漫画「真昼の百鬼夜行」ネタバレ感想!人間と妖怪の心温まるファンタジー作品

真昼の百鬼夜行

この漫画は比嘉史果先生が描く人間と妖怪の共存を描くファンタジー作品。この漫画の世界では妖怪が認識されており、人間もそれなりに妖怪を受けれている節があります。特に妖怪を怖がるわけでもなく終始和やかなムードで物語が繰り広げられていきます。

各話完結型の話になっており、読みやすく、絵柄も可愛く丁寧に描かれます。ホラー要素があるわけではなく、のほほ〜んとした人間と妖怪のヒューマンドラマを楽しむことができる作品です。

読んでいて凄く癒やされました。
妖怪モノが好きな人は是非、チェックして欲しい作品の一つです。

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漫画「真昼の百鬼夜行」ネタバレ

真昼の百鬼夜行

第1巻では6つのエピソードが収録。各エピソード共に1話完結型になっているのでサクサクと読むことができ、テンポも非常に良いです。

動物園のくだん君

半人半牛である件(くだん)と獣医師である持田ゆかりの物語。

南海市動物園でクダンが産まれる。国内では3例目。動物園では実に30年ぶりの出来事であった。産まれてからすぐに不幸な言葉ばかりを吐き捨て暴れまわるクダン。

クダンといった妖怪は短命で死ぬ間際に予言をして死んでいく妖怪とされています。

しかし、この漫画では奇跡が起こります。
例に漏れず、突如、様子のおかしくなるクダンは災いが起こる予言を吐き捨てるとその場で意識を失ってしまいます。

そこへ手を差し伸べる獣医師の持田ゆかり。死なせないために手術を行い、見事に成功。一命を取り留めるクダン。

その後のクダンは以前よりも素直になっており獣医師:持田を結婚相手にしたいなどダダをこねて和やかムードで幕引き。

サトリとひとり

人の心を読める猿:サトリと人間:シノの捕獲物語。

時折、山から降りてくるサトリは人の心を読んでは町の人間関係を滅茶苦茶にしてしまう。そこで町の職員だろうか…鳥獣保護の職務を任された職員がサトリの捕獲作戦を決行していきます。

物語の中心人物となるシノ。
サトリの捕獲作戦は上手に事を運んでいましたが最後に失敗…バレてしまいます。

ここからサトリの心バラシが開始。
シノは男である事実をバラされ、恋心を抱く相手の名前まで吐露されそうになります。ちなみにシノ、見た目は完全な女性。でも中身は男性のようです。

サトリに好きな男性の名前を言われそうになったシノは自ら好きな人物の名前を曝け出すことに。

嘘偽りのない本当のことを自らの口で語ったシノはサトリに褒められ、サトリは山へと去っていきます。このサトリが非常に可愛く憎めない存在なのがGood。少し天然ボケの入ったキャラもお気に入りです☆彡

ひとまね河童

人真似をしては追いかけてくる河童と河道の工事業者さん達の感動物語。

人工の河道を工事中に地中から河童が現れる。無傷で保護して欲しいと工事現場にお達しが入る。

人真似をしては邪魔ばかりする河童。
なんだかんだで作業員達も河童に愛着が湧いてくる。河童も人間に近づきたいのか、やたらと人間の食べ物を食べたり、行動を真似。しかし、事件が起きてしまう。

ストーブを出すと河童も一緒に温まるが乾燥して倒れてしまう。あげた食事も消化できていないまま吐いてしまう状態。命が危ないと感じた作業員達は水族館の人間が引取に来る前に自然の川に河童を帰してやることに。

鵺の天気図

鵺と天気予報士の物語。
米どころを中心に雨を降らせていた鵺。雨によって作物は大豊作を見せていた。しかし、天気予報士は鵺の狙いに気づく。

それは成長しきった作物を鵺は全て刈り取ろうとしていたこと。

鵺が農民に嫌われてしまう。子供の願いに天気予報士が動く。メディアの力を利用して鵺を悪者に仕立てあげて、鵺が農作物に近づかないように仕向けさせることに成功。

その後、匿っていた鵺を引き取り、自宅に連れて行く天気予報士。実は家で米を栽培しており、鵺の力を借りて米を育てていました。出来上がった米を鵺に食べさせるために。

生簀の中の人魚

人魚と寿司職人である東の物語。

ある日、女将が人魚を仕入れて店へ持ってくる。大西といったお客が人魚を提供してくれたら店の支援をしてくれるのだと言う。東の寿司屋は客が入らず、今にも潰れてしまいそうな寿司屋。

店の支援をしてくれるかもしれない大西が来るまで人魚とコミュニケーションを取る東だったが次第に愛着が湧いてきてしまう。

そして、大西が来店。
魚の気持ちを考えない大西に人魚の提供はできないと店の支援の件も兼ねて断る決意をする東。意地の悪い大西は今回の件を警察に話すと言い出す。実は人魚を提供するのは違反だったのだ。

その一部始終を聞いていた人魚が飛んできて大西を尾ビレでビンタ。飛んだ反動で床に強く叩きつけられてしまう人魚はそのまま死んでしまう。死ぬ間際に人魚の口から東なら私を捌いても良いといった許可を貰った東は大西に人魚の刺し身を後に提供する。

その後、大西は警察に捕まるが、東の店である福鮨は追求されずにいた。同時にちょくちょくと店にも客の出入りが。常連客の1人に寿司が美味しくなったとお褒めの言葉も貰えるように。

麒麟児とその周辺

学校の教室に突如、麒麟の妖怪が登場。
クラスでは落ちこぼれであった保志直子が日本一の麒麟児に選出される。麒麟児に選ばれると時代に名を残すような偉人になれるらしい。この麒麟が過去に面倒を見てきた生徒の中には歴史上の名だたる人物の名前がたくさん。

直子はとりあえず校内テスト学年1位を取ることを麒麟に言い渡される。そこから猛勉強。

落ちこぼれが麒麟児に選ばれたことを妬み、直子は途中、虐めにあったりするが本当に校内テストで学年1位を取ってしまう。

目標を達成した直子だったが充足感がまったくなかった。

麒麟児をやめる決意をした直子は元の凡人へ。元の生活に戻った直子は満たされた生活に幸せを噛みしめる。当然だがテスト点数も落ちる結果に。

最後に直子は再び麒麟と出会い、何かを選んで頑張るならジャンクな仕事がしたいなどと想いを寄せて、物語は終了。

漫画「真昼の百鬼夜行」感想

真昼の百鬼夜行

独特な世界観のある漫画で終始、和やかなムードで読み進めることができる作品。登場してくる妖怪も怖くなく、逆に愛くるしい妖怪ばかりで癒やされてしまう。

人間と妖怪のやり取りも面白く、まさに現代妖怪奇譚!

のほほ〜んとした妖怪モノ漫画を読みたかった方には最適な漫画であり、不思議と心が癒やされて、温かくなる作品になっています。興味が出た方は是非!

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