普通に群像劇としてそのまま続いていく『瓜を破る』、7巻目。すっかりこの作者の代表作の位置に定着したようで古くからのファンとしては喜ばしい限り。
瓜を破る【7巻】あらすじ
無事くっついたまい子と鍵谷についても動きがないわけではないが、基本的にはそのまま割とうまく行っている感じで、それよりこの巻から新しくスポットライトが当たる小平というキャラクターが一人いて、そのキャラクターのエピソードとまい子たちのエピソードがだいたい半々くらいで構成されている7巻である。
瓜を破る【7巻】ネタバレ
小平ちゃん(女)であるが、26歳、派遣社員。まい子と同じ会社で働いている。まい子は正社員で小平は派遣社員、ということらしい。だからなんだということもないんじゃないかと思うんだけどまあ世の中はいろいろ難しく、小平ちゃんには劣等感があるのである。ちなみにずっと前のほうの巻から出てきてはいて、鍵谷に対してまんざらでもない感情を抱いたりしていたキャラクターでもある。
さて小平ちゃんであるが、陰キャである。ブスというほどひどい面相をしているわけではないのだがまあ地味で、少なくとも本人は自分のルックスに自信がない。
だが、まい子とは違って恋多き女性である。初体験は22歳のときで、その後もマッチングアプリでしょっちゅう男をひっかけているのだが、同じ相手から二回誘ってもらえたことがない(初体験の相手もここに含まれる)というのがコンプレックス。何が原因なのか明示的に示されているわけではないが本人は自分がブスだからだと思っている。
ところで、同じ職場にいる以上はまい子と多少接点がある。というか、同じ沿線かなんかであるらしくて、駅で顔を合わせたりもした。んで、見てしまった。鍵谷とまい子が一緒にいて、明らかに恋人同士ビームを周囲にまき散らしているところを。
別に鍵谷と彼女の間になにがあったというわけでもないので文句を言う筋合もないのだが、小平ちゃんはまい子を「派手好みの陽キャで、イケメンをはべらして暮らしている種類の女」だと思っているので(まい子が美人だからということもあるが、人間は何事も自分を基準に考えてしまうものだ)、若干黒い感情が沸く。
さて、小平ちゃん、いちおういま継続して会っている男が一人いる。ケイタ。見た感じオタクっぽい雰囲気の、こちらも微妙に陰キャっぽい、あまり冴えない外見の小太りの青年である。
ケイタは割と恋愛感情があるようで、二回目の誘いを(小平にとっては初めて)してきたというので、小平ちゃんまんざらでもない。だが、マッチングアプリでほかの男がアプローチしてきて、それがえらいイケメンなのでぽーっとなってしまう。恋多き女である。
ちなみにまい子の方はというと、鍵谷とは直接的にはうまく行っており、関係も続いているのだが、ひとり社内に辞めた同僚が出て(別の会社に移った)、急に仕事が忙しくなった。「彼氏ができたのでその仕事は引き受けられません」などと言うわけにもいかない立場のある(正社員だしなあ)まい子、鍵谷とデートすることもままならなくなっている。そんな感じで続く続刊。
瓜を破る【7巻】感想
ずいぶん前にも説明した気がするが、この作者とこの文章を書いている筆者との初遭遇は『蝴蝶酒店(ホテル・ウーデップ)』という作品である。調べると十年以上も前だ。この『瓜を破る』だけでももう三年以上も続いている。長いかかわりになる。
全作品もれなく追っているというほどの大ファンではないので読んだことのない作品も正直ある(既読はだいたい単行本になってる作品のうち半分くらいかな)のだが、しかしこうして代表作というべき代表作が定着し、世に知られた作家として定着してくれると感慨深いものがあるのも確かなのである。
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