- 作品名:からかい上手の高木さん(3)
- 作者・著者:山本崇一朗
- 出版社:小学館
- ジャンル:少年マンガ
目次
漫画「からかい上手の高木さん」3巻のあらすじ
相変わらず高木さんが西片くんを日々からかっている……と言いたいところだが、一話目にしていきなり夏休み中に待ち合わせて、自転車の二人乗りの練習をするとか称して、デートをしている。
西片くんは「ただ自転車の二人乗りの練習をするだけだ!デートじゃない!」とか自分に言い聞かせようとしているが、それはデートです。
そのほかの話にしても似たようなものだが、一話だけ、若干毛色の違う話がある。カメラが高木さんと西片くんではなく、一緒に下校している二人を「あやしい」と言いながら尾行するクラスメイトに当たっているのである。これについては後述する。
漫画「からかい上手の高木さん」3巻のネタバレ
質問
「私の好きな人って誰だと思う?」「私の好きな人ってこのクラスにいると思う?」などと、微妙な外堀から高木さんが詰めていくおはなし。
背比べ
高木さんと西片くんが背比べをするわけであるが、なぜか神社で二人きりで、しかも密着して直接身長を並べて測る。しかも、後ろ向き同士、前向き同士、両方試す。からかっているというか、もう完全にバカップルのスキンシップみたいになっている。
席替え
席替えがあるので高木さんが残念そうである。西片くんは西片くんで、高木さんと離れた席になるのがやっぱり面白くない。なんだかんだで結局また隣同士の席になるのではあるが、「面白くないと思っている西片くん」の感情を高木さんが読み取って、満足そうにしている。そこが見どころのお話。
英訳
「私は西片のことばかり考えているよ」。なんかもう、からかっている部分とかどうでもよくて、距離を詰めていく高木さんのコケティッシュな魅力が前面に押し出され始めている。
逆上がり
なんだか知らないが二人で公園で逆上がりに挑戦している。高木さんはスカートであるので、「こっち見ないでね」とか言っている。西片くんはついうっかり見てしまうのだが、見たらスカートの下に短パンをはいている高木さんである。しかし「エッチ。」と言われる。その台詞のときの高木さんの表情が実にいい。
わき腹
高木さんの弱点はわき腹ではなくわきの下であるらしい。読者にはどうでもよいが、西片くん的には重要な情報であろう。
尾行
あらすじのところで述べた話である。
西片くんと高木さんだけで成り立っているような作品であるので、こうまでモブに光が当たるのは珍しい。ユカリちゃんと呼ばれている眼鏡少女がいて、見た目はクラス委員的風貌であるがこの子が異性関係というものに興味津々なので、傍目にもどう見てもいい感じである西片くんと高木さんが帰り道で何をやっているのか追跡して観察しようとするのである。
結局、高木さんの知恵で尾行は撒かれてしまうのであるが、そんなことはさほど重要ではない。クラスメイトには、カップル成立している組もあるのである。主人公二人組が、次はあいつらじゃないのか、くらいに思われている、というのがよく分かる話だ。
漫画「からかい上手の高木さん」3巻の感想
小耳に挟んだ程度の話であるからほんとうかうそかは知らないのだが、「好きです付き合いましょう」「はい」というステップを踏まないと「男女交際している」という風に認定されないのは、一説には日本の恋愛文化に独特のことであるらしい。
普段デートしていたりとか、そういった関係が既成事実としてあるのならば、交際していることになるという文化の方が一般的なのだそうだ(真偽のほどは保証しません)。
そういう意味でいえば、これだけ「近い」距離にありながら「付き合ってはいない」という最後の一線だけはキープしている高木さんは実に「日本文化的文脈の」ヒロインなのだろうと思う。