダは多少は悩みつつも、かつて自分が辿った道をハジメに辿らせる。タレント業である。ウチダの業界へのコネはか細いながらも残っていて(親しかったADが出世して偉くなっていたという人がいたらしい)、ハジメはそこそこにタレントとして名が売れるようになっていく。
そこにまたやってくるのがミツヤである。ハジメやウチダが金を持っているものと誤解したらしく、ハジメを「誘拐」する。だが、ウチダが金を持ってないという事実を告げられて落胆、ハジメからテレビ番組の賞金をかっぱらいはするものの、昔取った杵柄の数学の話などをして、去っていく。
テジマの動向も少しだけ触れられる。イギリスの学校で、まあそれなりに友達もできてそれなりにそれなりにやっている、という感じである。
巻末のエピソードでは、テジマの祖父がまたウチダのもとを訪ねてくる。ウチダがハジメをタレント業に進ませたことについて含むところがあるらしい。ぶっちゃけた話金がないわけで、このままでは満足に内弟子として修行させることもできないだろう、よかったら自分が一枚噛もうか、みたいなことを言い出す。この巻はだいたい、そんなところである。
漫画「はじめアルゴリズム」5巻の感想
あらすじからは外したが、ハジメの初恋らしきものも描かれている。相手は前から知り合いの、年上の数学少女(向こうは前からハジメのことが好き)。押せば簡単に落ちそうではあるが、ハジメはぼんやりしているのであんまり進展とかなんとかそういう雰囲気ではない。まあ、まだ小学生なわけだしね……。
感想と行きましょうか。前の巻で安定した流れに入ったあとのことなので、全体的にトーンは落ち着いている。急転直下何かが起こるとか、人が陰謀を企むとかいったようなテーマの漫画ではないし。
ただ、最後でちょっと、この先の展開はどうなるのかな、という感じはある。ハジメもイギリスに行くのだろうか。それともウチダとの師弟関係を続けることを選ぶのだろうか。そのあたり、次巻も楽しみである。
はじめアルゴリズム
老数学者・内田豊は廃校で出会った、小5の少年・関口はじめと。はじめは、数学において天才的な才能があった。内田は彼の才能に惚れて、彼を導いていくことを勝手に決心したのだった・・・。足す足す引く引くワクワクドキドキ。ワンダーボーイ、数字と一緒に世界を大冒険。数字を見るのが少し楽しくなる成長物語。数学と天才が嫌いじゃなくなります。