超高齢出産家族の絆を描く「セブンティウイザン」漫画2巻の内容やネタバレ感想

セブンティウイザン(2)

2巻である。
1巻ラストで生まれてきた子供は心身ともに健康なのであるが、なんだかなんとなく、重苦しい雰囲気は相変わらず漂っている。

セブンティウイザン(1)

漫画「セブンティウイザン」2巻のあらすじ

まず、母乳が出ない。まあ、しようがないであろう。70歳なのである。そもそも出産できたことが奇跡だ。今の世の中のことなんだから良い粉ミルクだってある。だが、夫婦は悩んでいるのである。雰囲気が重い。

あ、説明し忘れていたが生まれてきた子供は「みらい」と名付けられた。女の子である。
さて。帝王切開だから多少は長くかかるのだが、無事退院する。

新生児の育児は大変である。若く体力のある父親母親でも大変なのだ。まして65歳と70歳である。辛くなかろうはずもない。

回想シーンが描かれる場面が多い。65歳の夫の過去。70歳の妻の過去。これだけの歳月を生きているのである。そりゃあ色々なことがあるわけである。だが主に描かれるのは、「親子の絆」だ。あと、死んだ愛犬オードリーとの絆。他者との絆、がこの物語のテーマなのであろうか。

2巻は、みらいがお食い初めをするシーンまで。生後100日くらい。


セブンティウイザン(1)

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漫画「セブンティウイザン」2巻のネタバレ

お食い初め。100日目、もしくは110日目か120日目にやる儀式だそうである。作中では「古臭いしきたり」と言われているが、今でも広く行われているのであろうか?筆者は(そこそこに良い年なのであるが)やっている。どうでもいい話をするが、3つ違いの妹もやっている。写真が残っているし妹がやったときのことは覚えているから間違いない。

閑話休題。

江月朝一の回想シーンに登場する人生は、凡庸である。いつも、中庸の間を通って生きてきたような人生だ。ちなみに夕子とはお見合い結婚である。

夕子の方はもうちょっと劇的である。そもそも、良い家のお嬢様だったらしい。だが、学生のときに恋人ができ、駆け落ちの末に勘当された。母親からひそかに仕送りを受けていたが、それもやがて途絶えた。実家に駆けつけると母親は既に鬼籍であった。

そんな人生の向こうで、朝一と出会い、それなりの救いを得て生きてきたというわけである。

ところで。

この作品はWEBコミックとして描かれているらしい(単行本には描き下ろし部分も多いが)。たった今、好奇心に負けて最新話を読んできてしまった。

なんだか大変な展開になっていた。

さすがにここでそこまでのネタバレをするのは筋が違うと思われるので控えるが、「セブンティウィザン」で検索していただけばすぐに出てくる。読む際には若干の覚悟をしておくことをお勧めするが。

漫画「セブンティウイザン」2巻の感想

セブンティウイザン(2)

この物語はまだ連載中である。だが一体、最終的な着地点はどこになるのであろうか。

みらいはまだ赤ん坊だが、当分は赤ん坊のままだ。小学校1年生に上がる7歳の時点でさえ、父親は72歳、母親は77歳となっている。

成人式となると、85歳と90歳である。

まさかそこまで延々連載が続くことはないんじゃないかとは思うが、それにしても……

こういう設定の物語の着地点を考えると、どうにもこうにも、暗い考えが頭をよぎらざるを得ない。

そもそも、会社を定年退職して、余生に温泉巡りでもしようかという矢先だった二人である。そこに、子供ができた。名前は「みらい」。

未来が、見えないからこその、不安であるからこその、命名であろう。この名もまた重い名だといえる。

単に面白いだけの漫画なら、先の巻が出るのは「楽しみだ」の一言で済むのだが、この作品はそうもいかない。完結まで読み進めたいとは思うが、どうにも、重い。読み進める手が、重くなるのである。


セブンティウイザン(1)

セブンティウイザン

原作・著者タイム涼介
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その日、江月朝一(65歳)は定年退職を迎えた。家に帰ると妻、夕子(70歳)から信じられない事実を告げられる。「私、妊娠しました」。終活、そんな言葉もよぎる夫婦が、突然授かった大きすぎる未来。超高齢出産夫婦がおりなす全く新しい家族の物語が始まる。夫婦の愛に、あなたもきっと涙する。

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