新九郎、奔る【4巻ネタバレ感想】荏原編が開始!新キャラ・那須の鬼姫も登場!?

新九郎、奔る!(4巻)

『新九郎、奔る!』第4巻である。

ちなみに、表紙で新九郎の羽織にでかでかと描かれているこの顔の主、「誰?」と思った方は正解である。新キャラなので。

新九郎、奔る【4巻あらすじ】

冒頭ちょっとだけ「荏原(えばら)に行くことになる経緯」がさしはさまれた後、前巻で説明した通り荏原編が始まる。

この巻では終わらない。

どこまで続くのかはわからないがともかくこの巻いっぱい、そして次の巻も荏原編である。

新九郎、奔る!(3)

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新九郎、奔る【4巻ネタバレ】

新九郎、奔る!(4巻)

真面目に細かい部分まで説明していくと人間関係もあいまってとても複雑で長くなるが、やっても誰のためにもならないと思うのでかいつまんで説明しよう。

荏原という土地は、伊勢氏の領地である。名目上は、東荏原が新九郎の父の領地で、西荏原が新九郎の伯父の領地となる。

だが実際には、伯父が東荏原にも野心を持っていて、まあ率直にぶっちゃけてしまえば全域の支配権を欲している。

いっぽう、新九郎の父はというと、京都での政治に明け暮れていてあまりこれまで荏原のことを顧みてこなかったので、そこいらへんの事情をよく把握してないようだ。

で、新九郎はといえばまだ若く青二才のことであるし、行ったことのない土地の事情を知悉(ちしつ)しているはずもなし、なおのこと事情を知らない。

行ってみたところ、上は役人(といっても伯父の身内)から下は百姓に至るまで、あまり新九郎を歓迎している様子がない。歓迎しようとする人がまったくいないわけではないが、歓迎させたくない人に邪魔されて歓迎できずにいたりする。

そういう難しい政治的状況にある中で、やる気だけは十分の「領主代理」新九郎、領内の視察など行っていたら道に迷って山で獣道にはまってしまった。従者の少年が獣取りの罠にかかり、見知らぬ若武者に矢を向けられる。

「ここは那須一族の縄張りだ」という。
まあ、道に迷っただけなのは見りゃわかるのですぐ敵意は解いてくれるのだが、那須というのは隣の郷の領主などではなく、西荏原に古くから住まう豪族であり、自称するところでは那須与一の末裔であるという。

ここでがぜん那須氏に興味がわいた新九郎、「源頼朝公の書付が残っているそうだが見せてもらいたい」などと言って接触を図る。驚いたのは那須氏の方である。相手は小せがれとはいえ仮にも領主代理、それが突然よくわからない理由で接触を図ってきて、何の意図あってのことか、というのである。ちなみに伯父サイドの人々も事情を知って、何かのたくらみか、などと邪推している。

だが新九郎には他意などない。書付が見たいだけなのである。そう率直に言ったら大笑いされた。なおこのあいだの若武者は、実は女で、地元では「那須の鬼姫」として知らぬ者もないやんちゃ娘であった。なお、例の表紙の顔はこの人である。

さて、妙な話の流れから、「勝ったら書付を見せて進ぜる」とか言われ、鬼姫、弦(
つる)という名前であるがその人と流鏑馬(やぶさめ)勝負などすることになる。

新九郎はそれなりに頑張ったが、弦は弓の名手であったので見事に負けた。大恥もいいところだが、何が幸いするかわからんもので、これで「頼りにならん若様」として新九郎の名前は荏原で少しは知られるようになり、民衆には受け入れられるようになってきたのであった。

しかしそんな流れは伯父サイドの連中から見れば、面白くない。ここはひとつ、「事故」にでも合わせてやるか、と陰謀が練られ始めたところで次巻へ続く。

新九郎、奔る【4巻の感想】

新九郎、奔る!(4巻)

作者のツイッターでのつぶやきを追っているから知っているのだが、荏原編は史料がほとんどなく、ありていに言えば空想で書かれているそうだ。鬼姫も荏原の那須氏もたぶん架空であろう。

だけど、正直言って難解に過ぎたこれまでと違って、ふつうに漫画として面白い巻であった。まあ、ベテランの妙味というやつも出ているし。


新九郎、奔る!

新九郎、奔る!

原作・著者ゆうきまさみ
価格600円(税別)

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