無法島【ネタバレ感想】タイトル通りの島で繰り広げられる究極サバイバル!

無法島

『ホーリーランド』『自殺島』などで知られる森恒二の新作で、世界観としては自殺島の前日譚にあたるシリーズを御紹介する。

無法島【あらすじ】

『自殺島』の中で少しだけ語られるのだが、日本(漫画にありがちな、ちょっとおかしな日本)で以前死刑囚を島流しにし、サバイバルさせるという刑罰が行われていたことがあったという設定がある。この作品は、その「以前」の部分にスポットライトを当て、新たなシリーズを構築したものである。

舞台は20××年。死刑相当の凶悪犯62名が島流しにされた。といっても、絶海の孤島とかではない。人が住んでいた痕跡のある島なのだが、一般人は既に退去しているらしい(超余談だが、江戸時代の八丈島には流人ではない一般の住民もいたそうだ)。

主人公は、カイトという青年。実は死刑囚なのだが殺人犯ではない(と本人は主張している)。なんでも、無実の罪で死刑宣告を受け、この島に送り込まれたのだという。

さて、島にはいちおう最低限の食糧は届けられる。カロリーメイト的な何かである。それから、水道くらいはある。あとはガスも電気もない。

殺し合うなり死ぬなり生き延びるなり好きにしろ、という、割と無法な方針により、死刑囚たちは島に解き放たれる。

無法島【ネタバレ】

無法島

さて、主人公以外みんな無法者なので、到着早々割とみんな暴れ出す。略奪に強姦、勝手気ままである。もっとも、女たちもみな殺人犯であるゆえ、そう簡単に屈服しないような人ばかりなのだが。

主人公は島について早々、襲われていた女性をかばい、船着き場から逃げ出す。船着き場には食糧庫があり、そこに食糧が届けられるわけだが、そこは「ジンボ」と名乗る無法者のボスが占拠してしまった。

さて、一巻ではさっそく、この島における彼らのサバイバル生活が描かれる……のかと思えばそうでもない。一巻はおおむね、主人公が最初にかばった女性、白刃の魔女と呼ばれる連続殺人犯であるのだが、その過去話にスポットライトがあたる。

白刃の魔女は有名人である。その罪状は、自分を輪姦した犯人たちを日本刀で皆殺しにした、というもの。事件が事件なので、そりゃあみんな知っている(たぶんほとんど日本中に知らない人などいないだろうな)。

語られるのは過去の事件についてである。まず、当時魔女は大学生であった。事件のあと、いろいろあって示談ということになったのだが、絶望のあまり父親が無理心中をはかり、本人だけが生き延びた。別種の絶望にとりつかれた彼女は日本刀を手に取り、まあちょっと色々手間をかけて、犯人たちを一人ずつ呼び出し、三人目から五人目までは一同に集め、皆殺しにして、そのまま警察に自首したというわけである。

さて、彼女は復讐鬼である。心を鬼にして生きている。この島でも、自分に悪意を向ける人間はみな殺す、と息巻いている。なお日本刀は所持していないが、剣道の達人であるので棒切れ一本あればとても強い。相手が大勢だったりすると限界もあるけど。

そろそろ主人公の方に話をうつそう。主人公は挫折した元ピッチャーである。したがって、投石には自信がある。まともな人間であり、また魔女に好意を示した結果として、魔女に人間らしい感情を取り戻させようと、せつなくもありまた残酷でもある努力を繰り返す。一巻はだいたいそんなところである。

無法島【感想】

無法島

自殺島という作品も(特に最後のほう)かなり無法がウェイトを占めるようになっていくのだが、この作品は流人全員がハードに無法者なのでガチで無法である。

暴力の嵐だ。

正直、それでげっぷが出るレベルではあるが、ストーリーテリングについてはさすがの力量と言わざるを得ない。とりあえず次、2巻を御紹介するのでお待ちいただきたい。


無法島

無法島

原作・著者森恒二
価格650円(税別)

20××年、政府は増え続ける凶悪犯に対し、試験的に流刑制度を復活させた。死刑に相当する凶悪犯62名が送られた島の名は、通称「無法島」――。家族を惨殺され、無実の罪を着せられ、この島へと辿り着いた一人の青年。あまりにも過酷な現実が、いま動き出す…。累計330万部超の大ヒットサバイバルコミック「自殺島」。そこでは語られなかった前日譚を描く、衝撃の話題作!!

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