サンダー3(1)
作者 池田祐輝
出版社 講談社
ジャンル 少年漫画
新シリーズをご紹介する。『サンダー3』。月刊少年マガジンで連載されている、最近注目の作品である。ジャンルは大きく分ければSF。
サンダー3【1巻】あらすじ
この作品のこの一巻、あっと驚くような仕掛けが施されているので、(この文章を書いている立場でそんなことを言うのは本末転倒といえばそうなんだけど)ネタバレなしでそれを見てもらいたいような気持ちがないではないのだが……その仕掛けがあるところまで無料で読む方法がある(仮にいまあるとしても長期的に維持される)とも限らないので、書いてしまいましょう。
この作品は、SFと言ったが、その中でも「マルチバースもの」と呼ばれるべきジャンルのSFである。昔っからあるといえばあるんだけど、それはそれとして最近わりと流行ってるやつです。『スパイダーマン』の映画なんかでもやってる。
で、だ。何がどういう仕掛けになっているかというと、「絵」に仕掛けがある。全編漫画であることに変わりはないのだが、表紙に見られるようなコミカルタッチの絵柄と、後述するような「日本の漫画としてはかなりリアル寄りの画風の」絵柄とが混在する。しかも、それぞれが「コミカルな絵柄のユニバース」と「リアルな絵柄のユニバース」を形成するのである。
では以下はストーリーのネタバレで。
主人公のよしきと光(を名乗る何か)もまた独自に「光の正体」について調査を始めるのだが、そっちは正直なところ一巻かかってもあんまり進展しない。彼らの「行動の動機」であるが、光は「やっと見つけた自分の居場所を“守りたい”」。よしきは「光の意思を尊重したい」。そんな感じである。
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サンダー3【1巻】ネタバレ
『サンダー3』1巻のストーリーを解説!(※ネタバレを含みますので注意)
物語の構造自体はたいして複雑ではない。まず、「コミカルタッチの絵柄」で物語は始まる。主人公の少年がいて、その妹がいる。妹は幼い。幼児である。兄にやたら懐いている。主人公には友人がいる。学校の友人であるが、二人。その三人組が「サンダー3」だというわけなのだが、まず、「異次元に行くための装置」というのがさらっと出てくる。
異次元の世界というのは、リアルな絵柄の世界である。最初はただ向こう側をカメラ越しに眺めているだけだったのだが、妹ちゃんが事故で向こう側に迷い込んでしまう。
向こう側の世界、リアルな絵柄の世界は「平行世界」であるから「同じような地球であり、同じような日本がある」のだが、ちょっと違いがある。宇宙人が地球に来訪して、当たり前にそのへんをうろうろしているのである。いちおう、地球人とは相互不干渉で、会話もしないようになってはいるが。
で、その宇宙人たちが、妹ちゃんをさらってしまったからさあ大変。少年三人組は向こうの宇宙に行って、妹ちゃんを助けようとする。主なストーリーはこの部分になる。その過程として、「向こう側の世界にいた、平行世界の自分たち」に救助を求めることになる。マルチバース物のマルチバースたるゆえんである。
ちなみに、リアル世界の住人たちからは、コミカル世界の住人たちは「アニメのキャラクターが現実に抜け出てきたような」姿に見えているのだが、平行世界の主人公たちはいちおう友好的に、三人組を迎え入れる。
で、もうひとつ説明を忘れていた、三人組というか、コミカル世界の住人たちはリアル世界に行くとスーパーパワーが手に入る。例外なく、全員そうであるらしい。といったようなところで、次巻に続く。
サンダー3【1巻】感想
感想というか、あらすじでもネタバレでもないんだけどもう一つ重要な問題がある。この作品の「リアル寄り」の方の絵柄だが、とある作家の画風に似ているのである。当サイトで紹介したことは多分ないような気がするが、奥 浩哉というベテランの漫画家で、代表作は『GANTZ』シリーズ。
この作品の作者名義で検索しても情報は何も出てこないのだが、いまのところ有力視されている説が二つある。「作者は奥浩哉の元アシスタントである」。まあ、別にあってもおかしくはない話だ。
しかしもう一つが問題である。もう一つの説は、「この漫画は奥浩哉本人が変名で描いている」というものだ。
正直、検証できる能力もなければそんなことをする立場でもないので、とりあえず以上、言うだけ言っておく。真偽は保証いたしかねる。
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